最強死刑囚編?そのニ
今更ですが最近、ストリートファイター6を買いました。とても楽しいですね
グバヤ=ングルは、パノプティコン本棟の外壁を登っていた。両手から生えた鉄の鉤爪を壁へ突き立て、一歩ずつ、まるで獣のように垂直の壁面を這い上がっていく。先程、能力に目覚めたばかりだというのに、その行動は異常なほど早かった。
脱獄の際、彼をを止めようとした刑務官がいた。
グバヤは、掌から生やした刀で刑務官を刺し殺した。
血飛沫の舞う牢内。そのまま窓の鉄格子を斬り裂き、グバヤは外へ飛び出したのだ。
目的地はただ一つ。パノプティコン頂上《監視所》。
出口を正面突破で脱出するのは流石に厳しい。
ならば人質を取るか、あるいは監視所からのみ可能な、全囚人解放をするか。
暴動を起こし、その隙に逃げる。極めて単純で、極めて凶悪な発想だった。
がつ、がつ、と。鉄の鉤爪が外壁へ食い込み続ける。
やがてグバヤは頂上へ到達した。監視所の窓枠へ掴まり、ニヤリと笑う。
「さァて、自由時間だァ!」
窓を蹴破り、一気に室内へ飛び込む
「なっ――!?」
職員たちが振り返る。しかし遅い。
「湾曲せし己が自慢の剣!!」
グバヤの掌から、巨大な剣が生成され凄まじい斬撃が監視所を薙ぎ払った。
血、肉、破壊されたコンソール。
職員たちは何が起きたか理解する前に切り裂かれていた。
「ガハハ!!脆ぇなァ!!」
グバヤは豪快に笑う。――全員死んだ。
そう思った、その時だった。
「……お、お前みたいなのを……出して、たまるか……」
下半身のない瀕死の職員が、床を這いながら端末へ手を伸ばしていた。グバヤが目を細める。
「しつけぇな」
グバヤの刃が閃いたが、職員は最後の力でボタンを叩いていた。それによりパノプティコン全域へ警報が鳴り響く。
『これよりパノプティコン重要区画の出入り口を緊急閉鎖します』
『これよりパノプティコン重要区画の出入り口を緊急閉鎖します』
電子音声が何度も繰り返される。
「……は?」
グバヤは監視卓へ駆け寄り、ホロマップを確認した。そこに表示されていたのは完全封鎖された脱出ルートだった。
「おいいい!!俺の行きてェ道、全部塞がってんじゃねえかクソォ!!」
頭を掻きむしる。
「チッ……解除方法わかんねぇしよお……」
だが彼はふとニヤリと笑った。
「……まあいい。当初の目的は果たさねぇとな」
そう呟き、一つのボタンを押した。
一方その頃。ヒューゴとメロルスは、出入り口付近でバスを待っていた。
「はぁ〜……早く来ねぇかなぁ」
ヒューゴがベンチに寝転がりながらぼやく。
「このままだと夕方の『超次元タヌキロボ』見逃しちまう」
「子供かお前は」
メロルスは呆れながら返す。
だが実際のところ、彼も少し上の空だった。頭の中はカテリナのことでいっぱいだった。
(今頃何してるんだろうな……)
その時だった。突然、施設全体へ警報が響き渡る。
『これよりパノプティコン重要区画の出入り口を緊急閉鎖します』
同時に巨大シャッターが目の前で閉じた。
「おいどうすんだよ!!夕方の超次元タヌキロボ見れなくなっちゃうだろ!!」
「いやそこじゃねえだろ問題は!!」
メロルスが怒鳴る。
「……とにかく、職員が集まってる監視所へ行くぞ。何が起きてるか聞くしかない」
「あ、あぁ……そうだな」
こういう時はメロルスは冷静だった。
二人は本棟へ向かう。だが既に施設内は地獄と化し、解放された囚人たちが暴れ回っていた。
「うおおおお!!」
「殺せぇ!!」
「自由だァァァ!!」
「うるっせぇ!!」
ヒューゴが囚人を蹴り飛ばす。メロルスも義手で殴り倒しながら進む。
「お前ら道開けろ!!俺帰って『超次元タヌキロボ』みたいだけなんだ!!」
「理由軽いぞ!!」
そうして、なんとか二人は監視所へ辿り着き、扉を開けた瞬間。
「……うわ」
メロルスが顔をしかめる。部屋中に死体が転がっていた。
血塗れの監視卓、壊れたモニター。
西と東の窓の外では、囚人たちが次々と棟から脱走していくのが見える。完全に終わっていた。そして、部屋の中央では、グバヤがタッチパネルを触りながら、
「あーでもねぇ、こーでもねぇな」
と実際に口に出しながら頭を抱えていた。だがヒューゴたちに気づくと、ニヤァ……と笑った。
「おう!確か……ヒューゴだったか?さっきぶりだなァ!」
「いやぁ、帰ろうとしたら急に出口閉まってさ」
「ガハハ!!そりゃ悪かったな!それ俺のせいだ!」
「おっ。じゃあ責任取って出口開けてくれる?」
その瞬間にグバヤがハっと思いつき、笑みが消えた。空気が変わり、メロルスは即座に察した。メロルスはヒューゴへ耳打ちする。
「おい。気をつけろ。嫌な予感がする」
「ああ。わかってるって」
グバヤが二人を睨む。
「おいおい……俺を差し置いて耳打ちかァ?感じ悪ぃなぁ……」
彼はゆっくり立ち上がる。
「……まあいい」
グバヤの掌が開く。
「実はよォ。俺、この力をまだ試し足りねぇんだ」
掌から、白い刀身が生え始める。
「湾曲せし己が自慢の剣!」
大太刀が完成し、グバヤは獰猛に笑う
「――彼を殺せ!!!」
超高速の刺突がヒューゴへ放たれる。だがヒューゴは避けない。いや、“避けなかった”。
メロルスを信頼していたからだ。
「ッ!!」
メロルスが即座にヒューゴの首根っこを掴みそのまま全力で投げ飛ばした。直後、大太刀が空間を貫き、床を一部切断する。
「ナイスだメロルス!!」
床を転がったヒューゴが叫ぶ。
「さぁて、始めようぜ!!」
夕陽が監視所へ差し込む。
血塗れの部屋で三人は、殺し合いを始めた。
あれ?夕日が出てるしもう時間的にヒューゴはアニメ見れないのでは?
(名推理)




