40話 説明は端折っちゃダメだね。
結局、三コマ目を応接室でサボり、四コマ目からちゃんと授業に…と言うか教室に戻った。…またディオさん達にノートを写させてもらわなきゃいけないな…面倒くせぇ。
「あ、コトハ!三時間目サボって一体どこ行ってたの?僕達心配しちゃった!」
教室に入って直ぐ、ちょっとご立腹なルナさんに言い寄られた。(プンプンって感じに、頬を膨らませて怒るルナさん…可愛いな。その膨らませた頬っぺた、潰してみても良いですか?こうモニッと。…って、暴走するな本能。頑張るんだ私の理性。)
「すみません、皆さんに先に帰ってもらった後でリアマ嬢に少々捕まりまして…。その事で三コマ丸々潰してしまったんです。」
心の葛藤なんて露ほども感じさせない言葉遣いも慣れたな、私。(見様によっては一人漫才だけど、別に他人に覗かれている訳ではないから気にしたこっちゃない。もし覗かれていても気にしない。…当分の間は立ち直れないだろうけど。)
さっきの言葉は間違ってない、間違ってない。あのお尻ペンペンの後、リアマ嬢がいつも通りになるまで待っていた時間も含めると、大体そんな時間まで掛かったから。決して、私が三コマ目(社会)をサボりたかった訳ではない。
「にしても…リアマ嬢がお前を見る視線が、心なしか柔らかくなったような感じを覚えるんだが…。」
うん、私もそう思った。恐らく自分の恥ずかしい所を目撃されたことにより、『もしかしたら、あの事をバラされるかもしれない。』と言った疑心暗鬼に陥っているのだろう。柔らかくなったと言うより、怯えていると言った方が正しいかもしれない。
「(あえて私はしらを切るけどね、これ以上ファイスカ家の人…もと言いリアマ嬢に関わったら面倒事になりそうだから。)気のせいじゃないですかね?ほら、リアマ嬢顔色悪いみたいですし、体調悪いから目力が入りづらいんじゃないですか?」
リアマ嬢が顔色悪いのは、大方私のせいなんですが、絶対皆さんに心配かけてしまうので(寧ろ呆れられるかな?)言いません。この事は、触らぬ神に祟りなし的な感じで私の中でお蔵入り。…リアマ嬢は触らなくても祟りが起こるとか、微塵も思っていませんよ?
「…ねぇ琴波、貴女が手首に着けている銀色のバングルって、もしかして制限装置?貴女今まで着けていなかったのに、どうして今になって…。」
「あー、その事なんですけど…。制限装置を貰った時先生に、私も疑問に思って聞いてみたんです。
先生の話によると、どうも初等部一年目にやる魔法実技の授業は、新入生…新入児童?…まあ、その人達の体内保持魔力を測定するためにあるみたいなんですよ。入試の時より幾分か成長している状態で魔力値を計った方が、測定者の負担を減らせるからとかなんとかって理由で。」
「そうだったのか。…で、その測定で、夜風はその体内保持魔力がずば抜けて多かった事が分かったんだな?」
「(かなーり不本意ながら)そう言うことです。…私も、今まで知らなかったのでビックリしましたよ。私の能力的特徴って、少しアレな先天性加護を持っているぐらいしかなかったもんですから…。」
「ちょっと待った。…コトハさんって先天性加護持ちだったんですか!?俺初耳ですよそれ!」
「僕も、僕も!」
「私も、琴波の口から聞くまでは知らなかったわ。」
「そう言えば、夜風の能力って聞いたことなかったな。」
あれま、言ってなかったっけ?結構前々から説明してたんだけど…心の中で。(まあ、それじゃあ普通にダメか。)
「ん~…私の能力の説明は後にしませんか?それより…。」
「それより…、って、コトハ何?」
「三コマ目の授業ノートを写させて下さい。」
なんか今日はノート写してばっかだなぁ。(皆さんの目がやや生温かかったが、気にしたら心が折れそうだったから気にしない。…その視線に気づいている時点で気にしているとか言っちゃダメ。)




