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街角異変調査屋 ―2号店―  作者: おいなり
1/3

報告書0. 

※物語は鈴木優人目線で進みます。


前回のあらすじ


街角異変調査屋に、新人が入ってきた。

鈴木優人というらしい。

そして、上司の名前は緑塚蒼仁。

2人にどのような異変が迷い込んでくるのだろうか?

(作品説明の中のあらすじ参照)

「よろしくな、鈴木。」

そう言うと上司の緑塚さんから、名刺が渡された。緑と青を基調としたデザインだ。名前の通り、なのかもしれない。

「よろしくお願いします。」

そう言うと、自分も名刺を渡した。なんてことのない、普通のデザイン。名前も鈴木優人。何処にでもいそうな名前だと、自分で思っている。

「さて、突然だが質問だ。鈴木、仕事の経験は何かあるか?」「接客業を少し。」

本当に、少しだけ。なのだが。

「ふむ、そうか。…次の質問だ。この仕事の内容を、正確に、知っているか?説明してみろ。」

そりゃもちろん分かっている。

「はい、分かりました。」

簡単にまとめるとこんな感じ。

時々、人々からの「異変解決願い」が

届く。内容は裏山から毎日変な声が聞こえるだの、

たまに空が黄色く見えるだの、地元の街灯がほとんど消えてるから電気をつけてほしいのに、「整備してあるから、毎日電気はつけてるぞ」と役所に言われただの、「クレーム」としか思えない内容だ。

その「クレーム」が集まった「異変解決願い」が数年間続けて送られることがある。

その時には正式に「異変」として、「街角異変調査屋」が解決に乗り出す。というわけだ。

報告される異変は意外と数が多い。一カ月に少なくとも2〜3回は異変調査に行く必要があるそうだ。

「まぁ、大体合ってるな。ちゃんと予習してきたのか。」「はい、もちろんですよ。」

「だが少し抜けている事が有るぞ。」そう言うと、

緑塚さんは暗い顔をして言った。

「調査が必ず安全とは限らない。地理的要因、環境的要因、そして、異変そのものだ。」「え?」

「何が言いたいかというと、調査は必ずしも安全では無い、ということだ。」

緑塚さんは更に顔を暗くした。

「1回外に出るぞ。ついてこい。」

頷く間も質問する間もなく緑塚さんは靴を履いて歩き始めた。慌てて外に出る。

「今まで、俺の部下は何人もいた。そして、何人も、」

しばらく間があった。

「家に帰ることができなかった。」

無言で歩き続け、墓場についた。広い。

緑塚さんは受付をすると、「こっちだ」と

墓場に入っていった。

「異変というのは、必ず元凶がある。そして、多種多様だ。危険なものもある。」

「…」

「その中には、人が死ぬような強力な異変もいる。決して少ない数でも無いのが厄介なんだよな、」

緑塚さんは墓の一つに花を置いた。さっき受付で

一緒に買っていたものだ。

「異変として見えていた物の影響は少なくても、

元凶が強力になっていたりする。やられるのは、

そこで油断する弱いやつだけではない。」

緑塚さんは長く息を吐いて続けた。

「来て初日にこんな事を話してすまんな。

…今まで何人もの部下が死んでいった。これ以上は

俺も耐えられない。せめて、お前には死なないでほしい。」

「…心配しなくても大丈夫です。僕だって、戦えますから。だから、ここにいます。」

そんな事は今まで緑塚さんといた人達も同じだろう。そう思ったが、これ以上言葉を続けれ

無かった。

「…そうか、期待してるぞ。」

思ったよりも、優しい顔で笑っていた。

名前の由来

緑塚蒼仁…緑塚さぁん!


鈴木優人…名前の通り。何処にでもいそう。

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