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復讐に行ったら、能力者探偵と出会った  作者: 小説書こう


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20/61

探偵って、誰より自由なんだぜ

過去編で・す!!

まだキーリオスの治安が今よりマシだった頃。


とはいえ、スラムは相変わらずスラムで、銃声と怒鳴り声くらいなら子守唄代わりになるような街だった。

学生時代のヒューゴは、今より少し背が低く、今よりずっと尖っていた。


「だりぃ……」


授業中、机に突っ伏しながら窓の外を見る。教師の声なんて右から左。興味も無い、将来の夢も無い。ただ身体を動かすのだけは得意だった。

喧嘩も強い、足も速いだがそれだけだ


「ヒューゴ・ヴァレンタイン!!」


教師が怒鳴る。


「また授業を聞いてないな!」


「聞いてますよー」


「今どこを説明していた!」


「……いい感じのところ?」


「廊下立ってろ!!」


「うーっす」


教室中の笑い声。ヒューゴは面倒臭そうに立ち上がり、廊下へ出る。するとそこに、腕を組んで立っている男がいた。


「また怒られてるのかヒューゴ」


「うわ、カイゼル」


学生時代のカイゼルは、今より少し幼い顔をしていたが、すでに“真面目さ”だけは完成していた。

制服もキッチリ。

姿勢も良い。

風紀委員。

教師受け最強。

ヒューゴとは真逆の存在だった。


「お前さぁ、なんでそんな真面目なの?」


「逆になぜキミはそこまで不真面目なんだ」


「人生つまんなそう」


「キミは自由すぎる」


いつものやり取り、だがカイゼルは、ふと真面目な顔になる。


「最近この辺りで違法義体の密売が増えてるらしい」


「へぇ」


「犯罪組織が関係してるとか」


「お前そういう話好きだな」


「悪を放置したくないだけだ」


カイゼルは真っ直ぐ言った。その目には、本気で世界を良くしたいという熱があった。ヒューゴはそれを見て、少しだけ笑う。


「お前、将来絶対警察だろ」


「当然だ」


「うわぁ」


「なんだその反応は」


 その日の放課後。


ヒューゴはゲームセンターへ向かう途中、裏路地で妙な騒ぎを見つけた。


「返せよ!!」


子供の声。見ると、小学生くらいの少年が大人二人に囲まれていた。


「うるせぇな」


「落とした方が悪いんだろ?」


男たちは少年の端末を奪って笑っている。スラムじゃ珍しくない光景。普通なら皆、見て見ぬふりをする。

ヒューゴも最初は通り過ぎようとした。

だが


「――その端末、妹に買ったやつなんだ」


 少年のその一言で、足が止まる。


「……はぁ」


面倒臭そうに頭を掻く。


「おっさんら」


「あ?」


「ガキ泣かせて楽しい?」


 男たちが振り返る。


「なんだテメェ」


「学生は帰って家でシコッてろ」


「やだよ」


ヒューゴは笑う。


「なんかムカつくし」


数分後。二人は路地に転がっていた。


「いっっ……!」


「足癖悪すぎだろコイツ……!」


ヒューゴは端末を少年へ投げる。


「ほら」


「あ……」


「次から気をつけろよ」


そのまま立ち去ろうとした時だった。


「お見事」


知らない声が路地の奥から聞こえてきた。そこには黒いロングコートを着た男が立っていた。


 長髪。


 煙草。


 気怠そうな目。


 だが妙に雰囲気がある。


「……誰?」


「探偵」


「は?」


 男は笑う。


「一応な」


探偵。その言葉にヒューゴは少し眉を上げる。


「今時そんな職業あんのか」


「あるとも」


男は転がるチンピラを見る。


「しかも結構楽しい」


「へぇ」


「今の時代なら警察より先に悪党ぶん殴れるし」


「……!」


ヒューゴの目が少しだけ変わる。男はそれに気づいて笑った。


「興味ある顔してるな」


「別に」


「君、才能あるよ」


「何の?」


「トラブルに首突っ込む才能」


「嬉しくねぇ」


男は煙草を咥えながら言う。


「探偵ってのはな」


「誰かが“もう無理だ”って諦めた後に動く仕事だ」


「警察が動けない時」


「誰も助けてくれない時」


「最後に泥臭く現場を走る」


ヒューゴは黙って聞いていた。男は続ける。


「カッコ悪い仕事だよ」


「でも――」


煙草の煙が夜に溶ける。


「案外、悪くない」


その瞬間だった。ヒューゴの中で、何かが妙に引っかかったのは。数日後


「探偵?」


カイゼルが露骨に変な顔をする。


「なんだその胡散臭い職業」


「いや、結構イカしてたんだって」


「警察の方が世のためになる」


「規則だらけじゃん」


「必要な規律だ」


「うわ出た真面目」


だがヒューゴは珍しく楽しそうだった。


「なんかいいんだよ」

「好き勝手動いて」

「悪党ぶん殴って」

「助けたい奴助ける感じ」


「子供みたいな理由だな」


「うるせぇ」


カイゼルは呆れながらため息を吐く。


「……まあ」


「?」


「キミには向いてるかもしれない」


「お、珍しく褒めた」


「褒めてない」


その年だったQΛR(クォーラ)の免疫剤無料接種によってヒューゴ・ヴァレンタインが、“能力(デッドリー)”に目覚めたのは

ヒューゴが影響受けた探偵もいつか書きます

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