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またあした。  作者: 竹の花
1章.
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4/23

物語の始まり

鎖ぶんぶん〜♪みんなブンブン〜♪

鎖ぶんぶん〜♪ハチはブンブン〜♪

鎖ぶんぶん〜♪親はプンプン〜♪

ーあれから時間がたった。


トンネルは危険だと判断され封鎖が決定し、

緑塚は行方不明ということになった。

鈴木は緑塚の家族を探し続けていたが…

いくら探してもそれらしき人は見つからなかった。

事務所も片付けの人が入り(緑塚の銃などを持っていった)、みるみるうちに物が減っていった。片付けの終わった部屋を見て、自分が思っていたよりは事務所は開けた空間だったんだなと理解した。


(それでさぁ…)


もちろん、常にこいつの声が聞こえてきたが、作業をしている間その一切を無視した。

また、左手の指は黒いままだが、今のところ何の問題もない。感覚がないのは変な感じだが、そもそも左手をあまり使わないのだ。

ともかくしばらく何もない、平和な、日々が過ぎていた。

ある日。鈴木な事務所でいつものように仕事をしていた。しばらくすると、チリンチリンとドアの開く音がした。


「あ、来た来た。」


ある人物と会う予定を立てていたのだ。


「こんにちは、お久しぶりです。」


鈴木が扉を開けると、池田が立っていた。

相変わらず、しっかりとした体つきと優しい顔のアンバランスさが際立っている。


「お元気そうで何より。」


「…はい!おかげさまで。」


あれからだいぶ気持ちも落ち着いて、元気なのは本当だ。


(へぇ〜、こいつが池田か。)


頭にずっと話しかけられるのは嫌だが。


「少し本題とはズレますが、先に伝えたいことが。」


「はい。」


「職員がこの建物の状態をみて、改修することが決まったようなのでお伝えします。」


「改修…!」


思い返すと、確かにこの建物は古いところがあった。きれいになるのは素直に嬉しい。


「1号店の方はすでに改修が済んでいて、次はこの2号店に改修をするようですよ。」


「…2号店?」


そうなの?


(そうなんだ。覚えとこ。)


「あぁ、看板が見えにくかったですもんね。

そうです。ここは街角異変調査屋、2号店です。」


へぇー。まったく知らなかった。


「…緑塚さんから説明がなかったのですか?」


「…えっ、と。」


自分が聞き逃していて可能性もあるが、多分、

聞いてなかったと思う。


「…おそらく、そうです。」


「なるほど。分かりました。では、1号店について軽く説明します。」


ふむ、そんなに重要なことだったのか、1号店か2号店かって。


「1号店は東北地方、仙台という位置にあります。

立地の理由は単純でして、東北に異変が発生することが圧倒的に多いからです。」


東京でもかなり多いと聞いていたから、だとしたら東北はおびただしい数の異変が毎月発生しているのだろう。


「少なくとも1週間に1回。多ければ3日に1回といった数です。」


何となくしょぼく聞こえなくもないが、人が死ぬようなものもあると考えると、恐ろしい数だとわかるだろう。


「東北は特殊な捜査がされていて、政府が異変があるかを積極的に調べて調査屋に依頼しています。」


「そうなんですか…!」


関東でもそうしてくれてもいいのに、と少しは思ったのは内緒だ。


「東北地方でも発展している地域でもあったのもあり、異変調査屋発祥の地なわけです。」


「なるほど。」


ちなみに、捜査本部も1号店らしい。


「それで、ここからが重要な話ですが。」


あ、1号店か2号店かは重要じゃないんだ。

さて、そんな事を思っていると、池田は不意にわらって、こう続けた。


「今週中に2号店に新しい人が来ます。」


「そうなんですか?」


聞いていなかったことなので驚きもしたが、大部分は安心感が心のうちに芽生えた。

緑塚がいなくなって何日か経った。片付けにほとんど時間を割いていたとはいえ、一人きりでここを維持するのかと、どうにも不安を拭いきれなかったのだ。


「はい、人が少なくても良い2号店とはいえ、新人の佐藤君一人では無理がありますから。」


無理があると言うか、無理しかないと思う。


(頼られてないね〜。)


うるさいな、そりゃそうだろ。俺は仕事もまだ1回だぞ。…わかってるだろ、お前!


「つまり、人の多い1号店から2号店に新しく人が来るので、雰囲気整えておいてください。」


え?雰囲気?

