↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/25

ちょっと休憩♪

肩の力を抜いてお読みください。

皆様、ビビリーヌことビビですわ。ビビって呼んでも…よろしくってよ。

召使い(下僕)とそのお友達(雑魚)が締まらない会話をしている時、聖域(なわばり)で考えてましたの。「そう言えば私、皆様にご主人様と知り合って、さらにこの家の女主人におさまるまでの話をしたことが無かったわ」って。

前回、作者様(おかあさま)に意見をしたところ、「1話まるまるっと語ってみるかい?」って言っていただけたので、語りますわよ!ところがね、下書きを書いていたら3話にわたる長編になってしまいましたの。作者様(おかあさま)に相談しましたのよ?そうしたら「いつか長編は載せてあげるから、今回は一緒に住むようになった時の話をしたら?」って言われましたの。まだ私がうら若き乙女だった頃の話…


「…完太よ。確かにわしは言ったぞ。うん、言った。『お前が飼えば良いんじゃないか?』ってな。しかしまあ…『大学の理事長室に連れて来て良い』とは一言も言っとらん!!」

その理事長の剣幕を物ともせず、ジッと鋭い眼光で見つめる犬がいた。正式名称「ドーベルマン・ピンシャー」、通称「ドーベルマン」。推定年齢1歳、体高63センチ、体重39キロ、雌。断尾、断耳済みで、誰もがドーベルマンと聞いたらイメージする姿をしている。

「だって、おじ…じゃなかった、理事長。僕んちペット可物件だけど、小型種のみなんですから。大人しい子だから、まだ誰にもバレてないけど…。僕、犬飼ったこと無いし…。それに、まだ3日前に退院したばかりだし、家に一人で置いてくるなんてできない!」

とある音楽大学の事務員兼理事長秘書の一色完太はふくよかなお腹を揺らしながら、必死に理事長に訴えていた。理事長は大きな溜息をつくと言った。

「完太…お前…犬は大の苦手じゃなかったか?情か?」

完太はぎこちなく、そっとドーベルマンの頭を撫でる。すると、そのドーベルマンは嬉しそうに口元を綻ばせた。

「情とかかもしれないけど、こんな良い子なんです。幸せにしてあげたいんです。ねえ?ビビ?」

「…名前も付けたのか?!はぁ………とりあえず今日はここに置いていけ。わしが見てるから。」

そう言うと、理事長は完太を部屋から追い出した。

「どうしたもんか…なあ?ビビとやら?」

理事長は机からビビを見つめた。ビビと呼ばれたドーベルマンは伏せの体勢で、応接セットのソファを独占している。その姿を見て、また特大の溜息をついた。


午前中は、ビビが気になってミスを連発してしまった…そのせいで昼食も遅くなってしまった。こんな時はお気に入りの定食屋へ食べに行こう!完太は大した距離でもない音大のすぐ近くの定食屋に、息を切らして入った。そこに懐かしい顔がコロッケ定食を食べていた。口の周りがパン粉だらけだ。

「あれ?…響ちゃん?髪の毛切ったんだね!かっこいいよ!今、すっごくチェロのお仕事で忙しいんじゃないの?大学卒業以来だね!」

「忙しいよ。それなりにね。完ちゃん久しぶり。相変わらずふっくらだね。こっちへ座りなよ。」

完太は響に手招きされ、同じテーブルに座った。その時、響が唐突に言った。

「完ちゃん?犬…飼ったの?」

完太は驚いた。

「ちょっと事情があってね、3日前に引き取ったんだけど、僕んちはペット可でも小型種のみなんだ。で、引っ越し先を探さなくちゃでね。でも、なんで分かったの?」

「ズボンに特大の足跡が着いてる。あと、ワイシャツに黒い毛が少し。」

朝、出掛けに喜んだビビが飛びついた時のだ。完太は、この子はよく観察している子なんだと思った。学生の頃からそうだった。ちょっと変わった子だったけど。

「ドーベルマンなんだ。でも大人しくて可愛いんだよ?僕が撫でると、嬉しそうな顔をするんだ。」

完太がビビの可愛さを語り始めた。そして語り終わる頃、響が唐突に言った。

「一緒に住む?一軒家だし、一人暮らしじゃつまらないからね。家事を全部引き受けてくれるなら、家賃もいらない。今日からでも良い。ちなみに私は、犬に慣れてる。そしてさらに、完ちゃんとビビくらい養える。」

それを聞いた完太が頬を染めた。

「…プロポーズみたいだね…なんか…照れちゃう。」

「…照れるな…キモい。」

パン粉だらけの口元の響が心底気持ち悪そうに返す。


そしてその日から、2人と1匹の奇妙な同居生活が始まった。


〜現在〜

「ビビ!頼むから私の布団から降りてくれ!じゃない。降りてください、お願いします、ビビ様!」

断尾された短い尻尾…お尻を寝たまま振る。「降ろせるものならやってみなさい!」と言わんばかりの挑戦的な顔。それを憎らしいと思うその倍以上に、「可愛い」と思う感情が響の中には湧いていた。あの時、完ちゃんに再会して良かった。だって、憧れの大型犬が飼えちゃうんだから。しかも家事もしなくて良いしな〜。いや〜声掛けて良かった〜。


当初、響が一緒に住みたかったのは、実は完太ではなく犬だった。

(※今はちゃんと、完太とも住めて良かったと思っているようです。by作者)

響は賢いのか、セコイのか…。どちらにしても、完太には優しくして欲しいと思っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。