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五日目
「そういえば、私はここの産院で生まれたらしい」
「ほう」
「どれ、後輩の顔でも見に行くとするか」
「ふふっ赤ん坊は可愛いねえ」
「そうだな」
「!神でもそう思うの?それとも話を合わせるという芸を覚えたのか!?」
「犬か…」
「良いじゃん犬。ちなみに私はでかいタイプの犬が好きだ」
「どのくらいだ」
「う~んと死神くらいの大きさかな」
「・・・それは暗にお前は犬だと言っているのか?」
「違う違う考えすぎだって!たとえ毎日行く先々についてきたとしてもね!」
「言っているじゃないか」
「ちゃんと刀だと思ってますよ~だ!でもそういう感情を持っているとは思わなかったのは事実!」
「人に関係あるモノだ。感性も自然と近くなる」
「へぇ~、動物の赤ちゃんも可愛く感じるのと同じかなぁ」
「同じだろう。神としてずっと拝む人や連れられた赤子を見てきた」
「じゃあ私は?」
「…どちらかと言うと珍獣の類だな」
「よし、可愛くないとは言っていないな」
「言っていないだけだ」
「しかも珍しいとかよくない?」
「そうだな珍しいな」
「どこがどこが?」
「五日目ともなれば大体皆浮いている」
「え?何が違うの?浮いたら色々できんじゃん!」
「地に足がついているということだろう」
「全然わからぬ…しかも褒められている気はしないのが問題!」
「気にするな。人それぞれだ。生きていたらいろいろある」
「だから死んでいるんだって!おっ?」
「ん?」
「ね、こっち今見たよね、ほらっ、ほら!目線で追ってるよ!」
「それはわからん」
「即座に否定しないんだ?」
「生まれたてというのはもっとも死に近い。お七夜を経てようやく人と成る」
「ほう、では仲間ということかな?」
「全然違う」
「…しかしあれだなー、親より早く死んでしまったから、もしかして三途の河原で石を積まなきゃいけないのか私は?」
「お前はどこで石積みする気だ」
「では私はもう行く、お前たち、長生きしろよ、親を悲しませるなよ、夜寝る前には歯を磨け、あとは」
「長いな。世間話が終わらないおばさんか」
「そのうち終わるから我慢しろ」
「おばさんは否定しないのだな」
「この子たちから見たらおばさんだろう?任せろ」
「分かった」
「お前は否定しろ」
「よくわからん」
「分かれ!」
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五日目午後
「お腹すいたー」
「気のせいだ」
「あ、たこ焼き売ってるたこ焼き食べよ~」
「それ最後の六文銭だぞ」
食べる。
「うまいか?」
「うまいぞ、ほれ」
「??」
「食え、1個やろう」
「いいのか?」
「私は大事なことに気づいた、一人で食べてもうまくない」
「そうか」
「うまいか?」
「うまい、と思う。」
ふと思ったが、刀が食べ物を食べるってどういうことだろうか。切ったら食べたことになるのかな?それともお供えをしたらその時点で食べた設定になるのだろうか。だとしたら食べ物減らないし便利だな。
「なんか失礼な想像しているだろう」
「気のせい。勝手に心の中を読むな」
「お前の心の声がでかすぎる」
最後の一個を食べ切り、ソースや青のりも残さず舐めとる。品など気にしない。
「しっかしもう使い切っちゃったのか、早かったな~!」
「お前が食い意地をはっているということは分かった」
「でももう食べらんないのよ、こうやってみんなつまんなくなって成仏するんだきっと!」
「まだ五日目だぞ?」
「神様ならもっと死んだあとの世界面白くしろよ!」
「無茶を言う」
「努力が足りん!」
「そもそも面白過ぎても困るだろう」
「私は困らない」
「誰も成仏しなくなるぞ」
「過疎化に歯止めがかかるよ?」
「そもそも人が生まれる以上過疎化にはならないぞ」
「そのシステムを使えば今日の地方の過疎化が止まるな」
「・・・霊を地方に送り込むのか?」
「それ都市→生者 地方→死者の二極化じゃん!地方は墓かよ!」
「…」
「今ある意味間違っちゃいないなとか思ったでしょ。でも言葉にするのもはばかられるとも」
「まぁそうだ」
「気にすんな、忖度するな私たちは死んでいる」
「違いない」
「大丈夫何かあったら私が責任取る」
「言うだけ言うパターンか」
「そうだ、むしろ望んでなくともバックレるし」
「それもそうだ。しかし…最後くらいちゃんとしたものを食べれば良かったものを」
「私は昔から病弱でねえ、とくにマックなんて食べたことがなくて憧れてたんだよ…」
「その話誰が信じるんだ?しかも一番最後はタコ焼きという」
「見たら食べたくなっちゃうじゃん?」
「その本能はやはり獣だな」
「珍獣?」
「珍獣」
おまけ
「私は生前ここの図書館が好きであった」
「ほう」
「信じてないな?」
「何も言ってない。」
「なんせ深層の令嬢だったからな」
「病弱設定どこいった」
「病弱で深層で大人しかったの!」
「真逆の存在だな、それにどうせ深窓と深層間違えてるんだろう」
「…入るぞ」
「まぁ本が好きなのは確かだ。どれ。…本が掴めん」
「掴めたらポルターガイストだぞ?」
「昼間からはまずいか…」
「そういうことではない」
「今は図書館は好きではない」
「まぁ確かに幽霊はあまり居つかないな」




