17「変化していくモノ」
17「変化していくモノ」
トートの御蔭で、冥界の一部の神から守られ
エンゲルの御蔭で、天に住む一部の神からも守られた
モルスにとってだけの天使は、小さな奇跡を地上に齎(もたら
)す
「モルスの天使」が隠された場所には
天使の加護が無条件で与えられて、至る所で命が芽吹く
砂漠化した広場や道、屋根の上・・・石の上、岩山の上・・・
砂漠に落ちた欠片は・・・
天使達が与える祝福を受けて、オアシスを生み
小さな森を「命の少ない場所」に生み出した。
この世の中で・・・1つの星の中で、この世界で
彼女を食べて、地中の虫達が育つ・・・彼女を苗床に植物が育つ
育った植物を動物が食べ少し取り込まれ、排出される
排出された物は、色々な様々な経緯を経て土に帰る
少しづ少しづつ・・・彼女の魂の欠片が生き物の中に広がってく
広がり違うモノに混ざった魂は・・・
それなりの生を送り多種多様な経緯を経て土に帰る
彼女は、違うモノと一緒に
ちょっとづつ・・・ほんの少しづつ浄化されていく
そんな、ある時・・・
モルスは1人の人間の中に混じった彼女を見付けた。
人間と話した事の無かったモルスは困り果て
昔、人間だったベファーナに相談しに行くと・・・
人間の女性をも「ナンパ」するイタリア系の死神「モルテ」が
『女性の褒め称え方なら任してくれ』と
「花に譬える美しさ表現」を始め・・・
色々な「愛の表現の仕方」を事細かに詳細に教えてくれる
モルテの話を聞いていると、ベファーナは・・・
『この手の話は苦手だわ』と言って、部屋を出て行ってしまう
入れ替わりにリビングに入ってきたラ・モールは・・・
嬉しそうに話に参加して『それじゃ、ただのナンパだよ』と
「女性」への「話しかけ方・対応の仕方」を教えてくれたが・・・
その後、リビングに入ってきたトートに
2人は「張り扇」で後頭部を殴られ、何故か凄く怒られていた
『奴等の言う体への触れ方とか・・・本気にしちゃ駄目だぞ』
トートは・・・
モルスが「教えて貰った事をメモしていた紙」を取り上げ
微笑みながら、何か・・・怒っていた。
トートが怒っていた理由は、まだ理解できないのたが・・・
モルスは、「自分だけの天使」を見付けては・・・話しかけ
「スノードロップの花飾り」を贈れる様になった
モルスは「アンジェリカが仕えていた神」に知られない様に
気付かれたりしない様に、こっそりと・・・
秘密裏に、「自分だけの天使」の死の担当を増やしていった。
彼女の欠片が不幸にならない様に平穏を願い、幸せを願い・・・
幸福な最期を迎える様に、それを見守り
彼女の完全な浄化が行なわれる様に、輪廻の中に戻し続けた。
モルスにとって、穏やかで切な過ぎる時間が流れる
戦争で魔女狩り最盛期程の人間達が、死に出すまで・・・
そう、時を経て・・・天に住まう同じ一つの神の一人が
戦争で起きる「迫害・弱い者虐め・公開処刑」で、昔を思い出し
気紛れを起こしたのだ
彼女が罰せられた当時、彼女が仕えていた神は・・・
昔、「お気に入りだった天使」を「罰した事」を「後悔」し
「天使の亡骸」に「慈悲」を与えようと
自分が「罰してしまった天使」が眠る筈の場所へと
初めて、行ってみる事にしたのだ。
「大人としての礼儀」を守った事の無い種類の「天に住む神」は
冥府の神に内緒で冥府に入り
そして、堕天使を収めた場所を探し歩く・・・が
その時期の堕天使の多さから見付けられないまま探すのに飽きる
勝手に探し回った後で、冥界の神に場所を尋ねるのもバツが悪く
格好が付かない為、諦めて帰ろうとした時・・・
天使が収容されている筈のガラスの棺の中に
自分を崇める教会の修道服を着た、人間の娘を見付けてしまった。
『これは・・・』
神にとって見た事のある、記憶に微かに残る顔立ち
天に住む神は・・・ある可能性に気付き使命感に燃える
独裁者が定めた、自分以外の者が犯した罪は
自分に正当性が全く無くても
独裁者にとって・・・
必ず暴かれ、その罪は罰せられるべきモノなのだ
天に住んでいる筈の神が、神が気を変えて
悪魔の様に顔に皺を寄せ邪悪に微笑みを浮かべ嬉しそうに笑う
『「犯した罪には罰」を!』と雄叫びをあげて
神は子供の様に、自分の思い道理になっていなかった事に憤慨し
退屈な世界の中で、使命感を持てる事を喜び
自分が罰した筈の天使と、その罰から救った者を捜し求める。
知らなかった冥界の神と
昔過ぎて忘れてしまっていた冥界の神達は・・・
『天から来た奴が「荒さがし」に「ガサ入れ」に来やがった』と
物凄く嫌そうな顔をして、天から来た神を更に怒らせ
知っていて、憶えてもいた冥界の神達も・・・
天から来た神の態度の悪さと、横暴な言い方から不機嫌になり
『それが他の神に頼む態度か?顔洗って出直してこい!』と
トートの裏工作、関係なく・・・
「モルスと天使」の情報を与える「神」は存在しなかった。
憤慨し、神は天に帰り・・・
冥界の神達の事を「ある事無い事」色々と話して回る
安定した生活で暇を持て余していた一部の神達は
昼ドラの「どろどろした設定」を喜ぶ主婦の如く
悪意の見え隠れする噂を大手を振って受け入れ
「悪口・誹謗中傷」を楽しみだした。
人間達が楽をし、楽しむ為に自分達の住む場所の空を
「車が吐き出す排気ガス」で、汚して回る様に・・・
生活を良くする為、経済を発展させる為
「機関車が煙突から昇らせる黒い煙」
「工場の煙突から昇り続ける真っ黒な煙」
そう「光化学スモッグ」で、大気を汚していく様に
神達は、自分達の天を
自分達の一時的な快楽の為に、汚していった。
汚れた場所では、善意は目立つ
穢れた魂をあざ笑うかの様に、穢れない魂も白く目立つ
心が汚れた神達は、自分達の汚れを認めたくなくて行動を起こす
心が薄汚れた魂を持つ神は・・・
自分より穢れていない者を見付ける自分と同じくらい汚れさせ
安心感と連帯感を喜ぶようになる
穢れを嫌い逃げ出す者見付ければ・・・
「虐め・居場所を奪い・陥れ」違う意味で汚しては
相手が汚れた事を喜び、汚した事を快楽に感じ
自分の穢れを知らず知らずに悪化させていった。
・・・黒く染まった天で・・・
「死んだ方がマシな目」に遭っていた「人間が死ぬ事」を
「手助けした天使」の隠れ場所と・・・
その天使に与えられた「天罰」を
「天使の器」肉体を地に帰す事で無かった事にした
1人の死神・・・
冥界の神の僕の存在が炙り出された。
「炙り」と言う文字を見る度に
「美味しそうな気がする」のは、気のせいだろうか・・・
炙りサーモン、炙り海鮮丼、マグロの炙り寿司・・・炙り焼きチキン
朝御飯、何食べよう・・・




