↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オードリーの冒険!  作者: マリオン
第4話 カメラ! カメラ! カメラ!
PR
22/30

1

「堂島! 頼む! かくまってくれ!」

「断る」


 放課後──部室にいきなり飛び込んできた写真部の部長、緒方慎司の懇願を、我が演劇部の部長、堂島桜子は一言で切り捨てる。


「事情くらい聞いてくれよ!」

「聞いても考えは変わらないって、わかってるから」

 緒方慎司は再び懇願するのであるが、部長は取りつく島もない。


 演劇部の部室には、部長と──僕とオードリーの三人しかいない。次の講演の案を練り終えた部長が台本を執筆する間、部活動は休暇──もとい、部員はそれぞれ発声練習などの自主練に勤しんでおり、幽霊部員もどきの僕とオードリーのみ、一人寂しく執筆する部長の賑やかしとして、部室に残っているというわけである。


「緒方!」

 廊下から、緒方慎司を呼ぶ声が響いて──僕らは顔を見あわせる。

「トム」

 部長に顎で使われて──僕は部室の扉を開けて、廊下をのぞく。

「たぶん──風紀委員の先輩かな?」


 見れば、廊下の先では、腕章をつけた老け顔の生徒が、部室の手前の扉を開いては、その中をのぞいて何やら確認している。


「自首しろ」

「だから! 濡れ衣なんだって!」

 部長に自首をうながされて、緒方慎司は冤罪を主張するのであるが──とはいえ、風紀委員に追われているのは事実なのであろう。先の風紀委員が、今にも部室の扉を開くのではないか、と戦々恐々としている。


「鏡の事件! 相談に乗ってやっただろう!?」

 続く緒方慎司の言葉に、部長はあからさまな舌打ちで返す。


 部長はオードリーに向けて、親指で、くい、と衣装部屋を指す。オードリーは心得たもので、それだけで緒方慎司の首根っこをつかまえて、まるで猫でも扱うかのように、彼を衣装部屋に放り込む。


「写真部の部長の緒方がこなかったか?」

 その直後──先に見た風紀委員が、部室の扉を開いて、部長に問いかける。

「いや、きてないよ」

 見ればわかるだろう、と部長はわざとらしく部室を見まわしてみせる。風紀委員は納得したようで、衣装部屋までは見ずに立ち去る。


「──助かったよ」

 扉の閉まる音で、風紀委員が去ったことがわかったのであろう、衣装部屋から緒方慎司が顔を出す。


「借りは返したぞ」

 言って、部長は再び原稿用紙に向かうのであるが。

「それで──何だって風紀委員なんかに追われてるんだ?」

 オードリーの方はというと、どうやら読んでいた本にも飽きたようで、緒方慎司に尋ねる。


 緒方慎司は、よくぞ聞いてくれたとばかりに、オードリーに向き直り──部長は、余計なことを聞いてくれたものだとばかりに、聞こえよがしなため息をつく。


 そうして、緒方慎司は、事のあらましを語り出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。