会場
北国のランディバースト公爵…
セバスティエル・デルタ・ランディバースト…は
リオンの専属執事であり、賢者の猫であったはずのセバスチャン…さん。
…改めて思うとリオンに負けないぐらいのイケメン…。ゲームでは出てこないキャラだし、そもそもゲームではリオンに執事などいなかった。
私がこの世界に来てから本編とは色々ずれてる…?こんな舞踏会の招待もなかった。ヒロインも転生者って事もなんとなくわかった。本編の補修が今回の確率が高い…。私は今日どう動けばいいのか。
そんな事を外を眺めながらもんもん考えているといつの間にか馬車は止まりセバス…ランディバースト様にエスコートされ馬車から降りた。
王宮の会場へ案内され歩いていく。白の壁に柱…ところどころ高そうな金の壺などが置かれている。
会場の扉は開かれておりセバス…ランディバースト様にエスコートされたまま私は会場入りした。
ザワザワ賑やかな声が聞こえそれぞれ談話しているのが見えた。
チラチラと多くの令嬢の視線が降り注ぐ。
…うん、セバスさんイケメンですからね。微笑まれたら胸ズキュン!レベルですし所々睨まれているのですが…。いたたまれない。
「マリアン様、本日はなるべく私から離れないようお願いします。リオン様にも頼まれておりますので私も目を光らせておきますが、関係の無い方々から絡まれる事もございます。」
「分かりましたわ」
小声で私に話しかけてきたセバス…ランディバースト様に微笑み返事をする。
暫くすると、ランディバースト様は様々な方に声をかけられ話をしている。
私はその横で淑女の笑顔で微笑み続け、話を振られれば「はい。いえ。ええ。それは…。」だけの返事でやり過ごしていた。
…社交界辛い…。
少し疲れてきたなと思い始めた頃ふと、リオン様が来られるはずなのに姿が見えないのが気になった。
それに気づいたのかランディバースト様は話を切り上げ「少し疲れましたね」と私をエスコートし会場の隅にあるソファーまで案内してくれた。
「カーリヒルト嬢飲み物をお持ちしますね、」
そう言うと、ランディバースト様は私から離れていった。
…疲れた…。うーん、セバスさんいなくなったし暇だなぁ。
そう思いながら周りをキョロキョロ軽く見回してリオンがいるか確認していた。いくら探してもおらず扇で口元を隠しながらため息をついてしまった。
ランディバースト様が手に飲み物を持って帰ってきた頃ファンファーレが鳴り響いた。
私はすぐにソファーから立ち上がりホールの奥にある開いていない扉が重そうに開いていきそこから現れた陛下や殿下達を見ていた。
ふと、王子と目があった気がしたけど…気のせいだろう。
陛下が挨拶をした後ダンスが始まったため人が隅によったり踊り始めたりしている。
「セ…ランディバースト様は踊られないのですか?」
「そうですね。本日はカーリヒルト嬢のエスコートで忙しいですから。」
そう私の方を見て微笑んできた。
…はうぁーーー!そ、その顔甘い!甘いですよ!近くの令嬢目がハートになって頬染めてますって!いや、これは演技だとわかってますよ!この人本当は猫だってことも!私はリオン様一筋なんだけどこっ恥ずかしいですーー!
私も顔を赤く染めながら心の中で悶絶しながら恥ずかしくて下を向いた。
私はその時気づかなかった、リオンが反対側の壁で魔道士ローブを羽織り護衛騎士と何やら話し込んでいることを…。そしてセバスさんにテレパスを飛ばしていることも
(セバス…目立たない様にと頼んだはずだ。何故目立っている。)
((なんのことでしょうか?マリアン様をエスコートするには周りから有無を言わせない地位と姿が必要ですのでご不満なら早くマリアン様のことを公開されたらいかがですか?))
(お前。)
((坊っちゃん殺気を放つのはおやめください。隣の騎士の方が緊張されております))
(誰のせいだと。まあいい…。王子がマリアンをダンスに誘うつもりらしい。なんとか防げ)
((誘われれば私で求めることはできませんが?))
