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19「今の自分にできる事」

19「今の自分にできる事」


天が浄化じょうかされ、人間の世界にも少しづつ変化が起き始める

都会から魔女狩りの風習ふうしゅうが消え・・・

迷信めいしん深い、田舎いなかの方に残る程度ていどになって行く

人間達が起こした、大きな戦争も終わりをむかえ・・・

天使と死神の仕事も通常運転に戻る


発展途上はってんとじょう国の小さな戦争を見て・・・

魔女狩りを天のけがれを「あの時代はみながおかしかったのだ」と

なつかしめるようになったころ


モルスも時間を掛け、心と肉体の傷をいやし仕事に戻っていた。


但し、天は粛清しゅくせいされはしたが・・・

粛清前に下された、「モルスの天使」に「執行しっこうされたばつ」だけは

消える事がなかった


モルスに対し、事前に宣言せんげんされていた・・・

『人間を殺した天使の「罪の罰」を一緒に受ける』と言う罰も

執行される事無くそこに残っていた。


モルスは、「不幸な人・不条理ふじょうりな目にっている人」を見掛けると

「彼女の欠片が混じっているのではないか?」と、確認に行き


「不幸を運命付けられた天使の欠片」を見付ければ・・・

「身を削り・心を削り・精神を削り」

これ以上不幸せにならない様、少しでも幸せである様に願い

モルスは「花飾はなかざり」をおくり・・・欠片の所持者をまも


そして最期の時、その死の担当者として御迎えに行き・・・

本人が、当人の心を救う願いを持っていれば

試練しれんあたえ、全力でかなえ心を救う

死神には、それ以外できる事が無かったから


そんなモルスの「純愛」に感銘かんめいを受けた神の一人が・・・

モルスにしてあげられる事を探した


「執行された罰」は消す事ができない

でも、対となっている「執行前の罰」

その内容を変更する事で・・・

執行された罰に変化を与える事は出来るかもしれない


天に住む神は、執行前の罰を書き変え「慈悲じひ」を与えた・・・

わりの罰と、使命」をモルスに与える事にしたのだ。


神は冥界めいかいの神を通じ、モルスに言葉を贈る

『何度も生まれ変わって浄化じょうかされた「愛しき者の欠片」を

毎年、かさずに集め続けなさい

一年間集めた分で、小さな仮初かりそめの妖精ようせいを作って

その妖精と降誕節こうたんせついわわせてあげましょう』

天に住む神の言葉に、モルスは戸惑とまどい・・・


戸惑いに気付いた「神」は言葉を続ける

『妖精ならば、穢れを受ける事はありません

クリスマスの夜明けからエピファニアまで

ベファーナがほうきで世界を掃き清めるまでの間

天使の欠片から生まれた小さな妖精と一緒に遊んであげて下さい』

モルスは『ありがとうございます』と、笑顔で受け入れた。


モルスは、新たな使命にしたがい、「愛しい天使の欠片」を

自分にとっての宝物を、世界中を回って探し続ける

見付けては・・・

「天使の欠片」が抱えた不幸に泣きたくなるのを我慢がまんして

相手を抱締だきしめたくなるのを必死でこらえて


その者達の死を、自分の担当にする為・・・

彼女が好きだった花「スノードロップの花飾り」を贈り

その命が終わる時をそっと見守り、待ち続けた。


モルスは数人を担当し、ずっと見ていて気付く

地上で生きる天使の欠片を持った者も・・・

愛しい天使の欠片から生まれた妖精も・・・

天使だった頃の彼女と「同じ嗜好しこうを持っている」と、言う事に


公現祭こうげんさいを過ぎるまでクリスマスの飾りを取らない

「魔女のべファーナ」が「プレゼントを持って来る」

と、言う「信仰しんこうが残る地域」以外での場所で

クリスマス飾りの片づけを悲しげにながめる妖精に気付き


妖精の為、クリスマスが大好きだったアンジェリカの為に・・・

彼女だけの為のクリスマスを集める様になった。


毎年ハロウィンが終わるとモルスは・・・

世界中のクリスマスを探し始める

シーズンOFFでも、持っていない物を見付ければ手に入れた


クリスマスマーケットのシーズンが近づくと

モルスは全てのマーケットを毎日、巡回じゅんかいしてまわ

本当に・・・毎年、イヴの夜の夜明けが待ちどおしいかった。


時間が近づくと、モルスは約束の場所にクリスマスを集め立ちくす

クリスマス聖なる夜明けと共に、約束をくれた神があらわれる


・・・これは、モルスの一個人的な至福の瞬間・・・

モルスが集めた魂の中から

アンジェリカの欠片から生まれた妖精が、モルスの前に姿を現す時

妖精は・・・天使の輝きをまとう小さな卵から生まれ

必ず・・・目を開けて直ぐに、モルスに微笑みかけてくれるのだ。


彼女と最初に出会う度に、モルスは彼女に恋をする

そして・・・12日間で彼女を失い失恋をする


それでも降誕節だけが、アンジェリカと出会える時

続いて、公現祭エピファニアが彼女との御別れの日

毎回、悲しみに暮れるモルスを見るに見兼みかねたベファーナが

一つの魔法を使った。


妖精が消える時、妖精がみずからが消えてしまう事におびえる姿を

モルスに見せないためと・・・

妖精が、自分が消えてしまう事に怯えないで済む様に

魔法を掛けてモルスと妖精を眠らせる・・・


ベファーナは、一年間積もり積もったワルイモノを

箒で掃き清める時、ついでに・・・

モルスが集めたモノを、天使の欠片から生まれた妖精を

モルスが抱える喪失感そうしつかんと共に、全て綺麗に掃き去っていく


ベファーナが掃き去ると・・・

浄化が終わった綺麗になった「モルスの天使の欠片」は

しゅの存在しない天へと帰って行く

浄化しきれなかった欠片は・・・

トートとラ・モールに冥界へ運ばれ、冥界の神の手で

輪廻りんねの輪に流しいれられた。


モルスと「モルスの大切な天使」の欠片達は

ベファーナを始め、ベファーナの家を拠点きょてんとするギルド全員

モルスの事を知る他の死神達

モルスの事を良く知るエンゲルとその仲間達

モルスの事を知る天使と死神が集めた魂を管理いする冥界の神達

今回の事でモルスの事を知った、天に住まう神達

多種多様な者達が、見守る様になった。

12/24を、イヴとして夜を祝う

12月25日から1月6日までの12日間を降誕節としてイエスの誕生を祝う


私はキリスト教徒ではありませんが・・・

密かに、日本の打ち上げ花火の様な一瞬のイベントより

長く楽しむ、ヨーロッパのそっち系のイベントのが御好みです。

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