018「犯した罪と、それに見合う罰」
018「犯した罪と、それに見合う罰」
「モルスの天使」は罪を犯していたが・・・
「天罰で死んだ天使」に与えられた「天罰」を
「天使の器」肉体を「地に帰す事」で「無かった事」にした事は
「罪にはならない」ので・・・と、言う理由で
自分をしっかり持った、「天に住む穢れ無き神達」と
天とは違う場所に存在する為・・・
「天に住む神の穢れ」に感染しなかった「冥界の神達」に
モルスは、護られていた。
・・・モルスが護られた事で・・・
嘗て、モルスの天使が・・・
アンジェリカが仕え、崇拝していた神は怒り狂う
『「犯した罪」を「償わせないのは罪」だ!
そんな「罪を犯した者」を「保護した者」も「罪人」だ』
と、叫び騒ぐ
それは、黒く汚れた天の世界で
バッシングに便乗して連帯感を喜ぶ神達の新しい玩具として・・・
犯罪を正当化する免罪符として「力を持ち」
天を天で無くし、神を神で無くした。
『これは合法な狩りである』と
「穢れた心を持つ神」の「天使達」は「一つの種族」を
根絶やしにする勢いで「捕らえ・甚振り殺していく」
モルスは我慢できなくなって・・・
自分と同じ「モルス達」の命が弄ばれるのを止める為に
「自分の神様」に願い出て、他の地域の天に住む神に助けを求めた。
モルスに差し出せるのは自分自身だけ・・・
『どうか・・・私を生贄に、穢れの原因を取り除いてください
私達と地域を同じくする、天に住む神を浄化してください』
モルスは、自分の意思で囚われの身になった。
シルクロードを通り、違う地域に出ていた
「天に住む神」と「根源」を同じくする「同じ一つの神」に
捕らえられ、引張り出されてきたモルスを見て
天を汚す原因を作った神は・・・一度、歓喜に震え
今まで捕らえる事ができなかった事実に・・・
新たな使命感を呼び起こす
『私は神だ、共犯者も罰さなければ・・・
「匿った者・手を貸した者・コレを知り黙っていた者」
全て、罪を犯した罪人だ!捕らえて罰を与えなければイケナイ』
モルスが捕らえられ投獄された事、虚しく
その事は、神に「自分が正しい」と思わせただけで終わった。
そんな、神の意向から・・・
モルスに共犯者を吐かせる為の拷問は、公開で行われる事になった
使命感に狂った神から、大義名分を得た天使達は・・・
地上で魔女狩りを楽しむ人間達の様に、拷問に歓喜し楽しんだが
どんなに「肉体的苦痛」を与えても
「共犯者の事」を話さない、話そうともしないモルスに
怒りと苛立ちを募らせる
何度も気絶する程の苦痛を与えられても・・・
冷たい水を掛けられ、目を覚ますまで暴行を加えられても・・・
モルスは何も喋らない
モルスの方は・・・
大き過ぎる苦痛に麻痺して、思考も儘ならなくなっていた。
拷問を見るのに飽きた神は、趣向を変える事にする
モルスに対する拷問を中止し
前に捕らえ、天にまだ残っていた「他のモルス達」への拷問を始める
「お前の為に、この者達は拷問を受けるのだ」と宣言したが
思考の停止したモルスは、動じず黙ったまま・・・
『人間を殺した天使の「罪の罰」を一緒に受けるがいい』と
神が宣言しても、モルスには届かず沈黙を守る・・・
神は抑えきれぬ怒りに「罪を犯した天使」への罰を執行する
そこまで行って・・・やっと、モルスは反応を示した。
神の力を見誤ったモルスの裏工作は空回りし
モルスがどうしても、護りたかった・・・
天使の欠片、全部に「不幸を運命付け」られてしまう
モルスが初めて見せた絶望の表情に・・・
心を痛め、涙する表情に・・・神は大喜びする
『さぁ!次はお前の番だ!
この者を「天罰で死んだ天使」に与えられた「天罰」を
肉体を「地に帰す事」で「無かった事」にした「罪で処刑」する』
その言葉に・・・「天に住む神」と「根源」を同じくする
違う地域の「同じ一つの神」が、再び姿を現した・・・
『「罪の実」は「ブドウの房」の様に実を付け
その罪を犯した者にぶら下がっている
「鎌」を入れよ、「刈り入れ」の時は「熟」した・・・』
何処からともなくあらゆる方向から、言葉が聞こえてくる
穢れ無き神は言った
『罰せられ処刑されるのは、お前だよ』
言葉にも、その場にも似つかわしくない「慈愛に満ちた表情」で
「薄汚れた思考の神」を切り裂いた。
バッシングに便乗して連帯感を喜ぶ神達、天使達は沈黙する
歓声を上げ御祭騒ぎをしていた会場は、一時的に静まり返り
小さな呻き声をあげ屠殺されていく仲間に・・・
端から自分達が狩られて行く現実に「驚き・怯え」悲鳴を上げる
束縛を解かれ、自由の身になったモルスは・・・
自分の怪我の手当てをする事も無く
自分の為に殺された同族の亡骸を無言で涙を流しながら弔い始める
会場に死を弔う神聖な空気が入り込んで・・・
モルスの周りに渦巻いた。
逃惑う観客が・・・立ち止まる
汚れた神や天使を狩る事に夢中になっていた者達も、立ち止まる
再び起こった沈黙の中、モルスは壇上で横たわる死神の死体を
たった一人で、同族達が帰り逝ける様にと死者の通る道を作る
モルスの力で大気中に砂糖の様に溶け、消えた死神達は・・・
風に乗って自分達の神様の元へ一人一人帰って行く
悼む姿と、痛々しい光景に誰かが・・・啜り泣き
御祭り事に参加せず、遠くから観ていただけの他の神も
自らの傷を厭わぬモルスの行動に心を痛め・・・涙を流した。
『もういい、ベファーナの所へ帰ろう・・・
このまま続けたらお前も一緒に死んでしまうぞ』
自分の神様を護る為・・・
自分の神様と一緒に、今まで隠れていたエンゲルが
会場に降り立ち、モルスに駆け寄り抱き止めた。
エンゲルの登場に安心し・・・
力を無くしたモルスを抱き上げたエンゲルの前に、一人の神が現れ
『その「死神」が、目を覚ましたら伝えなさい
「対価は確かに受け取った、願いは叶う」と・・・』
そう言って、神は天の空に舞い上がる
天はいつの間にか夕日色に染まっていた
神聖な儀式が行われ・・・
天は、「根源」を同じくする
違う地域の「同じ一つの神」の手で粛正された。
その場に生き残った観客達は
冷静さを取り戻し、自分達が犯した犯してきた罪に気付いて
「神」故に・・・「天使」故に・・・
自分の罪に囚われ、ゆっくりと身を精神から滅ぼしていった。
何かを頼む時は、上っ面の願いだけでなく
「本当に何をして欲しいか」ちゃんと明確に伝えないと・・・
表面上の願だけ叶って、本当の願いが叶わない事がありますよね?