(その前にマリアンを会場から連れ出せいいな)
リオンはセバスから目線をそらし壁に持たれ深くフードをかぶり直した。
「全く。坊っちゃんは…。」
「え?」
セバスさんの呟きにマリアンは顔を上げセバスを見た
「リオン様がいらっしゃるのですか?」
「ええ。あちらの壁にもたれフードを深く被った方がリオン様です。」
目線でリオンを指すセバスの視線を折っていけば護衛騎士の横でフードを深くかぶり壁に持たれている魔術師が一人いた。
…確か、リオンの横にいる騎士は遠目で見にくいけど、燃えるような赤い髪つんつんした鳥頭…。確かゲームで王子の剣技を教えているとか言うえーと…。そう!カレイル・デルストレ!この国の第一騎士団の人で確かリオンと同年でやたらリオンに懐いてる…親友と勝手に言ってるって設定の人。でも実際中はいいんだ?
そんなことを考えながら見ているとふと目があった気がした。
赤い髪…の人は前髪を書き上げるようにしたあとこちらに向かって騎士の例を軽くしウインクをしてきた。
私はびっくりして一瞬キョドってしまったけど、その後すぐ隣りに居たフードを深くかぶったリオンに向かって焦ったように何か言っているようだった。
首を傾げてみていると。
「どうやら、リオン様がマリアン様に向かって挨拶したことが気にいらないようです隣の方を威圧しているようです」
さらっとセバスさんがリオン達の現状を教えてくれたことに私はついクスッと笑ってしまった。
(マリアン、捕まる前に会場を出ろ。王子がお前をダンスに誘うつもりだ。)
耳に響いてきたリオンの声…。
驚いて反対の壁にいるリオンの方に視線を向けるとフードの奥に見えるリオンの目とあった。
(お前がつけているピアスには術式が組まれている。こうしてテレパスをお前に簡単にすることができるそれは常に付けていろ)
((リオン…わかりました。))
ピアスを触りながらそう答えるとフッとフードの中で口角が上がったのが見えた。
ドキン!と心臓がなり頬が赤くなっていくのがわかる。
なんとか私は落ち着かせてセバス…ランディバースト様に声をかけて体調が思わしくないため退場したいことを伝え入り口に向かって歩き始めたときだった。
「マリアン・カーリヒルト嬢」
先程まで賑やかだったはずの会場が静まり返り道を作るように中央から一直線に私に向かって道ができていた。
そこから歩いてくるのは…。はい。王子です。
…はぁーーーー。何がなんでも補修されるのですか?
私の前にたどり着いた王子は私の手を取り半強制的にダンスを誘ってきた。
私の立場では断ることもできずとりあえず一曲だけと心の中で言いながら中央までエスコートされ踊りはじめた。
「カーリヒルト嬢、久しいな」
「お久しぶりでございます。」
「今夜は来てくれると思っていたよ。」
「王子様直々のご招待ですものお断りなどできませんわ」
「学園ではすんなり逃げられるのだが?」
「学園では身分は関係ございませんので…申し訳ございません」
ターンをしながら少し頭を下げまた少し顔を上げ一歩を踏み出していた。
「所で王子ではなくレインと読んでほしいのだが?」
「そんな恐れ多いことなどわたくしには出来ませんわ。どうか婚約者の方に頼んでくださいませ。」
「君が良ければ私の婚約者…いや、后になってほしい。」
私はダンス中のまさかのプロポーズに声も出せず王子の目を見たままポカンとしてしまった。
丁度そのタイミングで曲が終わり私は意識を取り戻し急いで離れようとするが腰と手をしっかりホールドされ離れられない。
「とりあえず陛下たちにもあってもらいたい。返事はその後でも構わない行こうか。」
私はそのまま祭壇の方へ腰と手を当てられたまま陛下のもとへエスコートされていく。
…いやいやいや…やめてーー!NOーーー!めっちゃ力入っていて話してくれない。陛下の前?もしかして目の前で婚約宣言されるのこれ!?それだけは!ちょ!いやー!
泣きそうになりながら私はなんとかできないかぐるぐると考えていた。
あと少しで陛下の前…。死亡フラグ…。心の中で私は_| ̄|○していた。




