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結局あの後直ぐに…。
黒猫姿のセバスさんがリオンの背に乗り可愛い肉球で頭をネコパンチしだした所で終わった。
私はそのまま恥ずかしさでいっぱいになりリオンと距離を取っていて…。
いつの間にか元の姿に戻ったセバスさんに研究室のテーブルがある所、一人がけ用のソファーに案内され、紅茶とタルトを頂いき、落ち着きを取り戻そうと頑張っている。
反対側にリオンは三人掛けのソファーに、機嫌悪そうに座っていた。
「坊っちゃん。マリアン様まだ12歳です。キス程度ならば良いでしょうがそれ以降はいけませんよ」
突然の発言に紅茶を吹きそうになってしまった。
吹き出さず呑み込んだ私誰か褒めて!
てか!それ以降って何!?
あれ以上の事何て、前世でたまに読んだ小説とかぐらいしか知らないよ!
ええ、なにせ前世では最後までどころかキスすら無かったですから!
それ系小説読んでも想像できなくて、恥ずかし過ぎて投げ捨てましたから!
私はさっきの事を思い出して真っ赤になっていた。
「坊っちゃん。いけませんよ。」
「はぁ…。分かっている」
苦虫を噛み潰したような顔をしながらリオンは紅茶を飲み始めた。
私は、恥ずかしくてタルトを口に運ぶ…。
サクサクの生地にトロッとしたカスタードとチーズクリーム…。
甘酸っぱいベリーが乗っていてとても美味しかった。
「おいしい…」
「ありがとうございます、それは良かったです。」
「え?これセバスさんが作ったんですか?」
驚いてセバスさんを見ると
「ええ、坊っちゃんは甘いものがお好きでしたからよく作っておりましたので…」
「セバス、余計なこと言うな」
「まあ、いいじゃないですか」
「お前は…ちっ!」
そんなやり取りについ笑えてしまった。
さっきの事などすっかり忘れていた。
「ところでセバス。何のようだ」
「ああ、そうでした。ユージニア男爵について調べ終わりました。」
「それで?」
「マリアン様が言われたように、ユージニア男爵家には白銀の髪に赤茶の瞳を持つマリアン様と同じ年の方が養子で取られているようです。名前はナナミと呼ばれています。マリアン様が言われたより早く来年の初めに編入されるそうです。」
「何故編入なんだ」
「どうやらナナミと言う方がそれを望んだようです、ユージニア男爵が色々と手を回し決まった様ですが。」
「リア、お前が見た夢は未来見かも知れん、他に何か見たりしたら俺かセバスに言え。俺は、今年しかここには居られない。来年からは時折研究室に来るだけになる。なるべく、夢で出てきた奴には会うな。」
「気をつけますわ。」
そう言うと、不満そうな顔をしながら頷いてきた。
「リア、この後は何かあるのか」
「いえ、特にありませんわ?」
「なら……」
「でしたら、少しお時間を頂いてもよろしいですか?」
セバスさんがおかわりの紅茶を注ぎながら話に割り込んできました。
「え?」
「何を言っているセバス…」
リオンがすごい睨んでいます…。
部屋の温度急激に下がっていきます。
「いえ、すこしお話したいことがありまして」
「ここで言え。」
「それは無理です」
「何故だ」
「坊っちゃんはこの後、王宮に用がある筈です。マリアン様をお連れすることはできません。本日は私がこのままマリアン様を見張っております。ご安心を」
頭を下げ私の横に立つ。
「話があると言っていた奴を隣に置いとくと思うか?」
「ただの私の事です。」
「ならここでもいいだろ」
「坊っちゃん。細かいと嫌われますよ」
「……ちっ。俺はこのまま行く。リア、後はセバスに任せる。気をつけろ」
リオンはそう言って私の隣に歩いてきて額に唇を落とし、転移を使ったのかその場から消えた。
「さて、坊っちゃんも居なくなったことですしマリアン様。少々ご質問してもよろしいですか?」
「え、あ、はい。」
真面目な顔でこちらを向くセバスさんに息を呑んで見る。
「貴方は何故あの桜が" 八重桜 "と知っているのですか?この事は、国や王様、坊っちゃんでさえ誰にも知られていない事です。ただ三人を除いて。」
「え、えっと…。」
なんて答えればよいのでしょう…。
前世で知っていたから?でもそれを言ったらこの世界のことを説明しないといけなくなる。どうしよう。
「マリアン様。」
「ゆ、夢で…暖かくて優しい可愛い感じの黒髪黒瞳の少女がそう呟きながら寂しそうに眺めていて、あの木を"八重桜"とよんでいたからです。」
「そうですか、先程行った三人ですが、勇者セシル、賢者マオ、そして賢者マオの召喚獣であった私です。」
セバスさんからのまさかの発言に驚いて目を見開いてしいました。
「かつて、賢者マオは聖地にてその土地の封印を解かれぬよう一人で守り続けました。そして、ある時彼女は己の魔力を半分近く注ぎ召喚したのが私です。彼女のイメージで作られた召喚獣である私は彼女との契約以外では基本自由に動くことはできませんでした。時折彼女は勇者セシルとの叶わぬ恋と、想いを私に話されたまに"八重桜"を見に行っておられました。それから約二百年ほど彼女は聖地を護り続け、最後の時私に言ったのです。【聖地を守り自分の好きに生きる様に、そして、再びこの世界に黒髪黒瞳の子が現れたらその者を支えるように】と。私は坊っちゃんが生まれたのを感じ直ぐに黒猫の姿で彼のそばに寄り添い守り続けていました。坊っちゃんが落ち着いた時、私は自分の存在を打ち明け、今こうして人間に姿を変えて執事として常に仕えております。」
「そ、そんな大事な事私に教えてよろしいんですか?」
「マリアン様の魔力はかつての主人マオ様と似た雰囲気があります。そして、あの桜のことを知っておられました。それは私にとっては坊っちゃん以上に重要だと感じこうして話させていただきました。"八重桜"の事、セシル様とマオ様の叶わぬ恋の話も坊っちゃんにはお伝えしておりませんので知りません。いまこの世で知っている方は私とマリアン様だけとなります。」
「セバスさん…。私がもしかしたらまだ教えれないほどの秘密を持っていたとしても貴方は…私がリオンの側にいる事を許してくれますか?」
「マオ様も、未来見の力を持ちこの世界の未来を見たことがあります。私は一度だけ聞いたことがございます。【いつか、この世界と異なる存在が現れ傷つけられてしまう。それはけして良いことではない】と、私はそれが貴女だと思っておりますマリアン様。」
「………。」
私は黙っていることしかできませんでした。
セバスさんが言っている異なる存在に当てはまるのかが分からなかったから…。
「マリアン様が何を思っており、知っているかは存じ上げませんが、私はこの先も坊っちゃんとマリアン様を守り続けるつもりですのでご安心下さい。それが例え、この世界を歪めるものだとしてもです。」
私はセバスさんが最後何を言っているのかわかりませんでした。
だって、それは…、前世ではできなかった第二期のリオン編。リオンを取り冒険者になると始まる乙女ゲームの話だから…。




