73 最後の仕事(3)
「いや・・・・私のせいじゃないよ」
「何を言っているんですか?王女様が言ったんじゃないですか!?」
・・・・ジャンめ、なんで私が言ったことになってるんだ。
ガシスが提案したのに。
というか、提案した時、それを止めようとした私よりもガシスの方がいい!とか言ってたよね?
・・・・・・・絶対嫌いでしょ、私のこと。
「そうだ、アマノ。自己責任だ」
何が自己責任よ!
提案したのはあんただけど!!?
・・・・都合のいいことは私に押し付けて・・・・。
みんな、失礼だとか思わないの?異世界の人に向かって!
「じゃあ、学校に復帰しなさいよ!」
・・・ついイラついて、命令口調になってしまった。
「嫌ですよ。復帰は」
・・・・・う~ん・・・ワガママだなあこいつ・・・。
「う~ん・・・・じゃあ家庭教師は?」
「「カテイキョウシ?」」
・・・・・なんでそんな驚くんだろう・・・口をそろえて・・・。
あっ!もしや、家庭教師がいない?そういうこと?
「か、家庭教師なら家で勉強ができるよ・・・・・それなら問題ないでしょ?」
「ああ、なるほどな・・・・」
・・・・急にジャンが静かになった。
「ど、どうしたのジャン?・・・・・まだ嫌?」
すると今度はジャンは目をキラキラさせて私の手を握ってきた。
ん?どうした?
「あ、ありがとうございます!いい案とは言えないけど、なんとか頑張れそうです!」
・・・・ん?何気に失礼・・・。
こっちの立場にも立ってみなさいよ。結構解決策を出すの、大変なんだから。
「それなら、決まりだ。お城の教師をジャンの家庭教師として派遣しよう」
ガシスは満足した顔で言った。
・・・・・あの・・・・・口出しするんじゃなかったんじゃないの?
ってな感じで、それが昼まで続いた。
お腹がすくくらい。
いつもはこのぐらいまで続けない。
・・・・・話しているうちにお城に来たばかりのことを色々思い出した。
それで一つ気がかりなことがある。
それは・・・・納める作物の量について話にきた農民がここに来ていないということ。
私はあの時解決しようとしたけど、確かそれはガシスによって止められてしまったはず。
それに帰り際に「でもいつか恨むことになりますよ」とか意味深なこと言ってたし。
・・・・・・なんか嫌な予感しかしない・・・・。




