勧誘と争奪
流亜に言われて護は悩み決断するも……。
ジルフェア……いや流亜に言われ護は困ってしまいルカメイシェルとモンガを順にみる。
(気持ちは分かる。俺も同じような思いだ。だけど、この世界を破壊したいなんて考えていない。悪いのは……)
脳内で自分の気持ちを整理すると護は口を開いた。
「確かに理不尽に召喚されたけど、この世界の人たちが悪い訳じゃない。裁かれるべきなのは俺たちを召喚したヤツらだ」
「そうでしょうね……護は酷い目に遭う前に逃げたから、そこまでの思いに至っていない」
「そうだな……そうかもしれない。でも俺は流亜の過去をみた。そして未来もな」
その時のことを思い出し護は涙を浮かべる。
「未来か……何をみたか分からないけど。それを聞こうとは思わない。護がみた未来の私が、どうなってたって構わないのよ。私は……この世界に復讐をしたいのだから」
「そうか……気持ちは変わらないんだな」
そう問いかけられ流亜は、コクッと頷いた。
(どうする? 言っても聞く耳もたないだろうし。できることなら阻止したい。そうなると…………やっぱりそばにいた方がいいよなぁ)
そう思考を巡らせながら護はルカメイシェルへ視線を向ける。
「マモル……この世界を破壊してもいいのニャ」
「ああ……壊しても構わねえぞ。こんな世界、一度滅んで新しい仕組みに変えた方がいいんじゃねえかって思ってる」
そう言われて護は困惑してしまった。
「自分の世界が滅んでも構わないって……意味が分からない」
「それだけ、この世界が腐っているってことよ」
「腐ってるって……だとしても全てじゃないだろ? それとも俺が知らないだけなのか……」
ニヤリと笑みを浮かべ流亜は護をみる。
「そうね……ここ以外の他をみた方がいいと思うわ」
「そうだな、その方がいいかも。だけど……少し考えたい」
「決心がつかないのかぁ。分かったわ……一週間後にまたここにきて。一人が嫌なら、そこの二人も一緒で構わないから」
そう言われて護は一瞬だけ悩んだけれど頷いた。
「ルカにモンガ……大丈夫か?」
「大丈夫なのニャ」
「オレも問題ねえぞ」
それを聞き護はルカメイシェルとモンガに対し感謝し心の中で手を合わせる。
「じゃあ決まりね。逃げないで……まあ、それはないかもだけど。信用してるわよ……護」
そう言い流亜は護の頬へキスをした。
護の顔は真っ赤になり慌てて流亜を払いのける。
その拍子に流亜は地面に叩きつけられた。
ルカメイシェルは巻き添えをくらい吹き飛ばされて少し先の床に落下。
「……!?」
慌てて護はルカメイシェルの方へと向かった。
そばまでくると護は、よろけながら立ちあがろうとするルカメイシェルを抱きかかえる。
「ごめん……怪我してないか?」
「あ、うん……平気。ただ……まだ頭がクラクラしてる、の……ニャ」
その様子をみながら流亜は立ち上がり不貞腐れていた。
「私も突き飛ばされたんだけどね」
その声を聞き護は流亜の方を向きジト目でみる。
「自業自得だ! 俺の顔に……ふ、ふざけたことするからだろ!」
「ふざけてなんてないわよ! あームカッとするわ。えーと猫チャンだっけ? 私の護から離れてくれるかしら!」
「ニャニャ! ネコじゃないしタイガールフだニャ。それにマモルから離れるつもりなんかないのニャ!!」
ルカメイシェルは護に抱きかかえられていたが離れて床に立ったと同時に、すかさず腕にしがみついた。
それをみてムッとした流亜は護のそばまでくるなり腕を掴んだ。
「アンタなんかに渡さないんだからね!」
ルカメイシェルと流亜は睨み合い火花が飛び散る。
「なんでこうなるんだよ……」
二人を引き剥がしたい。だけど……また余計に拗れるんじゃないのかと思い何もできずにいた。
「二人共……マモルが困ってんぞ。いや、コリャ泣いてるな。離してやったらどうだ?」
そうモンガに言われてルカメイシェルと流亜は護へ視線を向ける。
モンガの言う通り護は困惑しすぎて涙を流していた。
それをみてルカメイシェルと流亜は護から離れる。
「ごめんなさいなのニャ」
「護……えっと、ごめんなさい」
やっと二人が離れてくれて護は、ホッと胸を撫で下ろした。
「まあ……いい。じゃあ俺は帰る」
「……そうね。一週間後にまた逢えるわ。待ってるから」
そう言い流亜は悲しげな表情で手をふる。
「ああ……じゃあな」
そう言い護は軽く手を振り流亜に背を向け扉へと向かった。
そのあとをルカメイシェルとモンガは追いかける。
「行ってしまったわね。護を絶対こちら側に引き込むわよ!」
そう言い流亜は机へと向かい椅子に座った。
机上に置かれている護の書類を持ち眺めて笑みを浮かべる。
「護は戦力になる。あとの二人は、まあまあ使えるわ。もっと戦力を増やさないと。この世界の真の敵を倒すためにはね」
真の敵。それは誰なのだろうか? なぜ流亜は知っているのだろう。
このことを護は知らない。まだ本当の未来をみていないからだ。
その後流亜は護の書類を持ったまま机上に頬をつけてヨダレを垂らし眠ってしまった。
読んで頂きありがとうございます(*^ω^*)
では次話もよろしくお願いします(^^)/




