情報共有会議
怪物を捕らえてから一週間後の午前。
植物研究所の怪物がいる部屋に、再び招集された。
今回は半円状に椅子も用意してくれていたので、一番右端の席からテオ、リュカ様、イリスと並んで座った。
真反対側には研究所の所員たち、そして陛下の補佐が二人座っている。
目の前には、まだ生きている樹と、すっかり萎れている樹が置かれている。萎れている方は、生命力をまるで感じない。おそらく死んでいるので、怪物を倒す手がかりが掴めたのだろうと察せる。
すぐに宰相様と騎士隊長、ベルガ殿下と補佐仲間たちも入ってきて、それぞれ適当なところに腰を掛けた。
イリスの隣には、今日はまだ会っていなかったグレイさんが来たので、「お疲れ様です」と声を掛け合った。
それなりに人数がいるが、広い部屋なので圧迫感はさほどない。
真ん中の方にベルガ殿下、その両隣にヘルンさんとダイさんが座った。
緊張感のある空間で、腕を組んだいつもの無表情の殿下が口を開いた。
「怪物関連の情報共有会議をする。まずはリュカ。黒体病の方で何かあるか?」
「こちらはまだ解析中ですが、やはり幹にも実にも、独自の毒のような成分はあるというのは確実になっています。その成分が体に入ってから、早い人で数十分で死ぬので、解毒薬よりは予防薬の方が確実だろうと、そちらの方針で進めています」
王立病院は院長の件で落ち着かないながらも、研究室の方では着実に解析を進めているらしく、つい先日もリュカ様宛に解析の報告書が届いていた。
リュカ様がそれを見ながら何やら長考していたのを、テオと見守ったりしていた。
「そうか。新院長の方はどうなっている? 病院のことにどの程度こっちが口を挟めるのか知らねぇが、また変な奴が就任する前に、イリスに見せた方が確実だろ」
「新院長については副院長を最有力として、まだ数名で揉めているようです。イリスにその候補者たちに会わせて、また悪人がいれば証拠を掴んで弾きます。イリス、良いですか?」
「了解です」
ここにいる人たちは、ハイター院長の話はすでに知っている。皆、頷きながら聞いていた。
「分かった。次、植物研究所から。ヘルン、俺らに分かるように端的に話せよ」
「はいよ。ハイター院長の持っていた本などからいろいろ分かりました。こちらからは四つ報告します。一つ目、怪物の封印についてです」
院長の本にはしゃいでいた時とは真逆の顔をしているヘルンさんは、頭の中を整理するように冷静な口ぶりだ。
「怪物は約七百年前に、当時の強力な呪術師によって封印されたそうです。その封印はハイター院長が解きましたが、もともとその封印も七百年くらいで限界だったようです。つまり、どちらにせよ怪物はもう現れたということです」
聞きながら、少し違和感を感じた。あの本は院長室に忍び込んだときと、院長を捕まえた帰りの馬車で少しだけ読んだが、ほぼ全ページ怪物の生態について書かれていた気がする。イリスが読んでいなかっただけで、封印についても書かれていたのだろうか。
何にせよ、怪物の出現が完全には院長起因ではないなら、真面目なリュカ様が変に責任を感じたりしなくて済むかもしれない。
院長の悪事を話した時もリュカ様は冷静だったが、少しでも気に病むような要素は減らしておきたい。
ラシュハの怪物が封印されていたのなら、二百年前の普通のラシュハの樹がどうやって現れたのかは謎だが、同じ樹でも別物なので、その辺はあまり重要ではない気はする。
他の人たちも「まぁそういうものか」という様に大きな反応はしなかった。
