12話 入学式へ向かうまで。
まだ日常編ぽいですが、学園編と言い張ります。←
入学式当日――
必要な物リストを見ながら、ユリナさんが袋を渡してきた。
「大まかな荷物は明日届けるから良いとして……今日は替えの制服とパジャマ、文房具持っていってね。」
「本当に、ピンからキリまでありがとうございます、ユリナさん。」
「何を今さら〜。私とコトハお嬢の仲じゃない。……休みには、帰ってくるんでしょ?」
「はい、極力そのつもりです。私の家族が居るところですから。…勿論、ユリナさんとリベルタさん、料理長さんも家族ですよ?少なくとも、私はそう思っています。」
私の言葉を聞いて、少し目を見開いたユリナさんは、頬をポリポリ掻き、少し照れながら、私の頭を撫でた。(私も、言っていて照れた。)
「ありがと、コトハお嬢。私も、コトハお嬢の事妹みたいに思ってる。リベルタも料理長さんも、きっとそう思ってるよ。」
「ユリナさん…。」
ダダダダッ
暫くユリナさんと見つめあっていたら、
「ユリナちゃんばっかりズルいー!私も琴波ちゃん撫で撫でしたいのにー!!」
そう言って、母様も、私の頭を撫でた。ユリナさんに整えてもらった髪が、クシャクシャになるまで撫でまくった。(ちょ、母様。ご厚意は嬉しいけど、折角の雰囲気が台無しっ。)
その後は、抱きついてきた。(何故に。)
「琴波ちゃん、学校が辛くなったら、いつでも戻ってきて良いのよ?あなたの家族は、この家で待ってるから…。」
「母様…。」
あのね、母様。
言葉自体は大変嬉しいのですが…。
抱き締める力強すぎて、痛い、苦しい…あ、ヤベ、真面目に意識が遠のいてきた…。
「奥方様っ!コトハお嬢が昇天仕掛けてる!!力掛けすぎだよ!!」
「え、えぇぇえ!!?ご、ごめんね、琴波ちゃんっ!!」
「ゴホッゴホッ…、大丈夫です。」
マジで、また死ぬとこだったけどな…。まだ生きたいから、意地でも死ぬわけにはいかん。
「琴波お嬢様、そろそろお時間です。車にお乗り下さい。……何かあったのですか?髪がボサボサですよ。」
何も知らないリベルタさんは、手際よく私の髪を櫛で梳いて、整えてくれた。
「まぁ、色々ありまして…。時間ですか、分かりました。」
改めてユリナさんと母様に向き直り、
「行ってきます。」
すると二人は顔を見合わせて、笑顔でこちらを向き、
「「行ってらっしゃい。」」
うん。今日の二人の顔、絶対に忘れない。
車の中には、既に式の付き添いのために一緒に行く父様の姿があった。(式の付き添いには、母様も行くと言ったが、騒がしくするのが目に見えてるので、辞退してもらった。そりゃもう、全力で。)
私が乗り込んですぐに、車は発進。…リベルタさん、本当にギリギリまで待っていてくれたみたいだ。スピードの出しようが、尋常じゃないもの。
「思ったより遅かったな…。また雛菊が駄々でもこねたのか?」
「いえ、寧ろ、母様らしい(命懸けの)送り出しを受けました。」
「そうか…。まぁ、こうしてちゃんと会えるのは、数ヵ月後の長期休暇の間だけだしな。今日は大目にみてやるか…。」
いつも母様が駄々こねると、説教するの父様(たまに私)だしね。
「手紙、母様宛に書きましょうかね。」
「……メールではないのか?」
「こう言うのは、手紙の方が何かと良いのですよ。……あ、父様宛にも書きましょうか?」
「そうなると、返事を書くとき、雛菊と内容被りそうだな…。家族宛で良くないか?」
「ふふ、そうですね。じゃあ、そうします。返事、楽しみにしてますね。」
久しぶりに、ほのぼのとした会話を、父様としたなぁ。
昨日のは…アレだ。私の黒歴史だから。ほのぼのとしてたの、私以外の面子だけだから断じて含めないっ!
次は、本当に学園編。




