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蒼雷の征く果て〜青龍の力が強すぎて、俺の平穏が常に更地になる件〜  作者: セルライト
青年期 前半

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58話:究極の3択

砂漠のクレーターの中。魔人の体は地面を数回猛烈な勢いでバウンドし、砂を撒き散らしながら深々と埋まっていた。


「いっ、痛ぇ……! なんだよその重さ! 鉄柱……いや、高層ビルの鉄骨でぶん殴られたのかと思ったわ! アーティファクトだろそれ! 伝説の武器だろ!? なんでただの棒(鈍器)としてフルスイングしてんだよ! 宝の持ち腐れにもほどがあるだろうが!!」


悶絶し、手足をもがかせながら抗議する魔人。だがカイトは、その絶叫を無視してクレーターの縁から静かに降り立った。


「……五月蝿いな。打撃の方が効率的だっただけだ。刃こぼれも気にしなくていいしな」


「効率重視で伝説の武器を雑に扱うなよ! 歴史に対する冒涜だぞ! あと俺の側頭部が陥没しかけてるんだけど、訴えていいかなこれ!?」


カイトは無表情のまま、泥土にまみれた魔人の胸ぐらを冷徹な手つきで掴み上げた。そのままズズリと引きずり出し、青龍刀の切っ先を、その喉元のどもとへミリ単位の狂いもなく突きつける。


「……おい、黙れ。お前のツッコミに付き合ってる時間は1秒もねぇんだよ」


カイトの瞳には、かつての気だるさは消え、氷のような鋭い殺意だけが宿っていた。


「今から俺が聞くことに、YesかNoか、あるいは『死』で答えろ」


「だから選べる選択肢がハードすぎるだろ!! 究極の三択かよ! 後の二つが実質同じじゃねぇか! せめて『保留』とか『あとでかけ直す』とかのボタンはねぇのかよ!!」


「……ないな。俺の指は、今すぐ引き金を引きたがってる」


カイトの背後、砂漠の月明かりに照らされた影が、絶望する魔人を飲み込むように不気味に、そして巨大に伸びていた。青龍の威圧感に当てられた魔人は、もはや蛇に睨まれた蛙のように、ガタガタと震えを止めることができない。


「『あの男』……俺の家族を壊した奴はどこにいる? そして、母さんの呪いを解く方法だ。……隠し事はするなよ。お前の脳をかき混ぜて直接読み取るのは手間なんだ」


「怖いこと言うなよ! 怖いよ! 特務機関の拷問官かお前は!!」


魔人は涙目でカイトを凝視した。目の前の少年は、主人が言っていた「青龍に振り回される子供」などではない。青龍という力を自分の道具として完全に飼い慣らし、感情を排して目的を遂行する、最悪の**「効率の怪物」**だ。


「……わ、分かった……分かったからその『光ってる先っちょ』を少し離せ! 喋る! 喋るから! 喉に当たっててヒリヒリすんだよ!!」


魔人の声が、夜の砂漠に情けなく響き渡る。

カイトの冷徹な尋問が、魔族のプライドを完膚なきまでに叩き潰していた。

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