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どうやら異世界転生ってやつ?〜令和の垢抜け研究者(自称)が、社交界をまるごとプロデュースします〜  作者: 天野みんと


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19/20

第19話 友達とお茶をしたら、仕事が増えました

Instagramで漫画投稿を始めました!


エレナの垢抜け前→後を描いたり、

顔タイプ・パーソナルカラー・骨格まで本気で分析してみたり、

小説とはまた少し違った形で作品の世界を遊んでいます。


小説を読んでくださっている方には

「このシーン、こんな感じなんだ!」と楽しんでもらえたら嬉しいです。


Instagram:天野みんと|AI漫画 @amano_mint

久しぶりに会ったアシュリーさんは、何だか前よりさらに可愛くなっていた。

私がプロデュースしたから。

ではない。

自分で選べるようになっていたからだ。

「そのドレス、素敵ですね」

「本当?」

「はい。すごく似合ってます」

柔らかな色。

軽い素材。

髪は以前ほど盛っていない。

でも、アクセサリーにはアシュリーさんらしい華やかさがある。

「自分で選んだんです」

「分かります」

笑う。

「何となく、前より分かるようになってきて」

それが嬉しい。

私のところへ来ないと何も選べない。

ではなく。

一度知ったあと自分で楽しめる。

その方が絶対いい。

「それで」

アシュリーさんが小さな紙を出した。

「今度、新しいドレスを作ろうと思ってるんですけど」

「はい」

簡単な図。

色の候補。

装飾。

「ここだけ迷っていて」

見せてもらう。

なるほど。

「この形なら、こっちの方がよさそうです」

「やっぱり?」

「でも、もう一つの方を使いたいなら、ここを変えればいけると思います」

話しながらふと思う。

あれ。

これ前みたいに最初から全部を見る必要ない。

アシュリーさんはもう自分のことをかなり分かっている。

必要なのは。

少し。

迷ったところだけ。

「アシュリーさん」

「はい?」

「こういう相談だけでも、また来たいですか?」

「もちろん」

即答。

「最初みたいに全部じゃなくても?」

「むしろ、その方が助かります」

なるほど。

これサービスにできる。

最初はしっかり見る。

好きなもの。

似合うもの。

なりたい印象。

全部整理する。

そのあと。

新しいドレス。

季節。

髪を切りたいとき。

特別な予定。

気分を変えたいとき。

必要なところだけ。

また相談する。

「…………」

いい。

「エレナさん」

「はい?」

「今、お仕事の顔になってます」

「え」

いけない。今日は友達としてお茶だった。

「ごめんなさい」

「いいですよ。楽しそうだから」

笑われた。

「そういえば」

アシュリーさんが、今度は少し声を落とした。

「服の相談をしたかったの、もう一つ理由があって」

「何ですか?」

「今度の集まりに、ちょっと気になる方が来るんです」

「…………」

気になる方。

なるほど。

恋愛。

久しぶりに聞いた言葉な気がする。

いや、この世界に来てから初めてかも。

「可愛く見られたい?」

「……少し」

可愛い。

「じゃあ、いつもと少し変えましょう」

「変える?」

「全部変えるんじゃなくて」

アシュリーさんは普段から可愛い。

華やか。

その人が少しだけ違う。

だから目に入る。

「可愛いものって、ずっと見せてるより、時々見せた方が効くんです」

「…………」

アシュリーさんがじっと私を見る。

何。

「エレナさん」

「はい?」

「恋愛経験、豊富なんですか?」

「…………」

現世では二十五年生きて来た。

だからって普通。

特別豊富ではない。

「別に?」

「今の言い方、すごく慣れてる人みたいでした」

「魅せ方の話です」

「本当に?」

本当。

「じゃあ」

アシュリーさんが楽しそうに聞く。

「エレナさんは?」

「私?」

「気になる方、いないんですか?」

「…………」

考える。

この世界へ来て。

自分を整えて。

お兄様を整えて。

人をプロデュースして。

仕事にして。

人が増えて。

忙しくなって。

「考えたことなかった」

「本当に?」

「うん」

自分でもちょっと驚く。

現世では普通に恋愛もしたし、素敵な人がいたらいいなと思うこともあった。

でもこの世界に来てからそんなことを考える隙が普通になかった。

「素敵だと思う方も?」

聞かれて。

なぜか顔が一人浮かんだ。

ロイさん。

「…………」

何で。

アシュリーさんが私の顔を見る。

「いる?」

「いや」

何で。

最初に。

ロイさん?

仕事で一番よく話すから?

「分かりません」

「分からない?」

「まだ材料が足りないので」

「材料?」

アシュリーさんが笑う。

何。

だってまだ分からない。

帰りの馬車で考える。

ロイさん。

仕事ができる。

話が早い。

私の頭の中を整理してくれる。

ちゃんとしてる。

でも意外とよく笑う。

ちょっとからかってくる。

ヴィクトリア様にはああいう感じ。

「…………」

好き?

いや分からない。

材料不足。

でも、アシュリーさんに聞かれて最初に顔が浮かんだ。

それは一応、情報として記録しておこう。

「まあいい」

好きならそのうち分かる。

今、結論を出さなきゃいけないことでもない。

今度会ったときもう少し観察してみよう。

分からないことは調べればいい。

その日の午後、早速ロイさんのところへ行った。

もちろんお茶で思いついた仕事の話をするため。本当です。

「継続相談?」

「はい」

最初に全部を見る相談はそのまま。

その後は必要なところだけ。

「いいと思う」

ロイさんが頷く。

「一度来た人が、自分で選べるようになったあとも、困ったときだけ戻ってこられる」

「そうなんです」

「依存させないのも、君らしいね」

依存。

そう。

それは嫌。

私がいないと何も決められない。

ではなく。

自分で選べる。

でも迷ったときに一緒に考える人がいる。

そのくらいがいい。

「じゃあ、料金も分けた方がいいね」

「はい」

今度は言われる前に考えた。

成長。

「初回はしっかり見るので、今まで通り。二回目以降の軽い相談は、内容に合わせて」

「うん」

話が進む。

やっぱり。

この人と話すと早い。

そこで私は急に気づいた。

「…………」

「何?」

「ロイさん」

「うん」

「私」

嫌な予感。

今度は自分でする。

「ロイさんに、顧問料払わないといけないレベルでお世話になってません?」

ロイさんが止まった。

そして笑った。

「今さら?」

「今さら!?」

やっぱり!?

料金。

契約。

予約。

事業の整理。

利益。

仕事量。

何度相談した?

しかも定期的にベルフォード家に来てる。

普通にかなり働いてる。

「何で言わなかったんですか?」

「最初は面白くて口出しただけだから」

「今は?」

「今も面白いよ」

そうじゃない。

いや、それも大事だけど。

「時間も知識も使ってるでしょう?」

「まあね」

「じゃあ駄目です」

「何が?」

「ちゃんとします」

第十二話。私は学んだのだ。

一緒にやる人にもやってよかったと思ってほしい。

ちゃんと対価を払う。

ロイさんだけ例外にしてる場合じゃない。

「一回、お兄様に相談します」

「ダミアンに?」

「はい。第三者」

「なるほど」

ロイさんが笑う。

何。

「成長したなと思って」

「でしょう?」

今度はちゃんと先に決める。

「じゃあ、相談しておいで」

「はい」

帰りながらふと思う。

アシュリーさんに聞かれた。

気になる人。

そしてロイさんの顔が浮かんだ。

今日本人に会った。

観察。

……するの忘れた。

普通に仕事の話に夢中になった。

まあいい。

また会うし。

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