真珠と涙
「ふ……♡ぁ……♡」
閉じた扉のすぐそばで、せきたてられるように深く口づけあう。ふたりは、アシュフォード邸に着くなりルシナの部屋に引きこもった。ときおり離れる唇の間を熱い吐息がなでる。
「は♡……ん」
ルシナがふとももを擦りあわせるのをコーネリアスが目ざとく見つける。
「さわってほしいのか」
「……ぅ、うん」
小さく返事すると、まつげがふれそうな距離でじっと見つめられる。
「……っ」
ルシナは彼の意図を察して、そっとスカートをたくしあげた。すでにグズグズになったそこは、ガーターストッキングにまで粘液が伝っている。
「……ぁ」
「キスだけでとろとろにしたの?」
コーネリアスが甘ったるく笑う。羞恥でさらに顔を赤らめてどきどきしているルシナ。割れ目に彼が指を這わせた。ぴく、と震えた彼女は彼の腕にしがみつく。
「ゃっ……あ♡」
「ちゃんと自分で持て」
ルシナの形だけの抵抗をいなしてスカートをまくらせると、秘部をゆっくりなでまわしながら、コーネリアスは取りだした自身もいっしょに擦りあげはじめた。ルシナの目は釘付けになる。
――今からこれで……♡めちゃくちゃにされちゃう……♡
うっとりしていると、コーネリアスがルシナのふとももを片方持ちあげた。反り返ったものが蜜口にくちゅ……とあてがわれる。肌の上をねちっこく往復するように彼が腰を動かすと、ルシナは身体を支える足の力がぬけて自然とそこを押しつけてしまう。
「ん……♡挿入っちゃう……これ……♡」
「そうだな」
「あ♡~~~~っっ♡」
ぬぷ……とすんなり埋まっていくそれで、泣きそうな声を漏らすルシナ。コーネリアスは息を短く吐いて、ぐっと眉を寄せた。
「あっつ……とけそ……」
「ふー♡ふー♡ぜんぶ、はいった……?」
「まだだよ。素直で可愛い妻にはやさしくしないとな」
「あ♡」
可愛い、だって……♡
きゅぅぅっ♡と締めつけてしまうと、彼が小さく唸った。
「……ッ、こら、ちょっと力抜けっ……! ゆっくりできないだろ……っ」
「いい、の……♡コーネリアス――」
蒸気した顔のルシナが彼の首に手を回した。
「はやく、きて」
「~~~~ッッ、この」
「ひゃっ」
ばちゅん、とおしりを丸ごと持ちあげられ思いきり貫かれた。
「~~~~♡」
「このすけべがッ!」
「んっ♡ぁんっ♡ふかぁ~~♡」
串刺しにされてる……♡おなかきゅんきゅんするぅ♡
身体を支えるのはつながっているところだけで、べったり抱きしめられて上下にゆすぶられると、目の前がチカチカして思考が霞んでいく。
「はぁ……っはっ、吸いつきすご……♡動きづらいだろっ!」
「あぅぅ……♡ごめんなさぁい……っ♡あぐ♡いく♡いくいくぅ……♡」
叱りつける声も甘くて、ルシナは浮いた足をびくびく震わせた。
「ふぁ~~~~♡」
「うっ、ぁーー♡悪い、俺も、いっかい……」
ぐっと境目がなくなるほど肌がくっつく。
「しっかり掴まってろよ」
「ひ、」
容赦なく下から打ちつけられて、ルシナは泣きじゃくった。
「ぁ♡あ~~~~♡」
だめ♡だめ♡ぴすとんはやいぃ♡♡♡
「く、ぁ」
耳元でコーネリアスが呻くのと同時にナカのものがドクドクと脈打つ。
「ふ♡ん♡はぁ……♡」
「はーーっ♡はーーっ♡」
ふたりの荒い息がまじる。ルシナがぼーっとしている間に、コーネリアスは彼女を抱きかかえたままベッドに向かった。ようやく腰をおろすとルシナと向き合う。
「ふーー……、つらくないか」
「ん、だいじょうぶ……♡」
息を整えている間もつながったままのそこがじんじんうずいた。コーネリアスはルシナのつむじに軽くキスを落としながらコルセットの紐を器用に解きはじめた。黙ってされているルシナだったが、ふと視線を落とすとスカートの赤い染みが目に入る。
「……ドレス、汚しちゃってごめんなさい」
「どうして謝る」
「きれいなところ、もっと見てほしかったから」
