表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才能とよい子の作り方  作者: 水無月かなで
3/8

美しい少女

僕はパニックになりそうだった。武器になるようなものが見つからないのだ。もういっそのこと水筒を投げて逃げるべきか…


蔦はどんどん伸びてくる。僕は開始数分でエンディングを見なくてはならないのだろうか。あまりにも短い人生だった。せめて彼女が欲しかったな。

そう思ったのも束の間、僕は宝石の存在を思い出した。自ら光るくらいだし、ただの宝石ではないことはもう証明済みだ。


「悪魔の動きを止めて!」

宝石を握りながら、僕は叫んだ。それに反応するように、宝石は金色に光った。

その刹那、悪魔は時が止まったかのように固まったのだ。動く気配は全くない。

この悪魔を殺すべきかを考えたが、一時停止で済ますことにした。あの悲痛な叫び声が脳裏に焼き付いて離れない。


僕は急いで走り去り、部屋の奥へ奥へと逃げた。クレヨンで描かれた花が道に沿って、辺りを埋め尽くしている。

「怖いよぉ、助けて」

「お兄さんが欲しい」

「逃げないで」

口々に子供の声がする。別に嫌われてはいないようだが、安心できる要素は何一つない。

多分、この声の主も悪魔だろうから。


クレヨンの道が終わりかけ、新たな扉が見つかった。ここに行けば、この居心地の悪い部屋から脱出できるだろう。

扉を開こうとしたが、下にナイフが落ちていた。もしかすると役に立つかもしれないので、ナイフを回収した。


扉を開くと人形、否、僕と同い年くらいの美しい少女が倒れていた。

長く繊細な金髪を一つに編み込み、白いリボンで結んでいる。赤いスカートと潔白な長袖シャツ、スカーフに宝石が埋められて上品な印象のある格好をしている。

白く陶器のような肌、高すぎず低すぎない鼻、閉じている目には長い睫毛が生え、艶のある唇、まさに神によって作られた人にしか思えない。

思わず目を奪われてしまう。


「だ、大丈夫!?」

それでも人が倒れていること事態が異常だ。だから安否は確認しなくては。

少女は微かに唇を動かした。

「…向こうに悪魔がいて……倒そうとしたの……それで体力を使っちゃって……心配させてごめんなさい」

「大丈夫ら生きててよかったよ。僕はエリック。君は誰?」

「…私はアシュリー。良ければ一緒に行動しない……?二人の方が心強いと思うよ」

アシュリーはそう言って、目をゆっくり開けた。澄んだ青い双眸に大きく形の良い目は、人を惹きつけるような魔力があった。

「そうだね、一緒に行こう」

僕は手を差し伸べ、アシュリーは僕の手を取った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