手袋をしたヘルンさんは立ち上がり、真ん中に置かれていた、生きている方の樹に近づいた。
「二つ目。怪物の弱点が分かりました。この、幹の一番上の部分に、怪物の核……心臓のような物があります。これを壊すことで怪物は死にます」
ここ、と指で示されたのは、枝と境目ともいえるほど幹の上部だった。輪切りにされたその幹の中のど真ん中に、拳ほどの大きさの、硬そうな青い石のような物があった。
「検証のため、こちらで一つは壊したのですが、ご覧の通り、怪物一体が死にました。核の強度はそんなにないので、ちゃんと力を入れれば私の力でも壊せました。ただし、ひび程度では駄目で、しっかり割らないと死にませんでした」
核を壊された方は萎れ切っている。あれだけ忙しなく動き続けていた枝も、もうまったく動いてない。
「核を壊すだけなら銃とかでも良いんだろうけど、あの怪物のクソ早い動きじゃ当たんなそうだなぁ。あいつ爆弾とかでも避けそうだし」
ダイさんの呟きに、隣のグレイさんが静かに頷いた。彼らがそう言うなら、接近戦が最も現実的なのだろう。この怪物はつくづく厄介だなと思う。
ヘルンさんはそのまま席に戻るでもなく、怪物から少しだけ離れたところでこちらを向き直った。
「三つ目。これは本の情報なので実際は分かりませんが、タダの実の色によって、敵の強さと数が違います。一番弱い実の色は黄色で、数も多数。二番目が紫色で、その数は確認できているのが四体。そして一番強いのは黒色で数は一体だけ。つまり、黒はボスですね」
無闇に戦うのが一番疲弊するので、分かりやすいボスがいるのはまだ良かった。だが、このタイミングで宰相様や騎士隊長の目線がやや落ちたのが気になった。
「紫が本当に四体なら、一体は俺とグレイで倒してはいるから、残り三体か」
「そうなるね。あ、そうだ。樹の拠点と言い切って良いかは分からないですが、怪物の封印はエシェカの森の中心にある湖の近くだったらしいので、おそらくそこが最も危険な場所だろうと推測しています」
「俺たちもその辺りで、この怪物たちと会ってるしな」
ダイさんが皆に状況をまとめるように相槌を打っていて、さり気ない気遣いも上手いなと思う。
ヘルンさんは少しだけ頬にかかっていた茶髪を耳にかけ直した。
「四つ目。その黒色の実をつけたボスは、とんでもない強さだそうです。本によると、ボスは紫の怪物の二十体分とのことです。遭遇したらほぼ確実に死ぬと思った方が良いと思います。……我々からは以上です」
部屋の空気が凍った。
イリスも、さすがに困惑した。紫でもダイさんたちが苦戦していたのに、黒はもはや絶望的だ。
補佐仲間の皆もそれぞれ眉間に手を当てたり、口をぽかんと開けたりしている。
だが、隣のグレイさんは黒い怪物の話を聞いても、動揺していない気がした。
非戦闘系の方達が心配そうにする中、冷静さを失わないヘルンさんが席に戻った。
「黒い実の怪物の話は、一部の奴は先に聞いていた。先日、これも踏まえて陛下や宰相たちと会議をして、怪物の討伐を専門にした部隊、『対樹部隊』を作ることになった」
静かだが堂々としているベルガ殿下が、再び口を開いた。
「これは今の所属を問わず、陛下から任命を受けた、怪物に対抗できる奴が入る。このメンバーの中だと、今時点でダイ、グレイ、騎士隊長、それと俺も入ることが決まっている。当然、黒い怪物も相手するから死ぬ覚悟でな」
一瞬、思考が止まった。グレイさんたちが死ぬ……?