コーネリアスはルシナのグローブを引き抜きながらあらわになった腕に口づけた。
「――これくらいで君が美しいことは変わらない」
「……っ」
かぁぁっと赤くなるルシナの首にコーネリアスが吸いついた。
「汚れも……飾りすらも君自身を何も変えはしない。めかしこんだ姿も好きだけど、ありのままの……俺だけのルシナが一番好きだ」
コーネリアスがバサッと剥ぎとったドレスをベッドの下に投げやる。これ以上ないほど赤くなったルシナはしどろもどろに口をひらく。
「ん、ありがとう……あっ」
パチン、とシルバーの首飾りがすべり落ちる。彼が外したのだ。
「あ、あの……っ、真珠は取らないで……っ」
「……」
「これ、すごくきれい。すごくうれしい。ありがとうございます」
涙目で微笑むと、すぐさま彼に唇を奪われた。やわらかい舌が追いかけてきて整えた息がすぐにあがる。
「ふ……♡ん……♡」
「ルー……」
コーネリアスがルシナの手を導いた。
「俺のも脱がせて」
「……っ♡」
ルシナが赤くなった指先をおずおずと彼の首元にのばす。彼女がぎこちなくスカーフを外している最中に、コーネリアスはゆるく腰をゆらした。
「ぁ……や……♡」
すぐに快感を拾いはじめる身体をなんとか押さえて、スカーフを取り去るルシナ。つづけてシャツのボタンに手をかけた。すると、コーネリアスはルシナの胸の先をくにっとつまんだ。
「あっ♡ぅぅ……♡」
「ほら、はやく」
やさしい手つきで虐められると背中が反る。
「あは、とろけた顔して……ほーら、がんばれ♡」
「ん、はぃぃ……♡」
胸を弄ばれながらも、震える手でボタンをひとつ、またひとつと外していくと、彼のたくましい胸元があらわになる。
「ん、ありがとう♡がんばったね♡」
ぴん♡と先っぽをはじかれて、ぽろっと涙がこぼれた。
「ふぇ……っ♡んっ♡」
「泣いちゃったの、ルー? 虐めすぎたかな」
シャツを投げ捨てながらしれっとつぶやくコーネリアスだが、休む暇も与えずぐいっとルシナの膝を立てさせた。彼はシーツに寝そべって、やたらとやさしい笑みで口をひらく。
「自分で動いてごらん。楽にしていいよ」
「ぇ……」
「手、つないでやるから」
きゅっと指をからめられ、彼にまたがる格好にされたルシナは困惑した。
「きれいなところ、もっと見せて」
「……っ」
片手でおしりをふわりとなであげられたのが合図のように、ルシナの腰はひとりでにゆれだした。
言うこと聞いちゃう……♡恥ずかしいのにぃ……っ♡
「は……♡んっ♡ぁ……♡あっ♡」
ぱちゅぱちゅ……と律動は浅くよわよわしく、彼のものをぐっぽり咥えこんだおなかはボコっと膨らんだまま。じっと見つめてくるコーネリアスの瞳に宿った凶暴な欲で、ルシナの肌はぞわっと粟立った。それでも彼の声は脳にこびりつくほど甘い。
「腰ふりヘタクソだけど、可愛いよ♡」
「ごめん……っ、なさいっ♡」
「んーん、ぜんぶゆらゆらしていい眺め♡おっぱいも、真珠も……きれいだね」
「ん♡ん♡」
小さい波が何度も訪れるが、ルシナはもどかしそうに眉を寄せた。
「こーにぃ……っ」
「なに?」
「うまくできないぃ……っ♡奥、せつないの♡おねがい……♡」
瞬間、どちゅん♡と一気に押し上げられて、しびれる感覚が全身を駆けめぐる。
「~~~~っ♡きたぁ……♡」
「ほしがりだなっ♡」
細いくびれをがっちりと掴んだコーネリアスが下からガンガン突きあげる。
「あっ♡あっ♡あ~~~~♡でちゃうぅ~~~~♡」
結合部からぷしっぷしっ♡と小刻みに吹きこぼすと、ナカのものがぶるっと震えて膨らんだ。
あ♡これ♡また出されちゃうぅ……♡
「すきっ♡すきっ♡コーニー♡すき~~っ♡」
「ぅ、は、くそっ」
一層早くなるストロークに、ルシナはぞくぞくとのけぞる。コーネリアスが低く唸った。
「う……っ」
