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亜人世界をつくろう! ~三匹のカエルと姫神になった七人のオンナ~  作者: みちゃき
第六章 英雄・奇譚編

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495 アカメレポートその1 姫神という存在について

挿絵(By みてみん)


 突如としてこの世界に降臨を果たした姫神とは一体何であるか。


 結論から言えば姫神とは世界を新たなる段階(ステージ)へと引き上げる福音であり、と同時に世界を現状へと繋ぎ止める生け贄でもある。


 これはハイランドより聖賢者の称号を賜りしカエル族の学徒アカメ・アドレアン・フォーチュナーによる姫神レポートである。

 白姫との邂逅より二年足らずで得た多くの知己との交流、新設した諜報機関〈PUCK(パック)〉が集積した報告、そして自身の経験までをまとめたものである。

 なおこの情報は聖刻暦一万九〇二二年刃の月(ラーミナ)(11月ごろ)現時点でのものとする。



「そもそも姫神とは何であるか」


 彼女らは(注:姫神に男性個体は見られない)一見してか弱い人間の少女から若い女性ばかりである。

 種族的にもニンゲン種ばかりで我々のような亜人種は見られない。


 それもそのはずで、彼女らはこの世界の外より訪れし異世界人(これについては異説があるが後述)であり、決まって「ニホン」と呼ばれる国、または地域の出身だからである。

 不思議なことに彼女らの世界では文明をもった知的生物はニンゲン種しかいないそうで、であるならば姫神がニンゲン種でしか存在し得ないのもまた道理と言えよう。釈然とはしないが。


 姫神は数百年おきに現れる。

 いちどきに現れるのは七人と決まっているようで、すなわち白姫、黒姫、紅姫、藍姫、桃姫、銀姫、金姫の七人である。(個別情報については別項参照)


 姫神の共通点はニンゲン種の女性であることのほかに各々専用の神器と呼ぶ武具を持つ点である。

 これは剣や斧といった明瞭な武器の形をしたものだけでなく、小さな箱といった形をしたものもある。

 それは神器が単に武具としてのみあるのではなく、彼女らが「転身」するために不可欠であるという点が重要だろう。



挿絵(By みてみん)



 そう「転身」である。これこそが彼女たち姫神の真骨頂と言える。

 普段はか弱い人間態であるが、真の姿と言える姫神態に転身することで「超人的な存在感と戦闘力」を発現するのだ。

 この転身を初めて行った際に彼女らに第一の変化が現れる。

 魔女は「最適化」と表現していたが、初回転身後に我々のこの亜人世界の言語を修得したり、おそらく神経系にもなんらかの作用がありメンタルの改善、強化が見られるのである。

 どうやら我々のこの世界と「ニホン」という場所の倫理観には相当な隔たりがあるようで、この説明が通らなくては到底彼女たちが今もって平静でいられるはずがないのである。(残念ながら彼女たちには我々の世界は相当野蛮に映るそうだ)


 それと彼女たち個人差はあるが、この世界に降臨する際、記憶の一部を消失している。

 これは推測だが、この記憶障害は彼女たちの心のバランスを計るため、一定期間に必要な処置なのではなかろうか。

 それはこのシステムを築いた神(後述)による慈悲か、あるいは都合よく利用するための奸計かもしれない。

 その解を得るには姫神の存在理由をハッキリさせる必要がある。



「マナの大量保有」


 結論から言えば姫神の価値はその体内に保有している大量のマナにある。

 マナとは解釈が様々にあるがおおむね「超自然的な力」「極神秘的な力」「超常の力の源」といった具合だ。

 姫神の超人的な能力の裏付けでもある。


 このマナを駆使することで姫神は世界の構造に手を加える権利を得ている。

 それは「国を興す」という小規模のモノから「文化」「産業」「哲学」といった人類の進化に関わる大規模なモノまで可能性を持つ。

 まさしく我々にとっては福音と言えるこれらはだがしかし姫神のオモテの面に過ぎない。

 マナの利用にはウラの面も隠されているのである。


 それこそが姫神の処理場とも揶揄された「浮遊要塞ゴルゴダ」において「大いなる存在(ザ・グレート・ワン)」へと捧げられる生け贄としての供与です。

 まさに彼らこそがこの姫神システムを創造せし神なのです。



「創造神と三柱神」


 にわかには信じがたい話ですが、この世界は過去のある時点で一度滅びた延長上にあるようです。

 というのも姫神は異なる世界から現れたと先述しましたが、正しくは一万九千年を数える聖刻暦よりも遥かに以前、暗黒期を隔てた先史時代(暗黒期以前については資料に乏しく今もって謎に包まれているのはご承知の通り)であるという説です。

 姫神たちの住んでいた世界、いえ時代と言うべきでしょうか。その歴史はなんらかの理由で終わりを告げ、そして我々の時代が幕を開けました。

 その担い手が「大いなる存在(ザ・グレート・ワン)」という創造神と三柱の神、すなわち〈力〉〈智慧〉〈心〉です。


 彼らはどうにかしてこの世界の崩壊を食い止め、そして今なお存続させようとしています。

 その唯一の方法が姫神に宿る大量の「マナ」であることも判明しています。

 だが依然その詳しいメカニズムについては不明です。


 おそらくこの世界の存続に必要なマナが枯渇したタイミングで新たな姫神が召喚されるのでしょう。

 彼女たちは与えられた超常の力で人類を前へと推し進める姫神として崇拝される反面、世界存続のために与えられたマナを搾り取られる生け贄として選ばれた者なのです。


 この世界はかように薄氷を踏む勢いでかろうじてあり続けてきました。

 遺憾ながら姫神として選ばれた彼女たちの純粋さと犠牲に寄りかかった世界で我々は生きているのです。


 忘れてはならないのは彼女たちは望んで得た力、立場ではないということです。



挿絵(By みてみん)


 以上、姫神の存在理由についてまとめてみました。

 次項以降、姫神の基本情報、各姫神ごとの戦力分析、判明している過去および現存する姫神についてまとめます。


2025年3月1日 挿絵を変更しました。

2025年9月23日 挿絵を変更しました。

2025年9月27日 挿絵を変更しました。

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