話を受け止めきれず、慌てて隣のグレイさんの服を掴むと、とても困ったような弱い微笑みを向けてくれた。
「グレイさん、死んじゃいます……」
「僕たちは怪物と戦って生き抜いた実績を作ったので……もう、陛下の任命を受けてしまいました」
返す言葉が見つからず、困惑を宿した瞳を見ることしかできない。
ベルガ殿下とダイさんについても動揺はしているが、イリスが一番焦っているのはグレイさんだ。
彼は絶対にまだ死ぬべきではない。まだ若い命なのに。この人の身は守りたい。でも陛下の任命を跳ね除けることはできない。どうしたらいい。
「ちょっと待ってください。ほぼ確実に死ぬという話で、ベルガ殿下が参加するのですか……!?」
焦った声が聞こえ、グレイさんと共にそちらに目を向けた。服を握っていた手はそっと離し、膝の上に戻した。
声の主は、よくベルガ殿下の執務室への御使いに来る陛下の補佐だった。
いつも冷静な、おそらくベテランの彼は、初めて見るとても困った顔をしていた。
「これも陛下の任命だ。王子は俺の他に四人もいる。そっちは何とかなる。俺は国の中でも強い方だろ。そして俺の仕事は国を守ることだ。ここで動かなくてどうする」
「そう、ですが……!」
陛下の補佐は悔しそうに、言葉を詰まらせた。王子でも戦場に出るのは他国でもよくあることだが、それが身近な人となると抵抗があるのは分かる。
向かい側の所員の方達や、位置的に見えづらいが補佐仲間の皆も、殿下たちに心配や混乱の顔を向けているようだった。
部屋全体が困惑と絶望感に包まれているが、殿下はいつも通りにしている。むしろ、本領を発揮できるからだろうか。生き生きしているようにさえ見える。
イリスとしては、ベルガ殿下が現場に出るなら心強いことこの上ない。だが死んでほしくないという思いも当然ある。それは、個人的にも、リュカ様たちのためにも。
隣で少し俯いているリュカ様は、膝に置かれた手を握りしめていた。テオが心配そうにリュカ様を見ている。
「対樹部隊は立候補でも、所属の上司に許可を取れば入れるが、やりたい奴はいるか?」
殿下の言葉の直後に、左右から手が伸びてきた。
「え……」
左隣のグレイさんが、ベルガ殿下の方を向いたまま、膝に置いたイリスの左手を押さえた。
右隣のリュカ様は、とても真剣な顔でイリスの目を見つめながら、右手を押さえている。
言葉にこそされていないが、明らかに二人から「手を挙げては駄目だ」と言われている。
対樹部隊に入ったら、グレイさんたちを生き延びさせる確率を上げられるかもしれない。国民を守れるので、ベルガ殿下やリュカ様たちのためにもなる。
今は積極的に死にたいとも思っていないが、いつ死んでも良いという思いは消えていない。これで死ぬのは合理的な人生の終わらせ方だと思う。
そんなことを考えている間も、両手はしっかりと押さえられている。
さすがに、ほぼ確実に死ぬと言われて手を挙げる人はいない。補佐仲間たちが手を挙げなくて良かったとホッとした。
「対樹部隊が動き始めたら、俺の補佐によるエシェカの森の見回りはやめて部隊の方で対応していく。ただし、通常業務として森に行かせることは今まで通りある。そこで怪物に遭遇したら倒せ。いいな?」
『了解です』
ベルガ殿下の補佐全員の返事に、宰相様や所員たちが少し肩を揺らした。右手を握るリュカ様の力が強まった。
「対樹部隊の隊長はダイだ。今後、この部隊とは別でエシェカの森に見張り番をつける。建物の上から常時、森を見張らせて怪物を見つけたら煙を打たせる。それを合図に部隊の奴が森に駆けつける」
殿下は補佐たちが手を挙げないことには気にせず、話を続けた。それでも両手は押さえられ続け、会議が終わるまで、この状態だった。
