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「メジェドとチーム・サン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第27巻)  作者: サナダムシオ


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⑧ 伯爵と雪子

 フルカネルリ卿の正体については、その後速やかに、腕のデバイスの通信を使って、他のメンバーにも伝えられた。敢えて個々には記さないが、みんなの反応は、様々だった。


 中でも雪子の反応は、あまり良くないモノだった。

 以後、彼女はますます、爬虫類族に対する不信感を、つのらせることになってしまったのである。


「よくもまあ、そんな嘘つきを、このサロンに、野放しにする気になったわねえ?」

 1994年4月10日の日曜日。時刻は9時半頃。

 雪子は伯爵に詰め寄っていた。

 今日は、バーカウンター内の由理子と鷹志以外、他には誰も居ない。


「まあ、前々から怪しいとは思ってましたが、弓子さんや由理子さんから、女王の敵意や悪意や殺意の報告を、一度も受けていませんでしたからね。だから彼女が、自分のタイミングで告白する事を、ずっと待っていました。」

 伯爵が、自らの見解を述べた。


「もっとも、正直に言うと、最悪、告白が無くても構わないとさえ、思ってましたよ。」

 彼はそう言って、ニヤリと笑った。

「へえ、そうなの。あのトカゲ女に、随分とまた、お優しいのね?」


「それに……爬虫類族の姿で居ると、何となく信用出来ないというのは、やはり我々自身の、ルッキズムというか、偏見によるところでは有りませんか?貴女特有のトラウマについては、大いに同情しますけど。」


「まあね。アレが無かったら、まだマシかもね。」

 彼女はまた、かつての苦い体験を思い出していた。

「あの時、あの現場に、雪村が駆け付けて来てくれなかったら、私、本当に死んでいたかもしれないんだもの……。」


 そのまま暫く考え込んでいた雪子だったが、急に立ち上がると、サン・ジェルマンにピッタリ近づいて、耳元でこう囁いた。

「ねえ伯爵、埋め合わせに、今から私の調査に付き合ってよ。今日は京子さんも居ないみたいだし……たまにはイイでしょう?私の心のケアをしてちょうだい!」


「仕方がないですねえ。今回だけ、特別ですよ?それと誤解の無いように、後でちゃんと、京子さんに説明して下さいよ?彼女、焼きもち焼きなんですから。」

「うん、うん。する、する。そうと決まったら、早速、駐車場へ行きましょう。」

「ああ、鷹志君と由理子さん、フロアの事は頼みますね?」

「はーい!」由理子が代表でイイお返事をした。


 そんな流れで、二人は地下駐車場のシルバーのビートルに乗り込んだ。

 運転席に雪子、助手席に伯爵が座った。雪子がふと、後ろに目をやると、そこには何故かメジェドが座っていた。

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