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亜人世界をつくろう! ~三匹のカエルと姫神になった七人のオンナ~  作者: 光秋
第八章 王者・無双編

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768 チャージアタック


「さあようやく登場してきたのは猿人族の戦士シャマン、兎耳族の拳法家レッキス、犬狼族の神官戦士ウィペットによるストームブリンガーチームだァ」


 歓声に応える三人に、待たされていた相手チームのリーダー、ヒバゴンが詰め寄った。


「ずいぶん遅かったじゃねえか。てっきり怖じ気づいて逃げたのかと思ったぜ」

「人気者でな。オメェみてえに突っかかってくる連中が後を絶たねえんだ」


 ずい、と一歩前に出たシャマンが負けじと応戦した。

 ヒバゴンとシャマン、同じ猿人ショウジョウ族同士が正面からにらみ合った。


「威勢のいいのも今の内だ。そんな細っこいバニー族の女なんてえのをメンバーに入れて、オレたちに勝てると思うか?」

「レッキスをナメてっと後で大恥をかくぞ、テメェ」


「おおっと双方早くも激しい舌戦を繰り広げている! さて勝負の方式はいかに」


「三対三の一発勝負といこうじゃねえか。そっちのバニーのお守りが出来て好都合だろ」

「オレたちのチームワークを低く見積もると後悔するぞ」

「キキキッ! んなわけあるかヨ」


「さあ試合形式は三対三の乱戦に決まったぞォ! 最後のひとりが立っていた方のチームが勝ちとなるッ」


 シャマンがレッキスとウィペットに向き直る。


「いいか。今日は客席にクーンもクルペオもミナミもいねえ。ラゴにリオもな」

「うちらの応援がさみしいんよ」

「オッズも向こうに優勢らしい」


 レッキスと珍しくウィペットまでもが憮然とした表情をしている。


「なあに、試合が終わった時にオレらに賭けなかった奴らも含めてギャフンと言わしてやるさ」


 シャマンが力強く両拳を打ち合わせると、レッキスとウィペットにも気合が入った。


「さあ、Cブロック一回戦第三試合、開始だァ」


 銅鑼の音が大きくこだました。


「ドラララララァッッッ! いくぞオラァ」


 最初から勢いよく飛び出したのは、巨大な棍棒を肩に担いだヒバゴンだった。

 早速に猛ダッシュで迫ってくる。


「正面から突撃か!」

「盾役のオレに任せるんだッ」


 全身金属鎧に身を固めたウィペットが、大きめのヒーターシールドを構えて前線に立った。


「そんなウェイトでオレ様のチャージアタックを止められるかよォ」



 ドッゴォン!



「おっ」

「ギリッ」


 ヒバゴンの猛突撃をウィペットはなんとか踏ん張って押しとどめた。

 腰を落とし、開いた両足が地面をえぐる。

 噛みしめた力が強く、口の端から血がにじみ出ていた。


「こいつぁ驚いた。よく止めたなァ」

「ガラ空きなんよッ」


 ウィペットが止めたヒバゴンの脇腹めがけてレッキスの蹴りが炸裂した。

 ヒバゴンが数歩ウィペットから離れるも、蹴られた脇腹をポンポン、とホコリでも払う仕草をして、


「キキッ、やっぱり軽いなァ。ノーガードで打たせてやったのにこの程度じゃなァ」

「なにッ」


 気色ばむレッキスだが、シャマンが次の攻撃に移行していた。


「だったらこいつはどうだ!」


 反対側からシャマンのハンドアックスがヒバゴンに振り下ろされる。


「ジャッ」

「うおッ」


 その振り下ろした手首に急な痛みを覚え、とっさにシャマンは反対の手でその手首を押さえた。

 ダラリと赤い血が手のひらにこびりつく。

 その間に距離を開けたヒバゴンの隣にもうひとり、サスカッチがいつの間にか立っていた。

 赤い血のこびりついた短刀の刃をズルリと舌で舐めとっている。


「シャマン、あいつだよッ! あいつが突然あんたの真横に現れて斬ったんだ」


 気配は感じなかった。

 高身長で細身の体形をしたサスカッチは、またしてもその姿を消してしまった。


「高速で跳ねまわっているのだ! 周囲に気を配れ」


 ウィペットの忠告にシャマンもレッキスも首を回して辺りを警戒する。


「そんな余裕があんのかい? オラッもういっちょ行くぞッ! チャージアタック」


 ヒバゴンがもう一度棍棒を振り回して突撃を開始した。


「くっ、あの突撃はオレが食い止める! ふたりはサスカッチに集中しろ」


 ウィペットがまたしても地面を踏みしめて盾を構えた。


「そう上手くいくかいなッ! イエティィッ」


 すると後方に控えていた白毛のイエティが大きく息を吸い込むと、突然輝くばかりの冷たい息吹、コールドブレスを吐き出した。


「く、うぉッ」


 ブレスは瞬く間にウィペットの足場を凍り付かせてしまい、ツルツル滑る氷の表面はとてもじゃないが足を踏ん張ることが出来ない。


「ドラァァッ」


 そこへヒバゴンのチャージアタックがぶちかまされ、ウィペットは大きく吹き飛ばされてしまった。


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