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夏の終わりに、アルノは北の森へ行った。

一人で行こうとして、ルーカスに見つかって、結局二人で行った。


「なぜ一人で行こうとした」と馬を並べながらルーカスが聞いた。

「あなたが嫌な思いをするかもしれないと思って」

「俺が?」

「兄様の死のきっかけになった場所の近くに行くわけですから」

ルーカスはしばらく黙った。

「俺がお前よりも自分の感傷を優先すると思うか?」

「それはそうでした」

「まったくだ」

二人で馬を進めた。

道が細くなると、ルーカスが前に出た。アルノはその背中を見ながら後に続いた。広い背中だった。黒い上着が風を受けていた。


森の入口に近い丘に、小さな石碑があった。戦いで死んだ者を悼む碑だった。

テオドールの名前は刻まれていなかった。貴族の墓は屋敷にあるから。

しかし森の縁に、誰かが石を積んでいた。ルーカスがそこで馬を止めた。

石の上に、枯れた花があった。

「これはあなたが?」

「……ここに来るたびに置いている」

「何度も来ているんですか」

「月に一度ほど」

アルノはその石を見た。丁寧に積まれていた。崩れないように、考えながら積んだのがわかった。

「一人で来ていたんですか」

「ああ」

「教えてくれればよかったのに」

ルーカスは何も言わなかった。

「次からは一緒に来ます」

「……そうしてくれると、助かる」

アルノはルーカスの横に立った。

二人で石の前にいた。風が吹いた。森の木々が揺れた。

空が高かった。秋が来ようとしていた。

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