13「罪深き天使達」
13「罪深き天使達」
位の低い天使達が人間への祝福を祈るのではなく
呪いの言霊を囁く様になってから
位の低い天使達は簡単に禁忌に手を出し・・・
嘗て、地上にラッパを吹き7つの災いを齎した事のある
「裁きの天使」の「審判の告知」を受ける様になった。
天から誰かが宣言する
『「罪の実」は「ブドウの房」の様に実を付け
その罪を犯した者にぶら下がっている
「鎌」を入れよ、「刈り入れ」の時は「熟」した』
誰かの声「天に住まう神の声」に反応して・・・
「永久の福音」を「位の高い天使」が口にする
『神を畏れ、その栄光を讃えなさい』
・・・伝えるのは、「失われた幸せ」・・・
『主に結ばれて死ぬ者は幸いである』
「同率の立場」を有する「死神同伴」の元、天使は無表情に
『主に会えぬ程の罪を、悔い贖いなさい』と・・・
「罪深き天使達」に宣言した。
そして・・・天使を裁くのは「死神の役目」だった
「天使を狩る許可」を「神」から得ていた
「許可証」を所持している死神達が・・・
天使を連れた「位の高い死神」の命令で「罪を犯した天使」を
追掛け、追い詰める
位の高い天使は、同じ立場の死神に言う
『鎌を入れて刈り取って下さい』
位の高い死神は頷き、笑顔で「指定された数人の天使を狩る事」と
「天使の翼を刈る事」刈った後「捕獲する事」を命じる・・・
死神達は、翼を刈り取り捕獲して・・・狩りもする
アンジェリカを見守る為に、許可証を持っていたモルスも・・・
その仕事に就いていた。
「死を迎える者」の「魂を刈り取る」のとは、全く違う仕事
怯え怖がり逃惑う天使を追うまでは良いのだが
「狩る事」は勿論、「天使の翼を刈り取る事」が怖かった
初めてアンジェリカに会った時
彼女が『殺さないで』と言った意味をモルスは漸く理解した
アンジェリカは・・・
「天使を狩る死神の姿」を見た事があったのかもしれない
後、翼を刈り取った天使を・・・
人間の魂を集める様に、保管場所へ「集める事」のが
モルスはとても嫌で仕方が無かった。
その後の翼を奪われた天使の行き先は・・・
金色の鉢「7つの香炉」の中
それに閉じ込められ燃やされ登る天使の魂の煙
煙だけは、天に帰って・・・
その後に残った灰「天使だった者の魂」の行き先は
堕天前、第一天使だった「サタナエル」が
魔界に堕とされ「サタン」になった場所
天使が悪魔に生まれ変わる場所
罪を許されても天に帰る事はできない「ルシファー」の住む場所
光を帯びたまま堕とされた場所に繋がれ、天を恋しがる場所
天使達は、「悪魔に身を落とす」くらいならば・・・と
「堕天使でいる事」を願っていた。
モルスは、アンジェリカが「罰せられる対象」にならない事を
彼女が「罪を犯してしまわない事」を切に願う・・・
願いながら、「罪深い天使の翼」を刈り取り
自分が作った魂の保管場所に翼を奪われた天使を集めていく。
「天使の囁き」で、「吸血鬼への恐怖」が人間達に定着した頃
モルスは「狩り・刈り取り・捕獲する」対象に対して
「感情を持つ事」を禁止される様になった
モルスは・・・
自分の感情をスムーズに切り替えられるトートの様に
仮面を被れば、自分の感情をも無視し・・・
誰に対しても、冷酷無情に徹する事ができるなんて事は
自分にはできないと思った
そこまで非常になれなくても・・・
ポーカーフェイスが得意なラ・モールの様に
自分の中に、自分を偽る仮面「ペルソナ」を被って
色々な表情を見せながら死神の仕事をする事も
モルスには、できそうにもなかった・・・
仕事を辞退するなんて事は、死神にはできない・・・
モルスは自分にもできる、感情を隠す方法を探した。
辛そうなモルスにベファーナは言う
『笑いなさいモルス!笑顔が一番、感情を隠せるわ
何時如何なる時も、笑顔を絶やさない様にすると良いわ
暇を見つけては鏡の前で笑顔を確認して、笑い続ければ
ある程度、心も守れる筈よ・・・』
ベファーナの言葉通り「笑顔」は、モルスの心を・・・
ある程度、護ってくれた
気付くと皆が、微笑みを絶やさない様になっていく・・・
モルスが見守るアンジェリカの「罪が明るみに出る」頃には
モルスは、笑顔でいる事に慣れていた。
・・・アンジェリカの1個目の罪・・・
禁断の果実「知恵の実」を「1個」持ち出した事・・・
それを数え切れない人間達に少しづつ分け与えてしまった事・・・
アンジェリカは持ち前の綺麗な心と、心優しさ
神から受けた寵愛の御蔭で・・・罪を許された。
・・・アンジェリカの2個目の罪・・・
人間達を不要な混乱に陥れた、言霊を囁いた事・・・
首謀者が複数だった為
アンジェリカは、神から特別に与えられていた・・・
「花に幸せへの祈りを与える」役職を辞退する事で1人だけ
その罪を許された。
・・・アンジェリカの3個目の罪・・・
アンジェリカは、生まれて初めて・・・
大人になってから「謝っても許して貰えない事」と遭遇する
アンジェリカは・・・
神に助けを求めながら泣き叫び、凌辱された修道女と出会い
神に不信感を覚える
修道女はアンジェリカが仕える神の僕であった
修道女は、同じ聖職者から・・・
『言う事を聞かないと修道院諸共、魔女裁判に掛けてやる』
と、脅され・・・修道院を護る為、更に深く深く傷付けられ
自ら死を選ぶ事さえ、修道院を護る為に禁じられ・・・
恐怖と絶望と例えようの無い苦痛と嫌悪感の中で
生き続けねばならなかった。
修道女の・・・
『この苦痛は神からの試練』と繰返し我慢する姿に
アンジェリカは、決意をする
寒い時期を迎え・・・
暖を求めて「神からの試練」が訪れる回数を増やした時
修道女が耐え切れなくなって
神を冒涜する言葉を吐き、修道女が自らの死を望んだ
アンジェリカは純粋な優しさから、同情心から、共感から・・・
修道女に「安息」を与える
協力してくれる他の天使達の力を借りて「不快な記憶を消し去り」
「幸せな永久の眠り」を与えた。
但し、神様が天罰を下す命令以外では
如何なる場合も・・・天使が生き物を「殺す事」は大罪である。
謝っても許して貰えない事・・・
理解できてる人ってどのくらいいるのだろう