絶望感に溢れた会議が終わると、ちょうど正午の鐘が鳴った。昼休憩を楽しむ空気でもないが、部屋にいた人たちは、それぞれ伸びをしたり、近くの人と話したり、退室したりして寛ぎ始めた。
グレイさんは補佐仲間に囲まれて心配されている。対樹部隊入りを悩んでいる人をグレイさんが止めているのも聞こえた。
手を解放されたイリスは、対樹部隊のことが頭を回って気分は落ち込んでいたが、とりあえず立ち上がった。だが、考え込んでいるリュカ様に何と声を掛ければ良いか分からず、テオと顔を合わせた。
テオと目で会話をしていたら、ダイさんたちと話していたベルガ殿下が軍服のような黒い服を揺らして、こちらに近寄ってきた。
「リュカ。このメンバーが揃っている機会に、このままトップの奴で、話を詰めがてら昼食を食うことになった。お前も来い」
「分かりました」
ダイさんに肩を組まれたリュカ様たち見送り、補佐仲間たちと「また後で」と手を振り合って、イリスとテオは食堂へ向かった。
「あ……今日はリュカ様がいないから、また囲まれるかなぁ」
「じゃあ、食堂で昼食は買って、食うのは中庭にしようぜ。あそこもベンチとかあるし、人は少ないぞ」
「中庭もあるんだ。そうしよう」
今日はテオが昼食を奢ってくれ、買ったものを持って彼について行った。
中庭は初めて来たが、正面の門から近いこちらは明るい黄緑色の葉をつけた樹が多く、綺麗な花も多く咲いていて、裏庭よりも明るい印象だ。
曇り空でも太陽光が差し込むので、木の陰にあるベンチに並んで座った。周りに人がいないため、テオと二人きり状態だ。
「中庭も良いね。明るいし、風は爽やかだし」
「だろ? 知名度とか立地的にも、裏庭よりこっちで休憩する奴が多いと思うぜ」
「でも裏庭には癒しの庭師さんとロトがいるから。あの静けさも良いものだから」
「何だその対抗心! 裏庭も良かったけども! もー、早く食おうぜ」
ほら、と買ってくれたサンドイッチを渡された。テオも自分の分を手に持っている。
「ありがとう。ねぇ、サンドイッチ二つずつ入ってるから半分こしよ」
「いいぜ。ほらよ」
「はい、こっちのも。……わ、すごい美味しい。外だとより美味しい気がする」
「何か、ピクニックみたいだな。うまっ」
先ほどまで気持ちが落ちていたが、食べているうちに少し元気も出てきて、やはり人と食べる美味しい食事は良いなぁと思う。
二人とも食べ終わり、穏やかな空気でぼんやりしていたら、テオに先ほど考えていたことを聞いてほしくなった。
「ねぇ、テオ。ちょっと聞いてほしいんだけど」
「うん。何だよ?」
イリスは対樹部隊に入ることになったグレイさんへの心配を素直に話した。テオは上手く相槌を打ちながら聞いてくれた。
「なるほどな。グレイって人を生かしたいんだな」
「そう。グレイさんは良い人だし、大事な先輩だし、人生二回目の私より先に死んでほしくないの」
「んー、つっても陛下の任命は断れないからなぁ。お前が頑張るにも、対樹部隊には入らないんだろ? 両手を押さえられてたもんな」
「リュカ様と、そのグレイさんに押さえられたからね。直接は守れないし、そもそも怪物相手にどれほど私が戦えるかも分からない。今の仕事を頑張るしかないのは分かってるんだけど」
「まぁ、そうだな。正直、俺としてはダイさんを真っ先に心配したよ。一番近い存在だからな。でも、人生二回目の人より一回目の人に生きてほしいって言うのも分かるぜ。何つーか、俺もその人たちを見守っている感覚はあるんだよな」
その心配もよく分かるので、深く頷く。そして、やはりテオは理解してくれる。人生二回目の人たちは一緒に戦える仲間、一回目の人たちは守る対象という感覚なのだ。
「あとベルガ殿下もね。殿下も私にとって大事な人だし、殿下が死んだらリュカ様たちも悲しむよ」
