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第3話 名乗り
「落ち着いたかい? 」
「…うん」
「そうか」
ざぶざぶと温泉に入って、青燕を撫でながら 彼女が言った
「なんか足に問題があったみたいだからな。
ここに放り込んどいた。四、五日つかれば元通りになるだろう」
「え?」
「…え?」
「治る… 治るの?」
「あぁ… また走れるようになるだろうさ。」
「本当に? 」
「治るぞ?」
当然の事のように彼女は言う。
ケガは治ったけれども みんな、もう青燕は走れないと言ってた。
たくさんの馬を育てたオットコ爺ですら無理だって言った。
泣いて泣いてそれでもあきらめきれなかった命がこの手に戻ってくる。
青燕の傍に立つ彼女を見つめる。青い瞳 草原の空。緑の髪 夏の草原の色。
巴特はずぶぬれのまま 彼女の前に跪いた。
「草原を統べる尊き御方に御礼申しあげ…申し上げまする。心からの感謝を」
彼女が楽しそうに笑う。
「おやまあ おまえからずいぶんと昇格したもんだねぇ」
「その節は平にご容赦を。我が名は巴特。族長の第2子に当たります。妹は薩蘭 末の子になりまちゅ …なります。」
「泣き虫小僧かとおもっていたけどさすが族長の息子。礼儀はわきまえてるようだね。噛んだのはご愛嬌だが」
爆笑されて真っ赤になった巴特に彼女は言った。
「笑ったお詫びに、名を呼ぶことを許してやろう。我が名は耀花」




