第11話肝試し
第11話です!
部屋で身支度を済ませ、夜の八時から始まる肝試しの会場に向かった。 そこにはすでにクラスの面々が集まっていて、あちこちで肝試しの話題で持ちきりだ。
定刻になり、学年主任の先生から説明が始まった。
「いいか、今回は同じ班の六人で行動するが、安全と効率を考えて、班の中で二人一組のペアを作ってもらう。合計三つのペアで、少し時間をずらして出発だ」
(班の中でペア分けか……。誰と組むことになるんだよ)
そんなことを思いながら、自分の班の集合場所へ向かった。
さらに、先生が付け加える。
「よし、ルールはさっき聞いたな。……それと、班ごとに回るルートはバラバラだ。全員が同じ場所を通るわけじゃないから、前の班の明かりを追いかけようとしても無駄だぞ」
その一言で、現場の空気が一気に冷えた。
(ルートが違うのか……。つまり、完全に自分たちの組だけで、この暗闇を進まないといけないわけか)
「水瀬、さっきはごめんな。話の途中だったのに」
申し訳なさそうに声をかけてきたのは、リーダーの山田だった。
「全然大丈夫だよ」
俺がそう答えると、同じ班の村岡がひょいと顔を覗かせてきた。
「え、二人でなんの話してたの?」 「っ! あ、いや……さっき、重い荷物を水瀬に持ってもらってたんだよな?」
完璧超人の山田が、目に見えて焦りながら俺に同意を求めてくる。
「あ、ああ。そうそう。大したことじゃないよ」
俺も必死に話を合わせると、村岡は「ふーん……?」と少し怪しみながらも、それ以上は追及してこなかった。
やがて俺たちは、先生が待つスタート地点へと移動した。
「よし、準備はいいか。……あ、そうそう、伝え忘れたけど。どうやら昔、ここで死亡事故があったらしいぞ。……出るらしいから、気をつけろよ」
先生はニヤリと不気味な笑みを浮かべ、わざとらしい低い声で付け加えた。 「……は?」 これから未知のルートに入るっていうのに、最悪な冗談だ。 周囲の女子数人は本気で怯えて悲鳴を上げ、男子の中には「余裕だぜ!」と強がる奴もいる。
(死亡事故、か……)
ふと隣を見ると、同じ班の最川さんが、じっと夜の森の入り口を見つめていた。 いつもより少しだけ、表情が硬い気がする。
「じゃあ……ペア、どうする?」
山田の問いかけが夜の空気に溶ける。 いよいよ、運命のペア決めが始まろうとしていた。
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