改めて2号店を見回す。鈴木は池田が言いたいことを何となく理解した。


「雰囲気、ですか…。」


「何でしょう。2号店暗いんですよ。いや仕方ないところもあると思いますけど。」


周りを見渡す。前と比べ細々したものはなくなったが…確かに明るい雰囲気というよりは神社の木陰みたいな雰囲気だ。


「雰囲気づくりですか…。」


「もうちょっと電気つけたらどうでしょう。」


(えーやだなぁー。)


俺はやっと明るくなるのかって嬉しいけどね。


「電気に関しては電気代を考慮してつけてないところがあります。」


「電気代に関しては政府が負担してますよ。」


「…。」


「いつまでも暗い雰囲気で仕事はできませんから、これを期に明るい雰囲気にしましょう。分かりましたか?」


「はい…。」


(暗いところに生首のマネキン転がってるじゃん。)


鈴木は、目が潰れるくらい明るい職場にすることを決意した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


チリンチリンー


「あ、今日か。」


「こんにちはー」


聞いたことのない声がする。変に間延びした声。

どうやら、新しい人が来たみたい。


「こんにちは、ようこそ2号店へ!」


「歓迎ありがとうございますー」


どうやら女性の方のようだ。とりあえず入り口に向かう。


(ん、お客さん?)


たく、話聞いてないなら話しかけてくんな。


「あなたですねー、2号店の人はー」


「はい、そうです。鈴木優人と言います。」


「自分は麻績結希と言いますー、よろしくお願いしますー」


「よろしくお願いします。」


長めの髪で、顔立ちは元気なお姉さん、いやお姉ちゃんといったところか。身長はかなり高い。そして、服装はもちろんスーツだが、何やら左肩に鎖を巻きつけているようだ。


「あの、その鎖は何ですか?」


「あぁ、これですねー、これはですね、自分の武器ですー」


「武器?」


鎖鎌みたいなもののようだ。


(何か鎖の先についてるねぇ。鎌というよりは短剣。)


「見せたほうが早いと思うのでー、ちょっと待ってくださいねー」


というなり、肩の鎖を解き始めた。


「よし、あのマネキンて何してもいいですかー?」


「あぁ、あれですか?いいですよ。」


例の生首マネキンである。今は棚の上に避難されていているが、眩しそうに光の方向を向いている。


「よいしょっと…」


直後、ビュン、と音がしたかと思うと…


「お、刺さったっぽいですねー」


すごい勢いで飛んでいった鎖、の先にある短剣の

ようなものが、マネキンの目にぐさりと命中している。と思ったら、またすごい勢いでこっちに戻ってきた。

あれ、この光景どこかで…。


「あいたっ!」


「あー、すみませんー!盛大に当てちゃいましたー!」


あ、頭にクリーンヒット…。う、フラフラする…。


(大丈夫かーい?弱いねー、君は。)


黒眼のやかましさに顔をしかめつつ、痛い頭を抱える。


「ちょ、ちょっと座ります…」

「本当にすみませんー!」


人に対して批判的にはなりたくないけど、

俺が座ったのを確認したら、彼女はそそくさとマネキンを外し始めた。

もうちょっと心配してくれてもいいのに。


「あれ、また鎖巻くんですか?不便じゃないですか?」


「あぁ、鎖を肩に巻くの気に入ってるんですよー、ヘビみたいで可愛くないですかー?」


「え、うーん。」


何となくガラガラヘビに見えなくもない。


「言われればヘビにみえるかも…?」


「ですよねー、可愛いでしょー」


それはヘビが可愛いと思う人間じゃないとたどり着けない思考だと思う。


(可愛いけどな、ヘビ。暗いところが好きなのも僕とそっくり。)


そうですか。


「なにはともあれ、これからよろしくお願いしますー」


「あ、はい!よろしくお願いします!」


(さて、どうなることやら。)

名前の由来

麻績結希…糸糸糸、じゃじゃーん!まふらー!


独特な喋り方ですが、あの伸ばしがないと結構早口

みたいですよ。


そうそう、あの鎖剣、ちょっとした特徴があるようです。いつか分かると思いますよ。


麻績結希(ませき?ゆき)

女性。年齢は20代(年齢は気にしないタイプ)。

鎖は友達。友達をぶん回している。

人間の友達も結構いる。たまに遊ぶ。

得意料理はない。好きな食べ物は焼き肉。

(この物語の作者は麻績の読み方を忘れた。)

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