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「メジェドとチーム・サン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第27巻)  作者: サナダムシオ


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② 見える者、見えざる者

 香子が、自分のクラスの黒板の前に立った時、ソレが隣に現れた事もあった。

 その時も、クラスの児童たちの中には、誰一人、騒いだり指を差したりする者は居なかった。

 やはり彼等にも、ソレが見えていないようだった。


 ソレはモノ珍しそうに、いつも児童たちの事を眺めていた。

 調理室で、家庭科の授業をしていた時も。

 理科室で、実験をしていた時も。

 音楽室で、歌っていた時も。

 体育館で、スポーツテストをしていた時も。

 運動場で、ドッジボールをしていた時も。

 プールで、泳いでいた時も。

 保健室で、身体測定をしていた時も。

 ……ただいつも黙ってそこに居て、ソレは眺めていた。


 後でサン・ジェルマンに訊いたところ、多分ソレは、香子の事を、見守っているつもりだったのだろう、という事だった。

 キモ可愛い、押かけ守護神という訳だ。

 ソレの正式な名称は、メジェドというのだそうだ。


 香子は一度だけ、メジェドを叱った事があった。

 あれは確か、国語の授業中だった。

 彼女が、子どもたちに背を向けて黒板に文章を書いている時に、男子児童の一人が、イタズラで紙を丸めて投げたのだった。

 

 それが彼女の背中に当たる寸前に、彼女の隣に居たメジェドが眼から光線を出して、一瞬で灰にしてしまったのだった。ジュッと音がした。

 それを気配で察した香子は、メジェドにその場で注意をした。


「今のはダメよ。危ないわ。子どもたちに当たったらどうするの?もうここでは、同じ事を二度としないでちょうだい。良いわね?」


 メジェドはしょんぼりしている……ように見えた。 

 まあ、実際には顔色は窺えないのだ。

 そしてその様子を見ていた児童たちには、香子が、何も居ない空間に向かって、説教をしているように見えた事だろう。少しばかりザワザワした。


 彼女はその場を誤魔化すのが大変だったのを覚えている。

 誰よりも、イタズラした男子本人が、一番目を丸くして驚いていたのだが……何が起こったのかは、多分、理解出来なかった事だろう。


 そんな事が色々有った後の、1994年3月27日の日曜日。

 時刻は午前10時を回った頃。

 真田香子は久しぶりに、名護屋テレビ塔の亜空間レストランにやって来た。


 そこにはこれまた久しぶりに、サン・ジェルマン伯爵のチームの、オールスターキャストが集まっていた。

 真田雪村、弓子、杉浦鷹志、由理子、村田京子、カグヤ・イシュタル、成雪、ジャンヌ・ダルク、それにサン・ジェルマン本人と、何故かフルカネルリ卿まで居た。


 

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