47 余談が多いようで・・
「いらっしゃ・・・ってテンヤじゃないかっ!!」
入って早々、リディアに目を丸くされた。
あ、そうか・・・なにも言わず、何日も行方不明になってたっけ・・・忘れてた・・・。
「テンヤ・・・だと?!」
いや、今更?
キトワ、理解するの、遅いよ・・・頭硬いなあ・・。
「ずっと探してたのに・・!今まで、どこ行ってた?!」
「あ、ええっ」
「リディアおばさん」
私がなんとか事情を話そうとすると、アマノ王女が「自分を見てくれ!!」とアピールするように割り込んできた。
「・・・アマノ?アマノ!!なんであんたも?え?どこ行ってた?」
リディアはパニック。
ほら・・・アマノ王女がそんなこと、言うから・・・リディア、困ってるよ・・。
私はアマノ王女を睨みつけた。
「・・・なんか、頼みますか?」
リディアがただいま、パニック中なので代わりにメアイが言った。
「私は・・・いつもの」
「「いつもの?」」
アマノ王女とメアイの声が重なった。見事なハマりっぷり・・・。
「じゃ、俺はヘンゼルクリーム」
「ヘンゼル?」
なにそれ?あの童話のクリーム?
キトワがそれを食べ・・・いや飲む?そもそも食べ物?飲み物?
・・・・意味が分からない・・・。
「私は、ぺディッシュ」
「ぺディッシュ?」
は?
『メインディッシュ』とか『○○ディッシュ』とかならまだ分かるけど・・・なに?「ぺ」って?
ディッシュに「ぺ」するの?
メアイもよく分からない・・・。
「私は・・アザラシリアル」
「へ?」
なにそれ?ダジャレ?アザラシのシリアル?
「アマノ王女様っ!まだそんな子供じみたシリアルをお好きなのですか!!
いい加減やめよう、と前言ったばかりだったじゃないですか!!!!」
メアイが急に立ち上がって、悲鳴に近い甲高い声で言った。いや、叫んだ・・?
・・・シリアルなのは確かなのね・・・。
「いいじゃない。今の気分は、シリアルなの」
妙にアマノ王女は冷静。
「あ、アマノ・・・アマノが二人・・・?!」
「え?」
「あ、起きた」
ガシスは、さっきまで気を失っていたけど、ちょうどこのとき、意識が戻った。
で、さっきと同じことを言ってる。
リディアは、ちょうど、メアイが叫んだときにキッチンに行ってしまったから、分かってない。
「あ、アマノが二人・・」
今度は、私とアマノ王女の顔交互に見て言った。
「王様。ちょうど、俺たち、アマノ王女とメアイとがどこに行っていたのかを話していたんですよ」
いや、嘘つけ!!
さっきまでシリアルの話をしてたところでしょうが!!
あと、何気に私のこと、言ってない。
「なるほど・・・」
「あ、なんか食べます?」
キトワの言葉にガシスは「う~ん」とうなった。
「・・・・お茶で」
あ、お茶?
ここにきて・・・お茶ね・・・。
その時、リディアはいなかったけど、すぐさまリディアはキッチンから出てきて、お茶を差し出した。
ちらりと、お茶を横で見ると・・・。
うん、普通のお茶だね。
ちゃんと白の湯のみに入ってて、その中には緑色のお茶・・・緑茶か・・・があって、ちゃんと湯気が出てる。
ああ!ゾルランって、あるものとないものの境が中途半端なんだよね!
例えば、お茶とか・・シリアルとか。
ガシスは、お茶をぐびぐびのんで、一気に湯のみを空にした。
「それで?どこまで行ったんだ?」
「え、まだ何も話してませんけど」
あ、メアイは正直・・・。
思わず、ガシスは漫画のように、コケっ、となった。
と、ちょうどその時、リディアが「お待たせいたしました~~!」と言いながら、アマノ王女にあの噂の「アザラシリアル」を差し出した。
アザラシリアルは、名前のまんまだった。
アザラシの形をした、穀物が、牛乳(多分)と混ぜられているだけだった。
「わ~い、やったあ」
小さく一人で拍手をしたあと、すぐさまアマノ王女はあのいびつなスプーンでがぶがぶ食べた。
やっぱ、似るのね・・親子って・・・。




