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久し振りのホストクラブ

合コンが合った日から数週間が経った。


実は優斗さんの家から帰った後、スマホを見たら愛里から留守電やメールが大量に来ていた。

私は適当な理由を付けて、謝りのメールを送った。


そして今日は、この前の合コンを途中で抜け出したお詫びとして、愛里と二人で愛里が紹介するホストクラブへ行く事になっていた。


「愛里、遅いな」


待ち合わせにしている駅前にある時計台の下で、私は愛里が来るのを待っていた。


「美憂、遅くなってゴメン」


「もう、遅いよ」


「仕事が長引いちゃってさ、あのセクハラ上司、今度何かしてきたら奥さんにバラしてやる!」


「はいはい、怒らないの」


私は愛里に対して苦笑いするばかり、私の職場は女性が多いせいか敵対心を持つ人達ばかりだ。愚痴を言ってるものの、それでも愛里の職場は楽しそうな事が会話から分かった。


「それで、今日は何処へ連れてってくれるの?」


「もうすぐ着くよ。ほら、あのお店だよ」


愛里が指差した先にあった店は、ホストクラブ “Doll”だった。


「え?」


「美憂、立ち止まって居ると置いてっちゃうよ」


「あ、待って」


入り口に居る男性に声を掛けて中へと通される。あれ?私が来てた時は居なかったのに、それとも時間帯の関係なのかな?


そう思いつつも、案内されるがままテーブル席に通された。


「紹介したい人が居るから待っててね」


そう言うと愛里は案内をしてくれた男性に何やら話しをしている。


暫くすると一人の男性が私達の席へとやって来た。


「こんばんは。愛里ちゃん、いつも指名してくれて有り難うね」


挨拶をしてきた男性は私の知らない人だった。


「美憂、彼はハヤトさん。ハヤトさん、彼女がこの前話していた友達の美憂」


「あ、初めまして。私 、松原 美憂と言います」


「美憂ちゃんね、俺はハヤト。 愛里ちゃんには何時も指名して貰ってる」


「そ、そうですか」


私達は滅多に頼まないワインをオーダーしつつ、ハヤトさんと三人で話しをしている。

でも、私は殆ど相槌を打つだけで、専ら愛里とハヤトさん二人だけが仲良く話しをしていた。


私は気付かれない様に他のテーブルに居る人達を見る。

回りに居る女性達はお気に入りのホストと中良さそうに話しをしている。そして何より、彼女達は私と比べ物にならない位綺麗だった。


「あれ?美憂ちゃん、ワイン減ってないけど大丈夫?」


「え? あ、大丈夫です」


返事を返すとハヤトさんは何事も無かったかの様に、愛里と話しをし出す。


『そう言えば、今日は葵さん見てないな。この席からだとカウンターがよく見えない』


私は葵さんの姿を探していたら、突然隣に誰か座って来た。

誰が来たのか確認すると、その人物はミヤビさんだった。


「こ、こんばんは」


「何故、俺を指名しない」


「え? 今日は友達の付き添いで来ただけですから」


「美憂をほっといてか?」


「え?‥‥‥いや」


隣を見れば二人だけの世界に浸っている男女の姿が。


ミヤビさんは、無言で私の手を引いて何処かへと連れてきた。


連れてこられた場所は、他の客からは一切見られない様になってるボックス席。

それでも、私達からはカウンターが見える様になってる。


「ここなら誰にも邪魔されずゆっくり話しが出来る」


「あ、はい」


私は一人残した愛里の事が気になったが、ミヤビさんと二人きりという事に緊張していた。




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