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河内正則・栄光への道  作者: リンダ


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53/108

大阪タイタンズ vs 天王寺ゴールデンスターズ

大阪府大会・準決勝


大阪タイタンズ vs 天王寺ゴールデンスターズ


迎えた準決勝。


相手は、ここまでのチーム防御率1.56を誇る天王寺ゴールデンスターズ。


タイタンズは試合前から方針を徹底していた。


連打は期待しない。


際どいストライクはカットする。


明らかなボール球には手を出さない。


甘く入ってくる傾向のある内角球を狙う。


送りバントや進塁打などの小技も使い、一つずつ塁を進める。


そして何より――


相手投手に球数を投げさせる。


天王寺の先発は右腕・神崎拓海。


球速は135キロ前後。


制球力が高く、簡単には四球を出さない。


その神崎に対し、タイタンズ打線がどこまで粘れるか。


プレーボール。


⸻


1回表 大阪タイタンズ


1番 梶原和樹


神崎の初球。


外角低め。


ストライク。


梶原は見送った。


二球目。


外角へ外れる。


ボール。


三球目。


内角。


事前データ通り、わずかに真ん中寄りへ入ってきた。


梶原が振る。


ファウル。


カウント1-2。


四球目。


外角低め。


梶原がバットを合わせる。


ファウル。


五球目。


高めの速球。


これもカット。


六球目。


外角へわずかに外れる。


ボール。


2-2。


七球目。


内角いっぱい。


梶原が再びカットする。


そして八球目。


外角低めのストレート。


梶原が打ち返した。


ショートへのゴロ。


水島蓮が正面で捕球し、一塁へ送球。


アウト。


8球。


ワンアウト。


⸻


2番 宮本さくら


初球。


外角。


ボール。


二球目。


内角低め。


ストライク。


三球目。


外角いっぱい。


さくらがカットする。


1-2。


四球目。


高め。


ファウル。


五球目。


外角低め。


際どい。


さくらは見送る。


ボール。


2-2。


六球目。


内角。


少し真ん中寄りへ入ってきた。


さくらが振り抜く。


ファウル。


七球目。


低めのストレート。


さくらが打つ。


一塁へのゴロ。


ファースト・城戸大雅が捕球。


そのまま一塁ベースを踏む。


アウト。


7球。


ツーアウト。


ここまで神崎は15球。


⸻


3番 朝倉美羽


初球。


外角低め。


ボール。


二球目。


内角。


ストライク。


1-1。


三球目。


高め。


美羽が振る。


ファウル。


1-2。


四球目。


外角いっぱい。


美羽がカット。


五球目。


内角高め。


これもファウル。


六球目。


低めへ外れる。


ボール。


2-2。


七球目。


外角。


美羽がカットする。


八球目。


内角。


またファウル。


九球目。


外角低め。


美羽が食らいつく。


ファウル。


そして十球目。


神崎が内角へ投げ込む。


少しだけ真ん中寄りへ入った。


美羽が振り抜く。


鋭い打球。


しかしセカンド正面。


倉橋悠斗が捕球。


一塁へ送る。


アウト。


スリーアウト。


⸻


1回表終了


大阪タイタンズ 0-0 天王寺ゴールデンスターズ


三者凡退。


ヒットなし。


四球なし。


得点なし。


だが神崎拓海が投じた球数は、


梶原和樹 8球

宮本さくら 7球

朝倉美羽 10球


合計――


25球


タイタンズは予定通り、際どいストライクをファウルで逃げ、ボール球を見極め、簡単には打席を終わらせなかった。


真央が25という数字を記録する。


絵里も投球チャートを更新していく。


さらに、事前分析で確認していた傾向も初回から現れていた。


神崎の内角球が、ときどき真ん中寄りへ入っている。


まだ一本もヒットは出ていない。


しかしタイタンズは、その球を確認していた。


川原監督が選手たちに声をかける。


「そのままでええ。狙い球以外は無理に打つな」


三者凡退でも25球。


天王寺の強力な投手陣を攻略するためのタイタンズの作戦は、初回から徹底されていた。


そして試合は、0-0のまま1回裏、天王寺ゴールデンスターズの攻撃へ入る。

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