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二十二日目



「ところで私気付いちゃったんだけどさ」

「何をだ?」

「四十九日にさ、成仏するって死神さん言っちゃってるけど、仏って仏教じゃないの?」

「仏教だな」

「神様なのに仏教徒だった!?大発見!!」

「そういうことではない」

「じゃあなんだよー。あっ神道に対して不満があるとか?」

「刀に不満なんぞあるわけなかろう」

「こないだ言ってたじゃーん、油塗りたくってくれないとかさ」

「サンオイルみたいに言うんじゃない。

そもそも仏だろうが神相手だろうが、油をさす人はさす、ささない人はささない」

「それが真理よね、ちなみに私は

「ささないだろう?わかるぞ」

「いやさすよ」

「信じないぞ」

「信じろよ!神様だろ!」

「信じるのは人の方じゃないか」

「むぅ…口ばかり達者になりおってからに!・・・で、結局成仏って何なの?」

「ああ。正確な意味ではないのだがな、

成仏という言い方がものすごく都合が良いというか、上手いところでな」

「ほう?」

「そもそも死後の世界だから死者が死ぬというのも変であるし」

「そうだねぇ」

「消えるというのも実際はどうなんだかわからないが、しっくりこないだろう」

「確かにねぇ」

「誰が言ったか…ヒトが真に死ぬのは知るものが誰もいなくなった時だと」

「なんだっけか、人は二度死ぬみたいな言葉だっけ?」

「実際この体は概念のようなものであるから、ある種その言葉が近いか」

「ん?でも成仏は四十九日だよ?」

「そこで死ぬではなく成仏という言葉が良い塩梅ではないか?と」

「分かるような分からないような」

「まぁ悪い印象ではない言葉だしな」

「そんなことなの?それで宗教観を疑われるんだよ?大丈夫?」

「大丈夫だ。そんなことを突っ込むのはお前が初めてだしな」

「初めてもらっちゃったね!おめでとう私!」

「大体、意味わかって無くて使っている言葉や、なんとなく使っているけど仕組みの分からないモノなどもあるだろう?」

「無いよ!無い無い!」

「じゃあスマホはどういうふうにできているか分かるか?」

「うう~、死神の癖に意地悪だ」

「お前がそうしたんだがな」

「訴えてやる!上層部に行くから場所教えろ!」

「自分も知らないぞ」

「なんだよ!死神会社しっかりしろ」

「会社ではない」


「あ、さっきさらっとお前がそうしたとか言ってなかった?」

「ちゃっかり聞いているな」

「ねぇねぇどういうこと?」

「他人と生きてる以上、他者の影響は受ける」

「死んでるけどね!」

「他人と死んでるだと言葉尻として変じゃないか」

「いいよいい!すごくいい!」

「そういうお前の影響をこちらが多分に受けてると言っても良い」

「受けてるかな」

「四六時中一緒にいるわけだしな」



「でもさ・・・それって普通の幽霊は周りから受けられる影響ってあんまないよね?

「そうだな」

「私の場合、強いて言うなら死神さんと六文銭?ああー!六文銭は全て手放してしまった!」

「腹の中に収まっているだろう」

「腹も幽霊なんでしょ!」

「臓器を幽霊というやつは初めて見たぞ」

「ん?そもそも食べたものはどこ行ったんだ?」

「知らん」

「でたよ知らん」

「現実の食糧ではないから概念が概念を食べたんじゃないか?」

「もはや霞じゃん!」

「そう言ってもいいレベルだな」

「じゃあ神様になれる?」

「なりたいのか?大変だぞ」

「…ああ、死神さん見てると分かるわぁ」

「だろう」

「あっでも、ずっと生きてられるのはいいかも!」

「いや、死んでいるぞ…」

「どっちでもいいじゃん!だって色んな幽霊の話いっぱい聞けるし」

「話し好きとは限らないぞ?」

「じゃあ私が話すよ!」

「ラジオに強制参加させられるパターンだな」

「いいねそれ!じゃあそんな感じで神様なれる?」

「なれんな」

「結局なれないんじゃーん!」

「それはしょうがない」

「じゃあさじゃあさ、さっきの話に戻るけど幽霊が外からの影響なかったら概念無くなっちゃわない?」

「それがそもそも四十九日というものなんだろうな…。お前が言うゆうパイもその結果なんじゃないか?」

「そっかぁ…。せめてその後がわかればなー。

仏陀の言う本来の輪廻転生的なものがあるとか、地球は一つの生命体だとか」

「急にアカデミックになったな。どうした、腹でも壊したか」

「壊す腹がないじゃんかよー」

「確かに腹痛の幽霊は見たこと無いな」

「・・・病気からも解放されるって、人によっては天国なんじゃ?」

「いや、ただの死後の世界である」


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