びゅーーっ♡と勢いよく熱い濁流がルシナを穿つ。大きく深い波がゆっくりと脈打ち、頭の先までぶわっと広がる。声も出せずにぺしゃっと頑丈な胸板に倒れこむルシナ。コーネリアスは、どろりとした目で朦朧としながらも彼女を抱きとめた。
「ぉーー……♡まだ出る……」
ルシナのおしりをぎゅっとつかみ、小さくゆすってものをしごく。どぷ……♡と最後の一滴まで奥にこすりつけるような腰づかい。
「ぁーー♡ナカ甘えてきて……♡可愛いなぁ♡」
「~~~~♡」
頭だけあげてルシナがふやけた声を出す。
「コーニー♡ちゅぅ、して……♡」
「ちゅー? おいで♡」
ぎゅむっと抱きしめられて、何度もキスを交わす。ずるっとものが抜けてぽってり空いた穴から、こぽ……♡と種がしたたる余韻が吐息を甘くする。
「へぁ……♡あふ……♡」
「ルシナぁ……♡」
「コーニー……♡」
ふとももの隙間でふたたび芯を持ちはじめる幹に、ルシナは気を取られた。
「ぁ……♡もっかい……?」
「んーん、おしまい。疲れただろ……ぜんぜんやさしくできなかったし」
「……」
ルシナはコーネリアスの首からさがったペンダントトップにぴとっと頬をつけた。熱くなった金属が不思議と心地いい。
「……いいの。いじわるも乱暴なのもやさしいからいいの」
のそっとけだるく身体を起こしたルシナは彼の頬を包む。
「嘘じゃないよね。コーネリアス」
「!」
ぽたっと落ちたルシナの涙が、はっとした顔のコーネリアスの顔を濡らす。
「憎しみもぜんぶ受けとめるから、それでも私が好きだって教えて――」
――ごちゅん♡
「きゃ、ぅ~~~~♡♡♡」
一瞬で世界が反転した。ルシナの身体を折りたたんでコーネリアスが荒々しくのしかかる。ぷっくり膨らんだ蜜口は剛直をずっぷりと受けいれた。
「ほんっとに……っ」
彼の苛立った声と、じゅぷ♡とつながったところから泡立つ音がルシナのぼぅっとした頭に響く。ずろろ……♡とギリギリまで引き抜かれると、こぷこぷ空気が漏れる。
「はぅぅ……っ♡」
「ほら、見えるか。どろっどろで真っ白……♡」
「ん……♡」
思いきりふとももを押しあげられれば丸見えになる。恥ずかしいところが彼のものにねっとり追いすがっていた。
「今から一番奥ブチ犯す。見てろ」
「ぅん……♡して♡」
「っっ……♡フーッ♡フーッ♡」
ぬぷ~~~♡とことさらゆっくり埋まるそれが、ようやくコツと壁に当たった。
これぇ♡きもちい……♡やっぱりやさしい……♡すき♡♡♡
「ぁ♡」
「フーーッ♡フーーッ♡」
ギラギラした目の彼が息を荒くしているのが視界いっぱいになれば、きゅんとたまらない気持ちになる。
「すき♡だいすきぃ……♡」
「フーー……、く♡」
ばちゅっ♡
あっという間に全体重で押しつぶされた。
「ひぎぃっ!!」
おなかぺしゃんこ……♡こじあけるみたい……っ♡
「やぁ~~~~♡だめだめだめぇ~~っ♡♡♡」
いやいやするルシナの脚を押さえつけて丸見えにしながらの重たいストローク。必ず奥をぐりぐり虐めて突き続ける。コーネリアスは喉を反らせてうっとりと目を細めた。
「ぉーーーー♡」
容赦ない腰は丸いおしりをベッドに沈めては弾ませた。ぱちぱちはじけるルシナの視界がしだいに真っ白になる。
「まだトぶな、よっ」
「あぐっ♡はやぃぃ……っ♡」
杭を打つような突き刺し。どんどん早くなる。
「ルシナっ♡ルシナっ♡はっ……く♡俺の妻っ♡俺だけの……っ♡ルシナぁ♡」
「~~~~♡」
「好きだ♡好きだよ……♡ルシナっ♡わかれよっ♡わかれっ♡」
「ん♡う……ん♡わか――」
剥きだしの感情といっしょにぶつけられる剛直。動くたびに上からぶらさがる彼のペンダントがルシナのやわらかい胸に当たって跳ねる。コーネリアスが眉を寄せて呻くころには、ルシナはすっかり意識を飛ばしてしまった。
✧ ✧ ✧
「ん……」
浅い眠りから目を覚ますルシナ。
「!」
目の前に彫刻のような裸体が見えて思わず息をつめた。
――コーネリアス。そっか。朝までいっしょにいてくれるんだ。
