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「メジェドとチーム・サン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第27巻)  作者: サナダムシオ


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㉒ 京子と由理子

 1995年2月15日の水曜日。時刻は午後3時を回った頃。

 名護屋テレビ塔の亜空間レストランで、村田京子と由理子が、同じテーブルについて、ティータイムを過ごしていた。


 少し離れたテーブルでは、サン・ジェルマンと杉浦鷹志が、先月起きた阪神・淡路大震災の被害を踏まえて、来たるべき東南海地震に備えるために、何やらヒソヒソ話し合っている。


 大方、以前、安倍晴明から学んだ結界術か、或いは何かしらの、物理的な対策についてのアイデアの交換でも、しているのだろう。


「あ〜あ。お互い、パートナーが研究熱心だと、ヒマよねえ?」

 京子が由理子に話し掛ける。アッチのテーブルに聞こえるように、大声だ。

「そうですねえ……そうだ、今から二人で、どこかへ出かけましょうか?」

「あら、良いわね、賛成!どこにする?」

 少しテンションの上がる京子。


「私の気になる案件に、付き合ってもらってもイイですか?」

「いいわよ。面白い生き物が居る所なんでしょ?」

「……まあ、そうなんですけど。そのビジュアルがちょっと、悪魔っぽいので、鷹志を誘いにくいんです。」

「いいわ。私はそういうの平気だから、むしろウェルカムよ?……行きましょう!」

「やったあ!嬉しいです。」


 じゃあ、二人でちょっと出かけるから。そう言って伯爵と鷹志に手を振り、彼女たちはエレベーターに乗った。地下駐車場に着くと、由理子が赤いビートルに乗り込む。京子も助手席に収まった。


 由理子は念のために、後席を振り返った。今のところ、誰も居ない。しかし、メジェドはいつ現れるかの分からない。心の準備はしておく事にした。


「メジェドの事を気にしているのね?」

 その様子を見ていた京子が言った。

「はい……いつも急に現れて、ドキドキさせられるので。」

「悪い子じゃないのよね……もう少し、コミュニケーションを取れるといいのにねえ?」京子も同感だった。


「さあ、準備しますね。」

 由理子が気を取り直して、センターコンソールパネルに座標を入力した。


 西暦1995年2月15日

 時刻15時00分

 北緯18度22分

 西経65度53分


「あら、日付は今日のままなのね?」

 京子が不思議そうに言う。確かにこのままなら、タイムマシンと言うよりも、単なるスピードの速い、航空機のような使い方になる。

「入りたてホヤホヤの、ホットな情報なんです。」

 得意げに由理子がそう言った。


「じゃあ、出発しますね?」

 由理子はクルマを地下駐車場から出すと、いつものように光学迷彩を掛けて垂直上昇させ、時空転移装置のスイッチを入れた。


 目指すは、カリブ海に浮かぶ島。

 プエルトリコ北東部の村、カノバナスだ。

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