教師で探偵と爆弾処理班その二
リゼロのロズワールって使いやすいねー
警報が鳴り響く校舎へ、一台の黒いSHLD車両が突っ込んでくる。ドアが開き、一人の青年が降り立った
「……学校とかマジかよ」
アルト・バイルン、SHLD爆発物処理班
工具ケースを肩へ掛け、眠そうに校舎を見上げる
『対象爆弾は豪華客船事件と同系統の可能性あり』
通信機越しに照星の声が響く
「はあ最悪ゥ」
『犯人は同一人物と思われる』
「もっと最悪ゥ」
アルトはガムを噛みながら校舎へ入った。中は地獄だった。泣き叫ぶ生徒、避難誘導する教師、封鎖された電子ロック。そしてその中央で、一人の男が怒鳴っていた
「走るな!! 押すな!! 一列で動け!!」
紳士服姿、黒縁メガネ、だが教師には見えない男
ヒューゴだった。アルトは一瞬だけ目を細める
(なんだコイツ)
ヒューゴもアルトを見る
「SHLDか?」
「爆弾処理班だ」
「解除できんのか?」
「見てないから知らないさ」
「頼もしくねえな」
「知らない奴に言われたくないな」
初対面から空気が悪かった。だがその時、校舎が揺れる
モニター点灯が点灯し白黒の仮面が現れる
『おや、役者が揃ったーね』
アルトの表情が変わる
「……テメェ」
『また会えたね、アルト・バイルン』
ヒューゴが眉をひそめる
「知り合いか?」
「一回だけ仕事した」
仮面は笑う
『地下サーバールームを見てみるといい』
通信が切れ、二人は顔を見合わせる
「行くぞカス教師」
「教師じゃねえし、カスでもねえぞ」
地下へ駆け下り、サーバールーム中央
そこには巨大な爆弾が設置されていた。アルトがしゃがみ込み確認する
「……あーねはいはい」
「どうだ」
「最低」
と首を切るポーズをする
【00:32:11】
ヒューゴが周囲を見る
「なんか妙だぞ」
「ん?」
「爆弾の位置だよ」
あまりにも見つけやすい
アルトもすぐ気づく
「……囮か」
その瞬間、ヒューゴのスマホが鳴る。非通知だった
『気づいたか』
仮面の声
『本命は屋上だー』
通話終了
「クソが!!」
ヒューゴが駆け出す
アルトも工具を掴む
「待て!」
「お前こっち解除しろ!」
「そっちも解除必要かもしれねえだろ!」
「じゃあ来い!!」
二人は屋上へ走る
そこにあったのは隠された第二の爆弾、しかも大量の爆薬付き
「学校ごと吹き飛ばす気か……」
アルトが顔をしかめる
【00:08:44】
「解除できんのかよ?」
「……できる…かも」
「曖昧だなおい」
「うるせえ集中させろ」
アルトが工具を取り出すヒューゴは周囲を警戒する
「なあ」
「今話しかけんな」
「照星って奴、生きてんのか?」
アルトの手が止まる
「……知ってんのか」
「前ちょっとね」
「死んだと思われてた」
「みたいだな」
アルトは再び配線を見る
「でもあの人、体を"死ぬほど"改造してるから"死ぬほど"しぶといぞ」
「…」
一本切る
ピッ
二本目
三本目
タイマーは止まらない
「おいおいおい……」
ヒューゴの額に汗が浮かび、アルトは最後の一本を見る
「これ外したら多分止まる」
「多分!?」
「違ったら爆発」
「頼むぞ、おい!!」
「はいはい!!」
アルトは深呼吸する
そして最後の一本を切断した
タイマー停止。
【00:00:07】
屋上に静寂が落ちる。
「……はぁぁぁ〜〜〜」
アルトがその場へ座り込む。
汗が止まらない。指先は震えていた。ヒューゴも壁へ寄りかかる。
「寿命縮んだわ……」
その瞬間、校内全モニターが再び点灯した。
ザーッというノイズ。
現れる白黒の仮面。
『素晴らしい』
『やはり君たちは期待を裏切らない!』
アルトの目つきが変わる。
「……テメェ」