ふふ、とはにかんだルシナは彼の鼻をすりっとなでた。まだ朝は来ておらず部屋は暗い。身を起こして見渡すと、ぼんやりと部屋の惨状が浮かびあがる。
「……」
脱ぎ散らかした服が羞恥心を煽る。が、ふと一点にルシナの視線が注がれた。キルティングの腰ひもポケット――女性がスカートの下に忍ばせる小物入れだ。淡い夢のようにすぎた夜会のことがルシナの頭をよぎった。
――テオ・シャノン様。
目の前で跪いて話す青年がリフレインする。
✧ ✧ ✧
「貴女には私の秘密をお話ししましょう。今はこうしてアストニアに身を置いていますが……戦争に入る少し前までハンティントンで学者をしておりました」
「シャノン様はハンティントンの民だったのですか!?」
「いいえ、私は流れ者で。異国の史学には少しばかり通じております。それで――」
澄んだ瞳で見つめられて、ルシナは妙な緊張を感じた。
「ハンティントン王国の終わりには、よそ者ながら私も胸を痛めております。こうして王女殿下のお姿を拝見できて少しばかり慰められました」
「ああ、そう言っていただけると……」
「ひとつの国は失われましたが、王族の血は生きている。歴史を紡ぐのも追悼になるでしょう」
「ええ、そのつもりで勉強させていただいております」
あたりさわりのない相槌に努めるルシナだが、ドキドキと心臓が跳ねて背すじを汗が伝う。
――この人、まさか。
「ルシナ王女殿下。アストニアで集められるハンティントンの欠片で満足していますか? 貴女の事情を知った今……私ならもっと力になれるかも、と」
「……」
やっぱり。ゴーストの他に調べものの協力者がいても悪くない。サロンやら読書会やら遠回りせずにもっとダイレクトに情報を集めてくれる協力者。それに、勘が良くて慎重そうなシャノン様なら、私とコーネリアスの秘密が公にならないようにしてくれるかもしれない。だけど――
「今、返事をいただかなくてけっこうですよ」
ルシナの沈黙をシャノンは軽い調子で破った。
「ただ、貴女は誰かに許しを乞わねばならない方ではありません」
言いながら内ポケットを探るシャノン。取りだした鈍色の小さな金属。
「心を決めたときにこれをお使いください」
「? 笛……?」
シャノンがルシナの手をとって、紐のついた小さな笛を握らせた。
「旧ハンティントン領へご案内します」
ドクン、と大きく脈が鳴る。
私を直接旧領に――!? そんな大胆な――。
✧ ✧ ✧
シャノンから託された笛はキルティング生地の中に眠っている。
「……」
「……起きたか」
はっと振り返ると重たくまぶたをあけるコーネリアス。
「……はい、ごめんなさい、起こしちゃって」
「いや、水はいるか」
「ううん、大丈夫。もう少し寝ます」
ぽす、と横になると太い腕に抱き寄せられる。
――〝憎くて、好きだ〟。コーネリアスの中には葛藤がある。復讐が逆恨みだって、きっと彼もわかってる。それでも彼が愛する家族を失った悲しみは深い。心が壊れてしまうほどに。
ルシナは自分からコーネリアスの胸元にぺたりとくっついた。すっかり冷たくなった彼のペンダントの鎖が肌にひんやりふれる。
――完全に元通りにはならなくても、ゆっくり時間をかければ本来の彼が戻ってくるかも。彼は長い計画をやり遂げたばかりなのだから。なにより、初恋の思い出は嘘じゃないって言ってくれた。
じわりとくすぐったい気持ちがこみあげて、ふふ……と笑い声を漏らすルシナ。
「ルー……何考えてる?」
ちらりと見あげた彼は、ひどくやさしい顔つきをしていた。ルシナは首をのばして彼の喉にやわらかく口づけた。
「……貴方のこと」
今は――過去よりも目の前のコーネリアスに向き合いたい。もう一度、初恋を信じるために。
✦ つづく ✦
読んでいただきありがとうございます
内容的にはちょうど半分まで来ました
最後まで楽しんでいただけるとうれしいです




