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NTR報復に行ったら、能力者探偵と出会ってしまった  作者: 小説書こう


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愛の囁き合いという殴り合い

深夜一時。


キーリオス中央区のバー《Nocturne》。


薄暗い照明。流れるジャズ。酒と煙草の匂い。ヒューゴ・ヴァレンタインは、カウンター席でウイスキーを揺らしていた。


「……最悪だ」


ぼそりと呟く。今日の依頼は浮気調査だった。だが対象が窓から逃げ、最終的に追いかけてる途中で依頼人夫婦が復縁した。


「意味わからん、俺いらなかっただろあれ……」


イライラしながらニューロパフを咥える。


「隣、空いてる?」


女の声が聞こえヒューゴが顔を上げる。そこに立っていたのは、一人の美女だった。

黒いドレス。灰色がかった長髪。切れ長の瞳。


 ヒューゴは一瞬で惚れた


だがそれ以上に危険な匂いがした。香水の奥に、火薬のように危ない匂いを感じる。


「どうぞ」


ヒューゴが肩をすくめ、女は静かに隣へ座った。


「ありがとう」


声は柔らかい。でも妙に人の懐へ入り込む響きだった。


「何飲んでるの?」


「安酒」


「似合わない」


「よく言われる」


女はバーテンダーへ視線を向ける。


「マティーニを」


グラスが置かれ、透明な液体を揺らしながら、女はヒューゴを見る。


「疲れてる顔してる」


「探偵なんてやるもんじゃないね」


「探偵なんだ」


「しがないね」


「へぇ」


微笑んでくるがその笑みが妙に自然で、逆に警戒したくなる。


「あなたは?」


「ただの女よ」


「その手の女で普通だった試しはないなぁ」


「失礼ね」


「褒めてる」


ヒューゴは笑い女も笑った。だが互いに、どこか探っていた。


「名前は?」


「リシア」


「本名?」


「さあ?」


「俺はヒューゴ」


「知ってる」


「おっと」


ヒューゴが片眉を上げる。


「有名人?」


「ちょっとだけ」


「悪名だろそれ」


リシアはグラスへ口をつける。


「面白い人って聞いてるわ」


「誰から?」


「秘密よ」


ヒューゴは少しだけ目を細めた。普通の女じゃないと確信に近づく。


だがそれが逆に面白くなってしまった。()()()()()()()()()()()


「で、俺の何が面白いの?」


「女にだらしなそうなところとか」


「初対面で刺してくるねぇ」


「違うの?」


「どうだろ」


リシアは笑う。その笑顔は綺麗なのに、どこか蛇みたいだった。


「でも」


彼女が少し顔を寄せる。


「危ない人って嫌いじゃない」


「……」


ヒューゴは数秒黙るが


「誘惑が下手だぞ」


「え?」


「見た目に頼りすぎ」


リシアの眉が少し動く。


「じゃあ、どうするのが正解?」


「こう」


ヒューゴは自然に耳元へ顔を寄せた。


「“君だけ特別”って空気を出すんだよ」


一瞬、リシアの呼吸が止まる。だがすぐ笑った。


「慣れてるのね」


「仕事柄ね」


「女誑し」


「褒め言葉だ」


「最低って意味よ」


会話なのに殴り合いみたいだった。

探り合って。崩そうとして。でも崩されない。


「ねえヒューゴ」


「ん?」


「もし私が、とんでもなく危険な女だったら?」


「最高じゃん」


「普通引くところよ」


「刺激無い人生って大っ嫌い」


「……変な人」


「よく言われるね」


気づけば数時間経っていた。二人は店を出る、夜風が冷たい。ネオンが濡れた路面へ反射していた。


「で?」


ヒューゴが歩きながら言う。


「この後どうする?」


「ホテルに誘ってるの?」


「そっちが誘わせてる」


リシアは少し笑う。


「……かもね」


二人は並んで歩き出す。だがバーを出た瞬間から、空気が変わっていた


 リシアの歩幅

 視線

 呼吸


すべてが静かに研ぎ澄まされている。


「なあ」


「なに?」


「そろそろ正体聞いていい?」


リシアは少し黙ったあと、観念したように息を吐く。


「SHLDの諜報部…」


「やっぱりね」


ヒューゴが笑う。


「随分物騒なお姉さんだったわけだ」


「カイゼルから聞いて興味が湧いたの」


「あいつ余計なこと喋るなぁ」


「“厄介だけど放っておけない男”って」


「悪口だろ」


「半分はね」


リシアは立ち止まる。街灯の下、静かな夜道。


「SHLDに来ない?」


「断る」


「あなたのこと好きよ」


「組織は嫌いだ」


「守ってあげられるのに」


「組織に飼われる趣味ないんだよ」


「じゃあ」


リシアが一歩近づく。


「私個人なら?」


「……」


ヒューゴは少し笑った。


「それ、口説いてる?」


「どう思う?」


次の瞬間、リシアの脚が跳ね上がる。鋭い蹴り

ヒューゴの頭ごと街灯を薙ぎ払う軌道。

ヒューゴは軽く頭を下げて回避する。


 バギィン!!


街灯が砕けた。


「避けるのね」


「色気ある女って大体危険だから」


リシアはコートの内側から細身のナイフを抜く。その動作だけで美しい


「試したくなったの」


「何を?」


「あなたの()()


ヒューゴはニューロパフへ火をつける。


「面接方法終わってるって」


リシアが消えるように踏み込む。


 ナイフ。

 蹴り。

 肘。


流れるような連撃。


 ヒューゴは笑いながらそれを捌く。


「うわ怖いね」


「余裕そうね」


「女に殺されるなら美人派なんだ」


「口説きながら戦う人初めて見た」


「そっちもね」


 互いに笑った

レゼです!ジェーン・ドゥです!エイダです!合体!


リシア!!!!!!!!!!(とある芸人風)

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