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        12 マイク王子

 マイク王子はこれまでマリエールがやって来た業績を上げる。そして国王の直轄地を止めるために国王の養女になって欲しいと告げる。

           12  マイク王子


 マリエールの言い様にマイク王子はへこたれない。

「その方、領都の砂漠化の際、海水を淡水化してアイテムボックスに入れてフライと転移領を救ったと聞く。これほどの才を持つ貴族私は他に知らない。お主こそこの国一番の魔法の才を持つ者だろう。」

マリエールはやや辛そうな顔をして、

「自分の力ではありません。旅人の方が与えて下さった力です。お名前も聞きそびれました。神様だったのかも知れません。今も使えるのかは判りません。ただ一時使えた魔法なのかもしれなません。だから国一番の魔法の才の持ち主は私ではありません旅人なのか神様なのか知れない人です。彼がいなければ領は今砂漠の中です。」

マイク王子は一時の魔法でない事を承知している。

「それ以降、砂漠化していた領の東部を遂には解消してあまつさえ砂漠まで開拓して領地を広げ砂漠を渡り森に至った。一時の魔法であるはずがない。」

この人は何が言いたいのだろう。正直聞いたこともない王子だそうだけど私と何が関わるのだろう。

「仰る゙ことが判りません。私の魔法とマイク王子様と係りがあるのでしょうか。」

マリエールにはマイク王子の真意が判らなかった。

「砂漠化の問題を抱えているのは何も男爵領だけではない。国王の直轄地だけでも何万人もの者達が砂漠化のために苦しんでいる。国王の養女となってその者達を救って欲しいと私は思っている。」

いきなり脳天に雷が落ちたようにショックを受けた。領の砂漠化を抑えるために何年かかったと思っているの。私は領民のためこれからも領に砂漠の風が吹かないように抑え、マリエール商会で財政を潤したい。知らない誰かの助けにはなれない。

「冗談はよして下さい。私は男爵領の民のためなら骨身を惜しむ気はありませんが、好き好んで男爵領以外の人々を助ける気はございません。」

これがマリエールの本音だ。マリエールは生まれ育った男爵領の人々が好きだ。人類皆兄弟の境地には至っていない。マイク王子は

「国王は既にその気だ。お前に直轄地の砂漠化を止めさせるために養女に迎える予定だ。成功のあかつきには王妃として迎える予定になっている。」

最悪のシナリオだ。私は国王の養女にも王妃にもなりたくない。私の幸せは男爵領の民と共にあると言うのに、マリエールは足掻いた

「男爵の娘では、国王の養女にも王妃にもなれないのではないしょう。」

マリエールの最後の希望の綱が断ち切られた。 

「心配するな。養子縁組が決まれば男爵は辺境伯になる。北も東も拡大する。領地が10倍になる。」

まやかしだ。机上の空論だ。東は砂漠、北は未開の地、領地にされてもメリットがない。辺境伯になっても財政が潤うわけではない。

「名前だけの辺境伯など何の魅力もありません。」

堂々巡りだ。マイク王子は、

「辺境伯になってマリエール商会をもっと発展させれば、辺境伯領は豊かになるのではないか。国は砂漠化した土地が潤い、一定の税収が上がればいい。マリエール商会は新しく手に入れた土地で事業を拡大すればいい。国王の養女になれば、マリエール商会を全国展開できるぞ。そうすれば辺境伯領も豊かにできるだろう。」

確かにその手はあるのかも知れない。

 マリエールはマイク王子の言葉が受け入れられない。マリエールは男爵領の領民を愛しているのだ。マイク王子はマリエール商会の全国展開を提案した。

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