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秋になった。

アルノは当主としての仕事を少しずつ覚えていった。


ある日の午後、剣の稽古が終わった後、ルーカスが言った。

「だいぶ戻ってきた」

「剣がですか」

「それもある。でも、そうじゃなくて」

ルーカスは汗を拭きながら、少し言葉を探した。

「顔が戻ってきた。いろんな顔をするようになった」

アルノは木剣を持ったまま、自分の顔に手を当てた。

「どんな顔をしていますか、今」

「少し困っている顔」

「確かに困っています。自分の顔がわからないので」

「記憶のある頃のお前も、よく困った顔をしていた」

「何に困っていたんですか」

「たいていはテオドールのことで」

「具体的には」

ルーカスは少し考えた。

「テオドールが何を考えているかわからない、と言っていた。よく」

「それはわかる気がします」と即座にアルノは言った。「今のあなたも何を考えているかよくわかりません」

ルーカスは少し目を細めた。

「俺のことがか」

「はい」

「それは」と彼は言った。「今まで誰にも言われたことはなかった」

「兄様にも?」

「テオドールはそういうことを言わない」

アルノは木剣を地面に立てて、その柄頭に両手を乗せた。

「ルーカスは今、何を考えていますか」

ルーカスは少し間を置いてから言った。

「お前が戻ってきてよかったと、思っている」

「記憶がまだ戻っていないのに?」

「記憶じゃなくて、お前自身が」

アルノはルーカスではなく木剣の柄頭を見ていた。

「それは」と言った。「なんというか」

「なんというか?」

「うまく言えません」とアルノは言った。「でも、聞けてよかった」

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