戦争理由 1
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5頭会は、出席者の間でいくつかの問題が起こりつつも、『五つの大国は全兵力を用いて大陸への侵攻を継続する』との見解を一致させ、幕を閉じた。
大使たちは結果を本国へ伝えるため、ホテルを後にした。
それぞれ本国での承認が下りれば改めて5頭会が開かれ、全大使立ち合いの下、世界に侵攻継続の声明が発表される。
しかし、そんなことに意味はないと、大使達は理解していた。いや、そう思うのは大使達だけではなく、これからその声明を聞かされる大国の国民すべてだろう。
この第六大陸侵攻は、各国の行き詰った拡大に対する苦肉の策だと、誰もが理解している。
声明など出ようが出まいが、大国は第六大陸へ侵攻する以外に道がないのだ。そうしなければ、弱いものから食われていく。
会議に出た大使と、それ見守っている国民とで、大きな認識の相違はなかった。これからの道筋に分かれ道などなく、取りえる方法は一つだけ。にもかかわらず、結末だけは複数あるというなんともまあ可笑しな未来。
各国の国民が知りたいのは、その道をどう進むかということ。
ゆっくり進むか、速く進むか。取りえる方法は二つに一つ。
間違えるわけにはいかない重要な二者択一。
間違えれば、国はなくなる。親も、子も、土地も、財産も、尊厳も、これまで培ってきた歴史も含めて、全てを失う。
第六大陸を狩りつくした後に訪れる、五大国全てが参戦せざるをえない世界大戦。
『統一戦争』
それに備えるためにも、大国は第六大陸を目指さなければならない。
例えそこに、求める物がなかったとしても。
ただ、大使達と国民とでは一つだけ意見の相違があった。この度の戦果で全員が改めて思い出したことがあったのだ。
―――我々は皆、自らの利益のために未だに戦争を行わないのであり、いずれ自らの利益のために戦争を行うしかない。そのためにも、第六大陸の有利な形で手に入れる必要がある。しかし、もし―――
「もし第六大陸の住人と手を組めるのならば、大陸に攻め入る必要はなくなる」
――そう呟いたの誰だっただろうか。