『だが少し残念だ』
『本当ならもっと大勢死ぬ予定だった』
ヒューゴが舌打ちする。
「趣味悪すぎんだろお前」
仮面は小さく笑う。
『人は極限状態でこそ美しい』
『恐怖 絶望 混乱』
『私はそれが見たいだけだ』
その時だった。
ヒューゴがふと周囲を見る。
「……なあアルト」
「なんだ」
「コイツ、なんでわざわざモニター通して喋ってると思う?」
「は?」
「逃げる時間稼ぎにしては長い」
アルトも眉をひそめる。確かにそうだった。
犯人はいつも爆弾だけ残し姿を消していた。なのに今回は違う。
“近い”。
ヒューゴは能力の一部の力で校舎内の監視カメラ映像をスマホへ映す。そしてある一点で止めた。
「……いた」
廊下の隅に教師姿の人物。
だが妙だった。逃げていない。むしろこちらを見ている。
「挑発してんな」
アルトが立ち上がる。
「追うぞ」
「はいよ」
二人は校舎を駆け下りる。
薄暗い廊下。生徒たちはすでに避難を始めていた。
静まり返った校舎に、足音だけが響く。
そして、角を曲がった先。白黒の仮面の人物が立っていた。
「……」
「やっと会えたな」
アルトが睨み、仮面の男は拍手した。
『素晴らしい観察力だ ヒューゴ・ヴァレンタイン』
「褒めんな気持ち悪ぃ」
男はゆっくり仮面へ手をかける。
「まあ、ここまで来たなら顔くらい見せよう」
仮面が外れて現れたのは三十代半ばほどの男。
痩せた顔、長い黒髪、異様に穏やかな笑み。
「初めまして」
「俺はノア、芸術家で教師だよ」
「爆弾魔の間違いだろ」
ヒューゴが吐き捨てる。だがノアは笑うだけだった。
「人は死ぬ瞬間、そう!その時、人間は本音を晒す!」
「醜くも!美しいいぃ!」
「私はそれを観測しているんだ!」
「くだらんわ」
アルトが前へ出る。
「豪華客船もお前か」
「うむ!そうだ!」
アルトが殴りかかっただが
ノアは避けない
カチッ。
「――ッ!!」
ヒューゴの顔色が変わる。
「伏せろアルト!!」
爆発が起こり廊下横の壁が吹き飛ぶ。熱風に粉塵。ノアはその隙に後退する。
「やっぱ仕込んでやがったか!」
ヒューゴが瓦礫を蹴り飛ばす。するとノアがコートの内側から小型起爆装置を大量に取り出した。
「私は戦闘は苦手でね、だから環境を武器にする」
次々起こる爆発に校舎が揺れる。アルトが舌打ちする。
「クソッ!」
ノアは笑う。
「いい顔だ」
「君たちは本当に美しいぃ」
「黙れ」
ヒューゴが踏み込む。爆風の隙間を縫うように加速。
ノアが起爆する。だがヒューゴは監視カメラを経由し、
監視転移
一瞬で死角へ回り込み、
「なッ――」
ヒューゴの回し蹴りがノアの頭部へ炸裂。
ゴッ!!
ノアが吹き飛が笑っていた。
「ふつくしい……!」
「うるせえよ!!」
さらに追撃。
横蹴り。
膝蹴り。
後ろ回し蹴り。
ノアは避けきれず壁へ叩きつけられる。アルトも駆け込む。
「終わりだ」
工具ケースから拘束ワイヤー射出をする
バシュッ!!
ワイヤーがノアの両腕へ巻き付き拘束する。だがノアはなお笑う。
「いやぁ……楽しかった」
「狂ってやがる」
ヒューゴが睨む。その時、ノアが小さく呟いた。
「でもね」
「“あの人”の炎はもっと綺麗で楽しかったァ」
「……あ?」
ノアは笑う。
「君たちはまだ知らない」
「本物の狂気を」
その瞬間
ノアの首輪が赤く点滅し、アルトの顔色が変わる。
「待っ――」
バチン!!
首輪に閉じ込められたものが出てきたかのように火が上がる
「アハっ…やっぱりそうなるよねえ」
明らか火の動きではなく能力由来の火だった
「キミはあの人の狂気には勝てないよッアハハっ」
そう言い燃え尽きた
この火のデッドリーの使い手が章ボスになりまーす!!




