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第17話 オリエンテーション

第17話です


波乱に満ちた一夜が過ぎ、泥のように深い眠りから覚めると、部屋には目覚まし時計の無機質な音が響いていた。 優は重い体を起こし、身支度を済ませる。窓から差し込む朝の光は、昨夜の嵐が嘘のように穏やかだった。


身支度を終えた山田と村岡と一緒に、優も静かに部屋を出た。三人で連れ立って、朝食会場へと向かう。


会場内はすでに多くの生徒が集まり、賑やかな活気に包まれていた。班のみんなで食べようと約束していたテーブルに向かうと、そこにはすでに最川さんと青山さんが座って待っていた。二人はまだ箸をつけず、こちらが来るのを待っていてくれたよう

だ。


しかし、本来そこにいるはずの、もう一人の姿が見当たらない。


「おはよう」


最川さんが、少し眠たげな目をこすりながら優たちに気づいて声をかけた。


「……おう、おはよう」


山田が短く返し、優も小さく「おはようございます」と会釈をして席についた。

六人掛けのテーブルに、ぽっかりと空いた一つの椅子。それが、昨夜の出来事が現実だったことを静かに物語っている。


「……冬月さんは、まだ来てないのか?」 村岡が空席を見渡しながら、少し心配そ

うに尋ねた


「あぁ、一星ならまだ保健室だよ。先生が、念のために朝食はあっちで取るようにって言ったんだって」 青山さんが、空いた席を見つめながら答えた。

優は自分の前に置かれた食事に視線を落とした。 賑やかな会場の喧騒の中にいても、その空席だけが、どうしても気になって仕方がなかった。


朝食後の集合場所で、今日一日の予定が発表された。 午前中だけでなく、午後の時間もすべて使った「スポーツ・オリエンテーション」だという。


(……午前中だけじゃないのかよ)


優は心の中で、誰にも届かない溜息を深くついた。 体育館ではバドミントンとバスケットボール。外の中庭ではサッカーとドッジボール。 午前と午後で種目を入れ替えるか、同じ種目を極めるか。どちらにせよ、運動が苦手な優にとっては、逃げ場のない長い一日が確定してしまった。


「水瀬は、どっちに行くんだ?」


途方に暮れる優の様子を見かねたのか、山田が不意に声をかけてきた。


「……そうだなー、まだ決まってなくて」


優が曖昧に答えると、山田は少しだけ自分の顎をさすり、静かなトーンで言った。


「決まっていないなら、外でサッカーしないか? 俺も行くし、人数も足りないみたいだから」

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