成績表。
(7月12日 金曜日:103日目)
ごきげんよう!アメリアです!
今日は終業式の日です。
成績表を受け取る。満足の結果だ。
ん?10段階評価なんだけれども、詩の評価の所になにかある。
10o
――10のスタンプの横に手書きで小さくゼロが記入されている。
え?先生??ナニコレ。
え?
え?
モシカシテ100点てつけたかったの?
や、やめてー!
これ、家族が見たら私が書いたと思われるじゃないか!!!
気持ちは有り難いけど、こんな前世の小3もやらないようなことヤメテー!
後ろから覗いたアシュレイが、ふ、と鼻で笑う。
「ち、ちがう!私が書いたんじゃない!!」
必死で首を振る。
センセー!!小さな親切、大きな迷惑です!!
「流石エリーだな。」
「ちょっと、勝手に見ないで!」
「…エリーともしばらく会えないな。」
「ふん、せいせいするわ。」
ルドがエリーの長いダークブラウンの髪を手で愛おしそうに梳く。エリーが真っ赤になって離れようとするのを、ルドがエリーの手を引き阻止する。
エリーがよろめいてルドの厚い胸にとす、とぶつかる。
「俺以外の男に気をつけろよ。」
ニヤリと悪い顔でルドが笑う。
わーぉ。
ちょっと、私、恋愛経験値低いから、キュン死にしそうです。
もらい事故に近い。
私なにも関係無いのに。
てか、失恋番長の前でなにやってるのかね。
ルドも最近色気が出てきた。恋をすると女の子は綺麗になるっていうけど、男もだ。ルドは背中も広くなり、骨格もより男らしくなってきた。前世も成長期で急にかっこよくなる男子がいたけど、ルドはもろにそれだった。
「あなたが1番危ないじゃない!」
その通りだよ、エリー。ルドは顔が広いし、誰とでも仲良くなれる。・・そんなルドが人目を憚らずエリーを好きだと公言する…クラスどころか私たちのサロンに来る人達…つまり学園の3分の1以上の人間が既にエリーの事をルドのものだと思ってるんだよ。それに、この前のサロンでこっそりヴィンスと夏休み中の狩りの約束してたんだよ?エリーの実家に泊まるつもりなんだよ?家族も取り込もうとしてるんだよ?既に外堀は相当埋めらつつあるんだよ!
まぁ、私はルドを応援してるからエリーには言ってないけど。
なぜなら、エリーは嫌な時は容赦なく断るから。・・本当はルドの事を好意的に想っているに違いあるまい。いつデレるのかな。ニマニマ。
私とアシュレイは空気となる。
「それじゃぁ、みんな、また休み明けにね!」
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(7月14日 日曜日:105日目)
領地の方の家につく。
「ただいま戻りました!」
「「「リア!!!」」」
家族みんなとぎゅっと抱き合う。
「お父様、お母様、お兄様、会いたかったです。」
えへへ、と笑う。
「リア!!!なんでも買ってやる!!国か?国が欲しいのか?お父さん頑張るぞ!!」
「リア、元気そうでよかったわ。」
「リア!!益々天使になって!!僕もリアの為なら国ぐらい!!」
「いえ、国は結構です。物騒なことは冗談でも言わないでください。」
切実に。サロンが盛り上がりすぎて、国家から危険視されるのではないかと戦々恐々としてるんだから!
お昼を食べながら、成績表を渡し褒めてもらう。
「ん?詩のところに・・・リア…このゼロは?」
「わ、私が書いたんじゃありません!!」
家族が生温かく微笑む。
ち、ちがう、本当に違うんだ!せ、せんせいー!!
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ディナーに顔を出すと、家督を既にお父様にゆずったお祖父様が来てくれていた。お祖父様はゆっくり諸外国を旅しては戻って来るので、お会いするのは1年ぶりくらいだ。
お祖父様の話は面白いので、私はお祖父様が大好きだ。
「お祖父様、今回はどちらまで行かれたのですか?」
「エスパルマ王国だよ。東の国との交易で港は栄えているし、建築も東の国風のものもあって非常に興味深かった。ただ、エスパルマ王が経済特区の住民にアストン教への改宗を強要していて、改宗しないものを厳しく弾圧していたな。」
「本当ですか?そこまでアストン教に熱心とは。」
お父様が難しい顔になる。
「経済特区の住民たちはどうなってしまうのかしら?」
お母様も思案顔になる。
「…独立を画策しているようだ。…上手くいくとは思えないがな。エスパルマ王もその噂を聞き及んでいて、今エスパルマの経済特区に行くことは難しいだろう。他国からの国内紛争への介入を避けるべく警戒が敷かれている。私もエスパルマを出るまでマークされていた。」
…紛争か、やだな。経済特区の人達可哀想だなぁ…。
「お祖父様が無事でよかったですわ。」
「そうですわ、どうぞご無理はなさらないでください。」
「ははは、明々後日にはリアの誕生日があるしな!這ってでも帰ってくるわ!」
誕生日か。去年の誕生日はジーク様からメッセージもなかったんだっけ。今年の誕生日はどうだろうな。ちょっと憂鬱だ。




