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【コミックス2巻発売中!】転生幼女は前世で助けた精霊たちに懐かれる  作者: えぞぎんぎつね
四章

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191 村を救うルリア

 あたしを案内しながら、鳥達が教えてくれる。


「ぴぃぴぃ!」

「そっか、村がおそわれて、ヤギたちがたたかってるんだな!」

「ぴい~」

「レオナルド! ダーウ! いそご!」

「ぶるるる!」「わふ」「りゃあ~」


 あたしの頭の上に乗るロアが興奮気味に尻尾を振っている。


「ロアは、ルリアにぎゅっと抱きついていてな?」

「りゃむ~」


 呪われて弱っているというのに、鳥達はやはり速い。

 その後ろをレオナルドとダーウは難なくついて行く。


 一分ほど走って、村が見えてきた。


「まずいな?」


 ヤギ達守護獣と呪者が、村の中で戦っていた。


 ヤギ達は強いが、呪者の数が多すぎる。

 それにヤギ達は村人達を守りながら、呪者と戦わないといけないのだ。


「ダーウ、思いっきりあばれてな!」

「ガウッ!」


 次の瞬間、ダーウは矢のような速さで駆けだした。

 鳥達を追い抜いて、そのまま呪者の群れに突っ込んでいく。


「ガウガウガウガウガウ!」


 駆け抜けながら、呪者をかっこいい棒と爪で斬り裂く。

 それでいて、速さがほとんど落ちていない。


 ヤギ達に襲いかかろうとしていた呪者をどんどん倒していった。


「……す、すごいな?」

「……ぶるる」「……りゃ」


 あまりのすごさにレオナルドとロアが少し引いているほどだ。


「ルリアもまけてられないな! レオナルド!」

「ぶる!」


 ダーウから少し遅れてレオナルドも呪者の群れに突っ込んだ。

 ここまで近づけば、充分だ。


 あたしはかっこいい棒と木剣に精霊力をおもいっきり込める。


「きえれえええええええええええええええ!」


 勢いよく振りながら、棒と木剣から精霊力を発散させた。


「ふう。これでよし」


 呪者は全部消えた。


「みんな、けがはないか?」


 あたしは、レオナルドに乗ったまま、村人達と守護獣達に尋ねる。


「は、はい、……私達は無事です」

「ならよかった。ヤギたちは、怪我しているな?」

「めええ」


 ヤギはこの程度の怪我は何でもないと言っているが、そんなことはない。

 皆、致命傷を負っているわけではないが、軽い怪我でもない。


「なおれー!」


 あたしはヤギ達をまとめて治療した。


「ふう、これでよし」


 あたしはキョロキョロと周囲を見回した。

 まだサラ達は到着していない。


「クロがいたら、おこられるところだったな? レオナルド、ありがと」


 そういいながら、頑張ったレオナルドの首筋を撫でていると、

「わふわふ~」

 ダーウがレオナルドの胴体に前足をかけて顔をあたしに近づける。


「ダーウもえらかったな? だいかつやくだ」


 ダーウの頭を撫でると、鳥達がレオナルドの背中に集まってくる。

 レオナルドの背は広いが、フクロウや鷹は大きいし鳥達は二十羽もいる。


 さすがに乗り切らない。

 乗れなかった鳥達は、大きな鳥の上に乗ったりあたしの肩に乗ったりする。


「鳥達もありがとな?」


 あたしは羽毛まみれになりながら、順番に撫でていった。

 ダーウのもふもふもいいが、羽毛のふわふわ感も素晴らしい。


「めえ~」「ぶぼぼ」「もお~」


 ヤギ、猪、牛も撫でもらおうと集まってきて、

「りゃむ~」

 ロアも肩まで降りてきて、頬ずりしてくる。


「みんながんばったな! えらいえらい!」


 あたしがみんなを撫でまくっていると、


「せ、聖女様……聖女様だ」

「……聖女様が、我が村をお救いくださった」


 村人がざわざわしている。


「…………まずいな?」


 あたしがぼそっとつぶやくと、ロアが「りゃむ?」と首をかしげた。


 聖女だと思われるのはよくない。


「ルリアは、せいじょじゃないからな?」

「聖女様、地上への降臨を感謝いたします」

「……この感動を、なんと言ってあらわせば良いのか」


 村人達はあたしの言葉を聞いていなかった。


「こ、こまった」


 あたしは、どうやったら話しを聞いてもらえるか少し考える。


「あ、そうだ! ダーウにすこし吠えてもらえば……」


 ダーウの声で注目を集めてから、あたしは聖女じゃないと説明すればいい。

 直訴に来た領民にダーウが吠えたときは驚かせすぎたので、少しだけ吠えてもらえばいい。


「ぁぅ? ……ガウッ!」


 ダーウの大きな吠え声が周囲に響き渡る。注目を充分浴びたことだろう。


「よいか? ルリアは聖女じゃない」


 だが、村人はあたしの話を全く聞いていなかった。


「ありがたいありがたい。聖なるお犬様の吠え声が邪気を払っていく……」

「さすがは聖女様の従者たる聖犬様……」

「ぁぅ!」


 ダーウは「はい、僕が聖犬です」とばかりに胸を張っている。


「吠え声がりりしい」

「なんというありがたい吠え声……知性を感じる」

「わふ~ぁぅ~」


 あまりにも褒められてダーウは照れて、前足で猫が顔洗うときのような仕草をする。


「まあ、たしかにダーウはかしこくてかわいいからな?」


 それはそれとして、聖女じゃないとなんといえば納得してもらえるだろうか。


「むむ~、あ! やっときた!」


 遅れていたサラ達がやっと村に到着したのだ。


「ルリアちゃん、どんなかんじ?」

「えっとね――」


 あたしはサラとスイ、トマス、クロ、狩人親子に起こったことを説明した。


「きゅ~」「ここ」『……』


 もちろん、あたしの近くに来たキャロとコルコ、クロを撫でながらだ。


「ルリアはすごいであるからな! まさに聖女!」

「なるほど、聖女だと思われて困っていると」

「そう。トマス、どしよ?」

『だから、ルリア様は力を使いすぎなのだ!』

「……すまぬな?」


 クロはあたしに撫でられながらも小言を言ってくれる。


 そんななか、トマスは真剣な表情で考えてくれていた。


「そうですね。とりあえず口止めをしましょう、それで――」


 トマスの言葉の途中で、

「しねえええええ! 悪女!」

 物陰から男が二人、飛び出してきた。

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様&ありがとうございます ダーウが聖犬ですか…シチュエーションがあれなだけに、雪山効果みたいなものですね 新作おめでとうございます。続きを期待します←まだ読んでいません ではまた次回の…
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