第13話 始まる肝試し
第13話です!
ペアが決まると、早速肝試しが始まった。 一組目のペア、最川さんと青山さんが出発地点の入り口に向かっていく。
「無事に帰ってこいよ!」
村岡が、なぜか楽しそうに声を張り上げた。 二人は互いの手をしっかりと繋いで、暗い森の中へと消えていった。
それを見送っていた冬月さんが、ぽつりと呟いた。
「……結構、雰囲気あるね」 静かな、でも少しだけ緊張を含んだ声。 「そうですね」
俺は短く返した。周囲の喧騒が遠のき、夜の森のざわめきが耳に届き始める。
「そういえば……水瀬くんは、怖いの苦手?」
冬月さんが、こちらを伺うように問いかけてきた。
「まあ、人並みにはかな」
俺がそう答えると、彼女は少しだけ口角を上げて「頑張ろうね」と小さく笑った。
そんな会話をしているうちに、二組目の出発時間がやってきた。 二組目の山田と村岡が立ち上がり、手渡された懐中電灯を持って入り口へと歩き出す。
ふと、山田が足を止めてこちらを振り返った。 彼は無言のまま、優に向かって力強く拳を突き出してきた。
(……任せとけ、ってことか)
優も黙って拳を突き出し、それに応えた。
その隣で、村岡は相変わらず楽しげな足取りで入り口に向かっている。 二人の背中が暗闇に吸い込まれていくのを見届けてから、優は自分の足元にある懐中電灯を手に取った。
次はいよいよ、優と冬月さんの番だ。
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