合コン Ⅱ
優斗さんと二人で抜け出して、向かった先は見慣れないマンション。
私が不思議そうに優斗さんを見た。
「何処かの店入るのも良いけど、何処で客に会うか
分からない。だから、申し訳ないけど俺の家で飲み直そう」
「え?あ、はい」
私はそのまま着いて行く。
「ここだ、どうぞ」
「お、お邪魔します」
私は玄関で靴を脱ぎ、リビングへと通された。
「適当に座っててくれ、今飲み物を用意する」
「有り難うございます」
独り暮らしの男の人の部屋、つい色々と見てしまう。
けれど、綺麗好きなのか散らかってる様子は無く部屋自体もシンプルに纏められていた。
「男の独り暮らしの部屋が気になる?」
「あ、いえ‥‥‥そういうワケでは‥‥‥」
テーブルの上に綺麗なグラスに注がれたお酒を一口飲む。
「前に店に来てくれた時、君を見て可愛いなって思った。だけど君は葵さんとタツキと話しをしていた」
「あ、有り難うございます。あの時は葵さんが私の誕生日を祝ってくれたのです」
「そう、あの時俺も君におめでとうを言いたかった。それからは、中々来てくれないのは何故?」
「え、あ‥‥‥特に深い理由は有りません、私みたいなのが何度も足を運んでも良いのか迷って‥‥‥」
「気にする必要は無い、来たければ来れば良いさ。少なくとも俺は君が来てくれるのを待っている」
「あ、有り難うございます」
緊張のあまり何を話しているのか理解するのに必死、優斗さんは私に店へ来て欲しいと言っているのは分かった。
「今日は取り敢えずここでゆっくりと飲もう」
「はい!」
私は今を楽しむ事に専念した。
暫く二人でお酒を飲んで居たら、玄関が空く音がして誰かが入って来た。
「あれ?あんたは確か‥‥‥」
「上総、今日は泊まりじゃないのか?」
「兄貴が連れ込んだの?というか、今日合コンじゃなかったか?」
「合コン先で彼女に会ったんだ」
「‥‥‥お邪魔しています」
「兄貴、抜け駆けはズルいぞ」
「え?」
上総さん、今何と仰いましたか? 抜け駆け?どういう事?
「なんだ、上総も彼女狙いか」
「兄貴にだけは渡したくないね!」
え?え?私、上総さんとは殆んど話した事無いけど‥‥‥
「それはどうかな、彼女は俺が貰う」
ゆ、優斗さんも、私を貰うってどういう事?
「おい、次店来た時は俺を指名しろ」
「え、え? あの‥‥‥それは難しいというか‥‥‥」
「出来ないのか?」
私はどうすれば良いのか迷ってしまう。先日、ミヤビさんからも指名する様に言われたばかりだし、本当にどうすれば良いの。
「上総、無理に指名するような事言うな。彼女が困っているだろ」
「あ‥‥‥その、ごめん」
「いえ、気にしないで下さい」
「そう言えば、俺まだ名前知らないんだよな」
「あ、自己紹介まだでしたね。私は松原 美憂と言います」
「美憂ちゃんね、宜しく。兄貴、俺も一緒に飲んで良いか?」
「返事聞く前に飲み出すだろ、お前は」
プライベートととは言え、ホスト二人を前にして一緒にお酒を飲むのはやはり緊張してしまう。
普通の女の子ならイケメンに囲まれたと言って喜ぶのかな?
そんな事を思いながら私はゆっくりとお酒を飲んでいた。




