08「モルスの身近な天使達」
08「モルスの身近な天使達」
天使達とのトラブルを避ける為・・・
モルスの行動を気に掛けるベファーナと、トートから
キャリア組と呼ばれる家柄が良く、位が高い種類の天使である
ドイツ系の天使「エンゲル」の一人を紹介された。
彼はトートの「親友」兼、「幼馴染」だと言う・・・
大昔、彼・・・エンゲルが子供の頃
怪我をして動けなくなった所を子供だったトートに拾われ
無理矢理、ベファーナの家に連れ帰られ・・・
そこから「ある事情」があり、そうなったのだそうだ
「当時は、自分が拾って育ててた子供が、
更に、色々な者を拾って来るとは思わなかった」と・・・
ベファーナは楽しげに教えてくれたが・・・
同じ時期、ベファーナは「ラ・モールも拾った」と言う
トートとベファーナに、拾い癖があるのは間違いない
モルスはそう確信した。
気になっていた「死神のトート」と「天使のエンゲル」が
親友になれた「ある事情」の話に入ると・・・
モルスはとても驚き、凄く納得する
トートとラ・モールが
「生粋の死神」でなく「天使とのハーフ」だと言うのだ・・・
ラ・モールは・・・
雰囲気ちょっとだけ、そんな気もしない事無い程度だけど
トートは・・・トートと言う種族だと名乗っていながら
ゼンゼンマンの格好をしていて
そのゼンゼンマンの特有の服を脱いで、仮面外してしまったら
全くと言っていい程、死神っぽくないのだ
強いて言えば・・・寧ろ、天使っぽい
私服で外に出ると・・・天使とトラブルくらいにだ・・・
その理由から・・・
トートは、素顔を隠し全身を覆う衣装を身に纏う種族の服を
自ら選んで着ているのだと言う
そんな事に一人でビックリしていると・・・
「シエスタ」をしに帰ってきた、通りすがりの死神
「ディオス・デ・ラ・ムエルテ」に笑われてしまった。
モルス以外、ヨシュアに至るまでの皆が
トートとラ・モールがハーフである事を知っていたらしい
少し、疑心暗鬼になり気味のモルスが
「ディオス・デ・ラ・ムエルテ」にも何か
公然の秘密が無いかと、詳しく訊こうとすると・・・
『ごめん!シエスタの時間だからぁ~』と、言って
昼寝に行ってしまわれる・・・
行動から「何か重大な秘密でもあるのかな?」と、思って
モルスがトートを見ると・・・
『アイツはシエスタの時間を13:00~16:00でなく
11:00~14:00で取りたくて、家に移籍してきただけだ』
と、気の抜ける返答が返ってきて微妙な空気が流れた。
このベファーナの家を本拠地にしているギルドには・・・
本当に色々な者が、様々な理由で在籍している
モルスは今まで知らなかったが
堕天使も・・・悪魔も・・・死神の振りして
このギルドに在籍してしまっているそうだ・・・
原因は勿論、ベファーナとトートの拾い癖である
モルスが毎日食べている御飯を作る「食堂のおばちゃん」なんて
堕天してないけど天に居場所無くして流れてきた天使だと言う
「烏の様な黒い翼」が、気にはなっていたが
誰も何も言わないし、違和感なくそこに存在していたし・・・
モルスは「悪魔なのかな?」程度にしか思っていなかったので
事実に驚き過ぎて、言葉が出てこなかった。
エンゲルがコロコロと移り変わるモルスの表情を見て
『ここは、いつ来ても面白いなぁ・・・
俺も役職さえなければ、ここに住み付きたかったんだがなぁ』と
軽く溜息を零して帰って行った。
数日後・・・大振りのリングが、モルスに届けられる事となった
トートとラ・モールが、指ではなく
ペンダントトップにしてるのと、腰から下げてるの物の
沢山の中にある一つと、一緒のヤツだ
個人に与えられる「許可証」兼「免許証」の様なものらしい
持って来たトートの幼馴染のエンゲルが
モルスに、それをペンダントトップにして首に掛けてくれる
『これでお前も、死にかけの天使の願いを叶えて
逝くべき所へ逝かせる事ができる・・・
できるけど・・・死神のルールをちゃんと守る事と
力量以上の事をしようとしない事だけは、忘れるなよ?
無理すると自分も一緒に逝っちゃうからな』
モルスは天使の御迎えのルールをエンゲルに教わり
小天使以下の天使の翼を汚さずに近付ける時期を教えて貰った。
ここでモルスは改めて、自分の仕事を知る事になる
今までモルスが刈り取りギルドに持ち帰っていた魂は・・・
ギルドの保管場所で事前の事務処理が終わるまで預かられ
あの世と言われる冥界に行くのは
日数を決めている死神のギルドでは・・・49日
決めていないギルドでは・・・
地域のイベント区切り・季節区切り・年区切り・・・と、様々
冥界を司る神「プルートー様」への引き渡し時期は
自分で事務処理できるなら何時でもいい事を知った。
モルスは新しい仕事を覚え、仕事をランクアップさせ
暇ができると、アンジェリカが居そうな場所へ足を運び
アンジェリカを見守る
ケルベロスに、「死を迎える魂」を嗅ぎ分ける訓練を施しながら
基本の仕事、「死を迎える魂」を刈り取りながら
季節を通して、アンジェリカの成長を見守り続ける
いつの間にか、お喋りなヨシュアから話を聞いて
エンゲルも時々、見守りに参加しに来るようになった。
所属は違うが、階級の高い天使が近くに来ている事に気付き
モルスの見守るアンジェリカの虐めは減少していく
自分で痛みを体験し・・・
自分以外の者の傷みが理解できるチャンスを得た彼女は
エンゲルの齎す影響で、諍う事無い天使達に囲まれ
穏やかに暮らす天使の中で・・・純粋に、心優しい娘に育ちゆく
・・・そんなアンジェリカを見ていると・・・
他の者の死を身近に感じ続ける「死神の仕事」の疲れが・・・
段々、癒されていく気がした
悲しく辛い仕事で作る心の傷が・・・
少しづつ少しづつでも、癒えてゆく様な気がした
彼女の笑顔を遠くから眺めるだけで・・・
本当に、幸せな気持ちになる事に気が付いた。
モルスがベファーナと、保護者の2人とエンゲルに
そんな話をすると、それぞれ少し困った様で・・・
「素敵な気持ちだね」「大事にしまっておきなさい」と言った。
「シエスタ」って良いですよね!
「御昼寝の時間」「リフレッシュ休憩」憧れです♫
但し、シエスタの時間だからって
本場のスペインで無防備に御昼寝してたら・・・
ガチでマジで冗談抜きで、身包み剥がされちゃうそうですね✿




