04「色々な死神達」
04「色々な死神達」
朦朧とした意識の中
心地よい暖かさと、御日様の薫りに包まれている
体は痺れた様に力が入らず、重くて動かす事ができなかった
暫くすると、胸の上に重さを感じ
左側から・・・多分、複数であろう、熱い吐息を感じる
不安を感じ、モルスは重い瞼を頑張って開けて見た。
黒い毛玉が、黒目がちな大きな目を見開き・・・
モルスの胸の上から、モルスの顔を覗きこんでいる
吐息を感じる方向に視線を移すと・・・
3つの犬の物らしき大きな顔が犇めく様に並んでいた
「ここは何処だろう?」
ぼやけた視界に働かない思考・・・モルスは目を閉じ
自分の記憶を探った。
『あ、こら!寝るな!起きろ!』甲高い声が聞こえ
顔面に毛玉が何度もぶつかってきた
「そう言えば・・・今日、天使にも体当たりされたな」
思いだした記憶に愕然とする
「仕事に行く途中に、寄り道的に仕事して・・・」
『そうだ・・・行かなくちゃ!』
モルスは、ベットから飛び起きた
飛び起きた拍子に、黒い毛玉がベットから転がり落ちる
モルスも、起きたは良いが・・・
体から力がすぅ~っと抜けて、その場に崩れ落ちてしまった。
クスクスと笑う声が、少し離れた場所から聞こえてくる
・・・近付いてくる足音・・・
甘い香りがモルスを包み、モルスはベットに寝かされる
『困った子猫ちゃん達だね・・・
もう少し、ベットの上で大人しくしておきなよ』
身に纏った甘い香り同様、甘い声色のハスキーな声をした人が
ベットの上にモルスと、毛玉を残して部屋を出て行く
その人が出て行った後、ベットの縁に前足を掛け・・・
3つの顔を持つ黒い大きな犬「ケルベロス」が
モルスの顔を覗き込んできた。
天使の様な顔立ちをした、綺麗なお兄さんは・・・
「モルスが見える」ので人間ではない事は明白だったのだが
天使ではないみたいだった
モルスは、地獄の番犬「ケルベロス」に見詰められながら
「さっきに人は、悪魔なのかもしれない」と、勝手に推測した。
さっきの人が出て行った扉から「死神」が入って来る
大きな鎌・フード付きのローブ・骸骨を模した仮面・・・
典型的な死神スタイルを保持する「ゼンゼンマン」だ
・・・モルスはそう思った・・・
「同じ死神」でも・・・
「モルス」と「ゼンゼンマン」では、雰囲気が物凄く違う
執事服やスーツを着用する「モルス達」の中で育ったモルスには
ゼンゼンマンが「何故、そんな恰好をしているのか?」とても
不思議に思えた。
モルスに近付き・・・仮面を取り、優しい笑顔を見せ・・・
ゼンゼンマンが、手をモルスの額に当てる
『まだ、熱が高いな・・・
おい、小僧・・・お前の分の仕事は、俺達が引き受けたから
安心して大人しく寝ていろ』
熱があるからか?
ひんやりと冷たく感じるゼンゼンマンの手が心地よい
モルスの目から涙が零れた
モルスは・・・怒られる事も、怒鳴られる事も無く
優しくされ、仕事を代わって貰えたのは生まれて初めてだった。
モルスの胸の上に小さな黒い毛玉が、ぴょんと飛び登る
『おい!お前!こいつ泣かせたな!こいつを虐めたら
俺様が許さないぞ!』
黒い毛玉が、甲高い声を上げ・・・
仁王立ちして、ゼンゼンマンに指を突き出している様に見える
最初、「3本足に見えた」毛玉の脚の1本が「尻尾」な事に気付き
得体のしれない物体と判断して、気にしないでいたモルスは
毛玉の正体が気になる
『あの、すみません・・・これ、何ですか?』
モルスが「毛玉の正体」を尋ねると・・・
扉の方から噴き出す様な笑い声が聞こえてきた。
笑い声が聞こえる方向に目を向けると・・・
扉からは、「小さな土鍋を載せた御盆」を持った女性が1人と
さっきの綺麗なお兄さんが、毛玉を指さして笑っている
『悪い・・・洗って乾かしたら真丸の毛玉になってしまったんだが
元は、お前が懐に入れていた黒い子猫だ』
ゼンゼンマンの言葉を聴き・・・
モルスが毛玉に手を伸ばすと、毛玉はモルスの手に擦寄る
ふっさふさの毛を、手で撫で梳かすと・・・「猫らしい耳と顔」
短い訳ではなかった「手足と尻尾」が出てくる
もふもふ過ぎて違和感はあるが・・・
ちゃんと「猫」である事は間違いなかった。
『えっと・・・ありがとうございます
あの、もしかしたら私が幻聴を聴いているのかもしれないのですが
さっきから、「この猫」って喋ってませんか?』
モルスがそう言うと・・・
綺麗なお兄さんが傍に来て言う
『あははっ、ごめん・・・それは、僕が悪いんだよ
ベファーナに貰った魔法薬入り栄養ドリンク飲ませたらね・・・
どっちかと言うと魔獣の類に仲間入りしちゃって』
綺麗なお兄さんは一人で爆笑している
『やっぱり、死神用の魔女の秘薬を猫に飲ませちゃ駄目だったね』
取敢えず、綺麗なお兄さんも死神らしい事だけは理解した。
女性が、サイドテーブルに鍋を置き、会話に参加してくる
『ぼ~や・・・私の名前は「ベファーナ」魔女なの、よろしくね
おかゆ作ってきたから御食べなさいな』
モルスに自己紹介した後、ベファーナは2人の死神に向き直る
『「トート」「ラ・モール」君等に個人名が無いのは知ってるけど
それなりの自己紹介はちゃんとしたの?』
ベファーナに促されて、2人の死神が自己紹介をしてくれる
「ゼンゼンマン」だと、モルスが勘違いしていたのは
「トート」と言う、ゼンゼンマンと同じドイツ系の死神で・・・
綺麗なお兄さんは・・・
「ラ・モール」フランス系の死神であった。
で、モルスは・・・ラ・モールの服装が気になった
スラックスは、別に良いのだが・・・その上の上半身
ボタンを上から3個も開けたレースが素敵なドレスシャツ1枚
真冬にそれ以外、服は着ていないのだが・・・
「室内とは言え・・・寒くは無いのだろうか?」
なんて割合、関係無い事を考えていた。
死神の設定は・・・ぶっちゃけ適当ですw
つぅ~か、20年近く前・・・オリジナルの漫画用に作ったモノなので
突っ込みを入れないように御願いします。