「そうだよなぁ。お前もだけど、リュカ様も会議中しょんぼりした感じだったし。そもそも普通に、第一王子が死ぬのはかなり避けるべきなんだけど、これも陛下の任命って言ってたからな」
「もう、本当に困っちゃうね。そうされたら、どうしようもないじゃんね」
モヤモヤをぶつけるように、ベンチの背もたれに体を預けた。曇った白い空に、黒い鳥が通り過ぎていくのが見える。
「お前がそんなに考えていたとは思わなかったわ。たしかにグレイの袖を掴んでいたけど、顔とかは俺からは位置的によく見えなかったし」
「うん? あぁ、あんまり言ってないかもだけど、大事な人の身のことはいつも考えてるよ」
「あー、お前って素直だけど、意外と自分の思いとか言わないよな。何で今日は話してくれたの?」
「テオには話したくなったの。信頼ですよ」
「そうかよ」
少し照れくさそうなテオは、イリスと同じように寛いだ。今世での初対面の時から、テオの滲み出る人柄に何でも言えると思っていたから、こういう話もできる。この人がいてくれて良かった。
「……あ。そういえば、ダイさんの恋、どうなるんだろうね。ミモザ様にしろマルちゃんにしろ、死ぬと言われて進めるのかな」
「たしかに。うわ、タイミングが……ダイさんは『その場だけの恋も良い』みたいなことを言ってたから、進めんのかな」
「それもまぁ、相手も良いなら言うことはないけど。ミモザ様が泣くことになったら、いよいよ宰相様が出番だなぁ」
「ってかお前、何でそんなうちの人たちと仲良くなってんだよ。俺が知らないうちに、すげぇ輪に入ってるじゃん」
テオが少し拗ねたようにこちらを見た。言うほど輪に入っているか謎だし、彼のテリトリーを荒らしたつもりはないのだけど。知らない間に、というのが寂しかったのかもしれない。
「宰相室に行ったら何かそうなったんだよ。というか夜だったのにテオがいなかったんだけど。私がそっち行くときは常にいてよ、もう」
「先触れなしで、いつもいるのは無理だろ、俺も城内のいろんなところに御使いとか行ってんだから! もー、俺にはわがままなの何?」
「信頼ですよ」
「本当か!? それ便利な言葉として使ってないか!?」
信頼は本当だけど、テオの反応が面白くて笑ったイリスに、彼は「しょうがねぇな」と面倒見の良いお兄さんのような顔を向けてくれた。
その後、虫が向かってきたテオが庭を走り逃げ回る様子にもだいぶ笑ってしまい、「こいつ、本当に!」と怒られつつリュカ様のところへ戻った。
夜、ヘルンさんが家に来たので、夕食に鶏の香草焼きを作った。彼女はこれが好物らしく、大変美味しそうに食べてくれた。
食後にお茶を淹れ、満足気なヘルンさんとソファで寛いだ。
「いやー、本当に最近は頑張ってるわ。今日は会議でも昼食でもめっちゃ喋ったわ」
「ヘルンさん、かなり真面目モードでしたね。あ、そうだ。怪物の封印が七百年くらいで限界って本当ですか?」
「ん? あぁ、それは嘘。そんな記載は見つかってないよ。けどほら、この一連の騒動が院長が起因とするとリュカ様が責任感じちゃうかもじゃん?」
「あ、ですよね。さすがヘルンさんです」
「そうそう。あと、イリスもね」
「え?」
何故か名前を挙げられてきょとんとするイリスに、ヘルンさんはからかうように目を細めた。
「イリスは優しいから、リュカ様のそういう気持ちの面も気にするだろうって、ベルガたちと話してたの。実際、気にしてたみたいだし!」
こういった考えもお見通しのうえで、上手く対応してくれたということか。この人たちは本当に頼もしい。
「優しい……。ありがとうございます」
「ふふっ、伊達に付き合い長くないからね」
茶目っ気のある笑顔を向けてくれるこの人のために、また鶏の香草焼きを作ろうと、そっと決めた。




