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2回目のサロン。

(20日目:土曜日)


 アメリアです。また1週間が経ちました。

 ジーク様とは相変わらず、学園で週に2回程度すれ違うくらいです。


 今週も平穏に過ぎたような気がします。


 問題は、(ポエム)の授業と「メアリー襲来」くらいでしょうか?


 もう、詩の授業の最後は永久指名っぽい。

 授業の終わりに、名前も呼ばれてないのに、先生を含めクラスみんなにこっちを見られたときに覚悟しました。だけども、私が永久指名になったので、授業中にもう1人自分の(ポエム)を発表しなければならない哀れな生贄が生まれてしまった。


 他のクラスメイトが真面目に作った(ポエム)を、真面目に聞く。その辛さよ。

 表情筋破壊と腹筋崩壊どころの騒ぎではない。至って真面目に


「僕は羽をもがれた堕天使・・


 漆黒の闇の底から上に煌めく小さな明かりを羨ましげに見つめる、


 羽のもがれた僕を照らしてくれる絶望


 …嗚呼…僕はこの奈落の支配者」


 とか披露された時は笑いを堪えるのに息を止めすぎて、本気で死ぬかと思った。


 出オチ!!

 一撃目にして奇襲。まさか中二病で攻めてくるとは。

 そして、〆の「僕はこの奈落の支配者」!

 よく真顔で言いきったな君!!彼のあだ名は奈落の支配者に決まりだ。


 彼は間違いなく私の腹筋に対して致命傷を負わせにかかってきている。

 何故笑ってはいけないと思うとあんなに笑えてきてしまうのだろうか。

 マー●ィーの法則にでもあったかな?


 中二病爆裂の(ポエム)と私の貴族としての矜持との戦いの授業は過酷を極めた。


 私は笑いをこらえるのに必死で、クラスの男子たちの

 「パネェ…」「まじかよ…かっけぇ」「あいつ…天才か」

 という声は聞こえていなかった。


 ――だから、この時の私はまだ知らなかったのだ。

 詩の授業が更なる混沌と苦行の授業と化していくことを。



 あぁ、もう一点の「メアリー襲来」に関しては、徐々にアシュレイの機嫌が悪くなってきてるくらいでしょうか?

 これ以上、あの万年発情期女と話すと僕の品位まで下がってしまいそうだ、と零していた。



 さて、本日はサロンの日です。



 今週のサロンは、同級生からベティーとその取り巻き3人、先輩たちからは、ヴィンス様が前回のメンバーとまた違う同級生を多数連れて来てくれた。ヴィンスの友人達がかなり口コミを広めてくれたようで、第4学年では多くの人が来たがってくれているらしい。

 ありがたい。できたら、ジーク様にもアメリアは可愛いよ、とかなんとか宣伝を頼みたい!


 今回は先輩方が多くいらっしゃるので、アシュレイが無難に挨拶と紹介をしてから始まった。


 人前で話すアシュレイは落ち着き用といい、物腰といい、前世のアラサーでも追いつかないほどしっかりしていた。


「前回、わたくし達もリアのサロンに参加したかったのですけれど、従姉妹(おねえ)さまのサロンに誘われてしまいまして、残念でしたわ。わたくし、もう一度、最初の詩の授業で歌っていただいた曲が聴きたくて!!」


 おお、ベティー!ナイストス!


「うふふ、ベティーにそう言って頂けてとても嬉しいですわ」


「いいんじゃない?歌ってあげたら?」


 なんていう流れで、客寄せパンダは今日もまた歌いましたよ。

 今週の詩の授業分も含めて3曲ね。



「はぁ~。素敵でしたわ。そうだわ!わたくし、リアのファンクラブを作ろうと思っていますの!!」


「は?」


 ベティーどうしたの?お願いだからやめてね?


「そろそろ、集団の統制が必要だと思いますの。私なら、家柄もそれなりにありますし、会長を務めるのに不足はないと思いますわ!」


「いいね、それ。僕らも是非入りたいな」


「なら、作ろうか。キンバリー嬢が会長ってことで」


 アシュレイ、お前は完全に悪ノリだろう。私にだけ見えるようにニヤって笑って!そんな笑顔も可愛いところが小憎たらしい!


「スチュアート様のファンクラブも必要かと思うのですが、ルーデウス様は許してくだるでしょうか?」


「ふふっ。どうだろう?ルドは嫉妬深いから許してくれないんじゃないかな?」


 私はエリーと目を合わせ、必死で笑いをかみ殺す。ルドは死んだ魚のような目をしていた。


「ああ、ウン。だめに決まってるだろ?」


 ――お前は俺のなんだから、と棒読みでルドが言うと、男性陣は爆笑し、女性陣は色めき立った。



「来週は初の月末のサロンだな。お前たちなら案外いいところまでいけるんじゃないか?かつての最大サロンは殿下率いる生徒会のサロンだったけどさ。今はメアリー様のハーレムサロンになっちゃって、女子はいないし、男子も殿下にすり寄りたいだけのハイエナみたいなやつしかいないしな」


 なぬ、やはり殿下たちは生徒会だったか。てっぱん過ぎて逆に安心するわ。ジーク様は書記か庶務かどっちかなんだろうな。


「今は、エカテリーナ様のサロンが1番大きいな。女子が強いから、男子はちょっと居心地悪いんだよな」


「上の学年のサロンはちょっとギスギスしてるけど、ここは居心地いいしな。菓子もうまいし。エデン嬢の歌もいいし。第3勢力くらいになっちまうかもな」


「ははっ。いいな、それ。俺らも来週友人を誘ってきてやるから、菓子はいっぱい用意しとけよ」


「わたくしたちの学年は1つですわ!みんなこのサロンに来ますからご安心を!!ね、みなさん?」


「「「ええ!!!」」」


「皆さんありがとうございます」


 アシュレイにこっそり突っつかれる。うわわ、働きます!働きますよ!!


「あ・ありがとうございます!至らないところもあるかと思いますが、これからもよろしくお願いいたしますね。」


 にっこり、とアシュレイの天使の微笑みを真似てみる。


「「「「天使が2人…癒される…」」」」


 アシュレイの天使効果を借りれたようだ。



 反省会で、クラスの人数以上の前で1人で歌うのはツライと私が必死でアピールしたところ、アシュレイがピアノの伴奏をしてくれることになった。アシュレイのチートを少し分けてほしい。


2018.3.16 誤字等修正しました。ご指摘ありがとうございます。

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