↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/17

7

五日目


「そういえば、私はここの産院で生まれたらしい」

「ほう」

「どれ、後輩の顔でも見に行くとするか」


「ふふっ赤ん坊は可愛いねえ」

「そうだな」

「!神でもそう思うの?それとも話を合わせるという芸を覚えたのか!?」

「犬か…」

「良いじゃん犬。ちなみに私はでかいタイプの犬が好きだ」

「どのくらいだ」

「う~んと死神くらいの大きさかな」

「・・・それは暗にお前は犬だと言っているのか?」

「違う違う考えすぎだって!たとえ毎日行く先々についてきたとしてもね!」

「言っているじゃないか」

「ちゃんと刀だと思ってますよ~だ!でもそういう感情を持っているとは思わなかったのは事実!」

「人に関係あるモノだ。感性も自然と近くなる」

「へぇ~、動物の赤ちゃんも可愛く感じるのと同じかなぁ」

「同じだろう。神としてずっと拝む人や連れられた赤子を見てきた」

「じゃあ私は?」

「…どちらかと言うと珍獣の類だな」

「よし、可愛くないとは言っていないな」

「言っていないだけだ」

「しかも珍しいとかよくない?」

「そうだな珍しいな」

「どこがどこが?」

「五日目ともなれば大体皆浮いている」

「え?何が違うの?浮いたら色々できんじゃん!」

「地に足がついているということだろう」

「全然わからぬ…しかも褒められている気はしないのが問題!」

「気にするな。人それぞれだ。生きていたらいろいろある」

「だから死んでいるんだって!おっ?」

「ん?」

「ね、こっち今見たよね、ほらっ、ほら!目線で追ってるよ!」

「それはわからん」

「即座に否定しないんだ?」

「生まれたてというのはもっとも死に近い。お七夜を経てようやく人と成る」

「ほう、では仲間ということかな?」

「全然違う」

「…しかしあれだなー、親より早く死んでしまったから、もしかして三途の河原で石を積まなきゃいけないのか私は?」

「お前はどこで石積みする気だ」


「では私はもう行く、お前たち、長生きしろよ、親を悲しませるなよ、夜寝る前には歯を磨け、あとは」

「長いな。世間話が終わらないおばさんか」

「そのうち終わるから我慢しろ」

「おばさんは否定しないのだな」

「この子たちから見たらおばさんだろう?任せろ」

「分かった」

「お前は否定しろ」

「よくわからん」

「分かれ!」


-----

五日目午後


「お腹すいたー」

「気のせいだ」

「あ、たこ焼き売ってるたこ焼き食べよ~」

「それ最後の六文銭だぞ」


 食べる。


「うまいか?」

「うまいぞ、ほれ」

「??」

「食え、1個やろう」

「いいのか?」

「私は大事なことに気づいた、一人で食べてもうまくない」

「そうか」

「うまいか?」

「うまい、と思う。」


 ふと思ったが、刀が食べ物を食べるってどういうことだろうか。切ったら食べたことになるのかな?それともお供えをしたらその時点で食べた設定になるのだろうか。だとしたら食べ物減らないし便利だな。


「なんか失礼な想像しているだろう」

「気のせい。勝手に心の中を読むな」

「お前の心の声がでかすぎる」


 最後の一個を食べ切り、ソースや青のりも残さず舐めとる。品など気にしない。


「しっかしもう使い切っちゃったのか、早かったな~!」

「お前が食い意地をはっているということは分かった」

「でももう食べらんないのよ、こうやってみんなつまんなくなって成仏するんだきっと!」

「まだ五日目だぞ?」

「神様ならもっと死んだあとの世界面白くしろよ!」

「無茶を言う」

「努力が足りん!」

「そもそも面白過ぎても困るだろう」

「私は困らない」

「誰も成仏しなくなるぞ」

「過疎化に歯止めがかかるよ?」

「そもそも人が生まれる以上過疎化にはならないぞ」

「そのシステムを使えば今日の地方の過疎化が止まるな」

「・・・霊を地方に送り込むのか?」

「それ都市→生者 地方→死者の二極化じゃん!地方は墓かよ!」

「…」

「今ある意味間違っちゃいないなとか思ったでしょ。でも言葉にするのもはばかられるとも」

「まぁそうだ」

「気にすんな、忖度するな私たちは死んでいる」

「違いない」

「大丈夫何かあったら私が責任取る」

「言うだけ言うパターンか」

「そうだ、むしろ望んでなくともバックレるし」

「それもそうだ。しかし…最後くらいちゃんとしたものを食べれば良かったものを」

「私は昔から病弱でねえ、とくにマックなんて食べたことがなくて憧れてたんだよ…」

「その話誰が信じるんだ?しかも一番最後はタコ焼きという」

「見たら食べたくなっちゃうじゃん?」

「その本能はやはり獣だな」

「珍獣?」

「珍獣」



おまけ


「私は生前ここの図書館が好きであった」

「ほう」

「信じてないな?」

「何も言ってない。」

「なんせ深層の令嬢だったからな」

「病弱設定どこいった」

「病弱で深層で大人しかったの!」

「真逆の存在だな、それにどうせ深窓と深層間違えてるんだろう」


「…入るぞ」


「まぁ本が好きなのは確かだ。どれ。…本が掴めん」

「掴めたらポルターガイストだぞ?」

「昼間からはまずいか…」

「そういうことではない」

「今は図書館は好きではない」

「まぁ確かに幽霊はあまり居つかないな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。