第3話 どっち?
突然。
ぼくの横に、真っ赤髪の目つきの鋭い女の子が現れた。
「…………」
女の子はにっこりと笑った。
「えっと……宙?」今の話の流れからすると、この少女は宙だよな……。
「うん。意外?」
「意外」
「え〜なんで?」宙が聞いてくるけど、そんなのも分かんないのかと、宙を殴りたい気分になる。
「……」ぼくが、怒りに震えながら黙っていると、宙はフゥ〜と息をついて、
「見事に騙されてんだから、おもしろいっていうより呆れるわ、虹くんのこと」といった。
「え?」一体どういうことだよ?
「今まで、いきなり口調が変わったのも、男の子の振りしてたのも、ぜ〜んぶ、調査のためだったの」
「は?」
「は?じゃないわよ、ほんとに理解度ないわね。本当に呆れるわ」
……………ほんとに理解できないんですけど。
「ま、いいわ、あなたはもう利用できない、ようなし。理解できなくても、私はぜんぜん困らない。君が唯一、理解して欲しい事はただ一つ、『もう、あなたはようなしなので、私がハコを壊して、君を殺すか、記憶をなくして、地球に戻るか』ってことを理解して欲しいだけ。どうする?」
……どうするって言われてもな。
正直、ぼくはもう死んでいるものだと考えていた。ここが宇宙だと知ったときから。
『人が死んだら、宇宙に行くんだ』と考えていた。
──また、地球に戻って生きる事ができる。
これはこれでいいと思う。願ったり叶ったりだ。
でも。
『記憶をなくして、地球に戻る』
ぼくは、ぼくに疑問をぶつけた。
『このまま何も知らないで、かえってもいいのかい?』
答えは──。
絶対いやだ。




