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河内正則・栄光への道  作者: リンダ


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66/106

四点差の攻防

「四点差の攻防」


三回表。


鶴橋ライオンズが二死走者なしから三連打を浴びせ、2点を返した。


6-0から6-2。


四点差。


大阪タイタンズとしては、三回裏ですぐに突き放したい。


しかし鶴橋先発・大西晴斗も、簡単には追加点を許さなかった。


三回裏 大阪タイタンズ


六番・宮本さくら


さくらは、この打席でも急がなかった。


一回から大量の球数を投げている大西。


それでも依然として一球ごとに強く腕を振ってくる。


初球。


見送る。


二球目。


ファウル。


三球目。


ボール。


大西の球筋を最後まで見る。


六球目も仕留めきれずファウル。


そして七球目。


大西が投げ込んだ。


さくらが振り抜く。


「カキーン!」


打球は遊撃方向。


ショート・高瀬蓮が追う。


三遊間の深い位置。


追いついた。


しかし身体は完全に一塁とは逆方向へ流れている。


高瀬が踏ん張って送球。


さくらは全力疾走。


一塁へ駆け抜ける。


「セーフ!」


ショート深い位置への内野安打。


ノーアウト一塁。


大西は先頭打者だけで、また7球を使った。


七番・川上眞子


続く眞子。


大西が投げる。


眞子は狙い球を捉えたものの、打球は二塁正面。


セカンド・西川颯太が捕球。


二塁へ送る。


「アウト!」


一塁へは投げられない。


打者走者の眞子は一塁へ到達した。


セカンドゴロのフィルダースチョイス。


ワンアウト一塁。


走者がさくらから眞子へ入れ替わった。


八番・村瀬涼太


ここで村瀬。


初球。


いきなりバントの構え。


「バント!」


一塁側へ転がした。


一塁手・岡田大翔が前へ出る。


捕球して一塁へ送る。


「アウト!」


その間に眞子は二塁へ。


送りバント成功。


ツーアウト二塁。


そして九番。


河内正則。


九番・河内正則


正則が打席へ入る。


二塁には眞子。


一本出れば追加点の可能性がある。


大西が投げる。


正則は迷わず振り抜いた。


「カキィィン!」


強烈な打球。


三塁方向へ一直線。


三塁手・石田琉生が反射的にグラブを出す。


「バシッ!」


捕った。


サードライナー。


二塁走者の眞子は、打球が抜けると判断してスタートを切りかけていた。


「戻れ!」


慌てて二塁へ戻る。


だが、正則がアウトになった時点で――


「アウト!」


スリーアウト。


チェンジ。


正則は一塁方向へ数歩走ったところで止まった。


「うわ、真正面か……」


石田もグラブを見ながら息を吐く。


完全に捉えられた打球だった。


しかし野球は、強く打てば必ずヒットになるわけではない。


三回裏終了


大阪タイタンズ、無得点。


鶴橋ライオンズ 2-6 大阪タイタンズ。


宮本さくらが7球目をショート深い位置へ運んで内野安打。


しかし川上眞子のセカンドゴロで走者が入れ替わる。


村瀬涼太が初球できっちり送りバント。


ツーアウト二塁。


最後は河内正則が痛烈なサードライナー。


追加点は入らなかった。


鶴橋にとっては大きな無失点だった。


三回表に2点を返し、その裏をゼロ。


点差は四点のまま。


そして次の四回裏は、打順よく一番・梶原和樹から始まる。


だがその前に、四回表。


正則が再びマウンドへ向かう。


二巡目に入り、鶴橋打線は明らかに正則の速球へ合わせ始めている。


正則は藤原からボールを受け取った。


「次は、同じ攻め方せんぞ」


藤原がマスクをかぶる。


「向こうが変わったんや。こっちも変わろう」


四点差。


まだ安全圏ではない。


決勝戦は、中盤へ入る。


次回予告「配球を変えろ」


四点差の攻防


三回終了。大阪タイタンズ、6-2。


三回表に2点を返した鶴橋。


その裏は大西晴斗が無失点で切り抜け、点差は四点のまま。


そして四回表。


鶴橋打線は二巡目の後半へ。


一巡目とは違う。


もう145キロという数字には驚かない。


速球だけなら合わせてくる。


ならば正則と藤原も変える。


速さだけではない。


コース。


高さ。


緩急。


そして、まだほとんど見せていない60キロ前後のおちょくりスローボール。


次回、


「配球を変えろ」


相手が慣れるなら、その前にこちらが変わる。

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