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復讐に行ったら、能力者探偵と出会った  作者: 小説書こう


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16/60

死、故に落ちる花 そのニ

新キャラ出しまーす

自分が起こしたことにまたも驚き、家から逃げ出す、レグ。

焼け焦げた臭いが、肺にまとわりついて離れない。

レグは夜のスラム街を走っていた。呼吸は乱れ、視界は揺れる。頭の中では、何度も同じ光景が再生されていた。燃えるキッチン。叫び声。皮膚が焼ける音。


「違う……俺は……」


否定しようとして、できない。自分でやった。

能力を使った。自分で殺した。

レグは唇を噛み、人気の少ない路地へ飛び込む。

だが、その瞬間。上空から白いライトが照射され  た。


「二件の犯人と思われる者発見!」


機械音声。ドローンだ。レグは反射的に顔を上げてしまう。空中に浮かぶSHLDの監視ドローン。青白いサーチライトがレグを捉える。


『対象確認。連続殺人容疑者レグ・レンスト。直ちに停止しろ』


「っ……!」


レグは再び走り出す。その直後。路地の向こうから黒い装甲車が滑り込み、ドアが開く。


「いたぞ!!」


「包囲しろ!」


「能力使用に警戒!」


レグの心臓が跳ねる。


(なんで……なんでこんな早いんだよ……!)


逃げ場がない。そこへレグの目に閉店した大型電気店が映る。閉まったドアを能力(デッドリー)を使いこじ開け、狭い商品棚と商品棚の間を押し除け奥へ逃げる。

だが入口側から、聞き覚えのある声がした。


「おーおー、派手にやってんなぁ」


レグが振り向く。そこには紳士服姿で片手にコンビニ袋。


「……ヒューゴ」


「よっ」


ヒューゴ・ヴァレンタインは、まるで偶然会った友人みたいなテンションで手を上げる。


「何その顔。世界終わりました感すごいぞ」


「来るな!!」


レグの叫びと同時。店内の全ての電気製品が起動し、ヒューゴを脅かそうとする。


「危なっ」


ヒューゴは軽く横へ避ける。電子レンジが爆発した。


「おいおい、家電を粗末にするなよ」


「俺に近づくな……!」


レグの声は震えていた。


「俺は……人を殺したんだぞ」


「知ってる」


「……!」


「SHLDの無線、そこら中で鳴ってるからな」


ヒューゴはコンビニ袋から肉まんを取り出す。そして普通に食い始めた。


「……なんなんだよ、あんた」


「腹減ってた」


「そういうことじゃねえ!!」


レグの感情に反応し、店内の機械が暴れ始める。


 ドライヤー。


 掃除機。


ゲーム機。

 

だがヒューゴは、逃げない。


「なあレグ」


静かな声。


「お前さ」


「今、自分が化け物になった気でいるだろ」


「……」


「でもな、そんな顔してるうちはまだ人間だよ」


レグの目が揺れる。


「SHLDだ!!」


武装隊員たちが突入してくる。


 ライト。

 銃口。

 怒号。


「対象を確保しろ!」


レグの呼吸が壊れる。

まただ。

また追われる。

また否定される。

また――


「落ち着け」


ヒューゴが言った。不思議と、その声だけはよく聞こえた。


「能力ってのはな、感情で暴れる」


「今のお前は、ハンドルが壊れた車だ」


ヒューゴはレグを見る。


「だからまず、止まれ」


「……無理だ」


「無理じゃねえ」


ヒューゴは笑った。


「超次元タヌキロボ好きなんだろ?」


「……は?」


「その作品の主人公だって毎回やらかす。でも最後はなんとかなる」


「なんだよそれ……」


「だから今は、とりあえず暴走やめろ。話はそれからだ」


レグの周囲で暴れていた家電が、少しずつ静止していく。呼吸が、ほんの少しだけ落ち着く。外のビルの屋上からスコープの光が反射する。瞬間


 ズドン!!


「へっ?」


レグの頭部が撃ち抜かれた


なんとかならなかったね

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